「ありの行列」 授業記録 その1

 「ありの行列」の文章には、段落がいくつあるでしょうか。
 
 児童はまだ段落という言葉を学習していないので、分からない子も多い。

 段落っていうのは何か分からない人は、この「段落」という字がヒントですよ。段は階段の段ですね。落は落ちるということです。階段のようになって落ちているところが段落ということになります。
 
 全部で10の形式段落から成っていることを確かめて、全員に赤で番号をつけさせた。

 説明文はだいたい3つのまとまりからできています。それを「はじめ」「なか」「おわり」と言います。
 では、「はじめ」のところの段落は何番から何番まででしょうか。また、「なか」は何番から何番でしょうか、「おわり」は何番から何番でしょうか。段落の番号をノートに書きましょう。
 
 児童は次のように考えた。
(はじめ) A ①だけ         (おわり) A ⑩だけ
      B ①〜②               B ⑨〜⑩
      C ①〜③               C ⑧〜⑩
      D ①〜④               D ⑦〜⑩

 この中から、これは絶対おかしいというものを選んで、その記号を書きなさい。
 理由が書ける人は、理由も書いておきなさい。
 
 児童はまだ、文章の記述を根拠にして理由を考えるという作業に慣れていないためか、
○段落一つだけというのはおかしいと思う。
というような理由しか述べられず、検討して正解を得ることはできないと判断して、説明をすること
にした。

 ①の段落に、これからこういうことについて書きますよ、ということを教えている文があるのですが、どれでしょうか。その文に線を引きなさい。
 
○それなのに、なぜ、ありの行列はできるのでしょうか。
 
 一文に正しく線が引けていない児童が多かったので、「一文」を指導する。

 このように、これからどんなことについて書くのかを、読んでいる人に教えている段落が「はじめ」の段落です。ですから、①ということになりますね。
 「なか」の部分は、「はじめ」のところで示されたことがらが、くわしく説明されている部分です。そして、「おわり」の部分は、そのくわしく説明されたことを簡単にまとめたり、新しい話題を出したりしているところです。
 
 説明中心の授業となってしまったが、こういう作業を何度か繰り返すことで文章の構造をとらえる
ことができるようになってくるものと思う。
 次の説明文教材の時には、今回の授業が生きてくるはずである。