「わかば」

 何度か音読をした後。

 「わかば」と書いてありますが、この「わかば」はどんな若葉でしょうか。次の中から
選んでみましょう。
①高い木のわかば
②低い木のわかば
③草花のわかば

 人数を確認してから理由を書かせた。
 多くの子どもたちは、文章に即して読むということに慣れていないためか、文章を根拠に
して理由を書いている子は少なかった。

○草花のわかば。理由は、絵に草花が描いてあるから。
というものが最も多かったが、次のような子も見られた。

○天を見ているから、上の方を見ている。だから、上の方にわかばがある。
○「ぼくらを見下ろして」って書いてあるから、上から見ている。上の方のわかば。

この2名をおおいにほめた

 「ほんとはぼくら子どもも 人間のわかば。」って書いてありますが、どうしてぼくら
子どもも人間のわかばなのでしょうか。ノートに考えを書いて見せにきなさい。

 子どもたちのノートを見かた、気付いている子は誰もいなかった。
 そこで、次のように一問一答を行った

T:むねが晴れ晴れするのはだれですか?
S:ぼくたち。
T:どうするとむねが晴れ晴れするのですか?
S:わかばを見ると。
(ここまでの図式を板書)
T:もうひとつ、晴れ晴れしているのは何ですか。
S:天。
T:天はどうすると晴れ晴れするのですか?
S:ぼくらを見下ろすと。
(ここまでの図式を対比的に板書)

 この図を見て、何か気付きませんか? 気付いた人はノートに書いて見せにきなさい。

 「あっそうか。」「わかった」
等の声を叫びながら、子どもたちは何度も何度もノートを見せにきた。
 何となくわかっているのだが、言葉で上手に説明できないらしい。それでも、何人かの子
たちは、それなりの答えを書けたようだ。

 ぼくたちは若葉を見ると胸が晴れ晴れするのですね。天はぼくたちを見ると晴れ晴れす
るのですね。ぼくたちの胸を晴れ晴れさせるものは「わかば」です。天を晴れ晴れとさせ
るのは「ぼくら」です。わかばもぼくらもどちらも何かを晴れ晴れとさせるものだという
ことが言えますね。
 だから、ほんとはぼくら子どもも、人間のわかばなのですね。