稲葉小学校 第3学年 学年だより
parents teacher children
|
|
2002. 4.11 発行
第 3 号
編集責任者 山中
|
|
こんな3日間
新学期なので浮かれているのかどうか分かりませんが、とにかく
よくしゃべる子どもたちです。1分と静かになっていませんね。
「静かにしなさい!」
を連発するのは教師としては最低なのですが、そんなことを言って
いるレベルではありません。
私が話していても平気であっちでもこっちでもしゃべり始めま
す。後ろを向きます。ノートをいじったり、鉛筆をいじったりして
います。となりの子をつついたり、さわったりします。
だから、
「いいか、授業中はしゃべってはいけないんだぞ。」
「いいか、授業中は後ろを向いたりとなりの人をさわったりしては
いけないんだぞ!」
という当たり前のことを改めて約束しています。
こんなこともありました。
席がえをして机を移動する時のことです。
机が大きくなったこともあって、自分の机を遠くまで動かすこと
になった子が、机といすの間が狭くて通れずになかなか進めなかっ
たのです。でも、その前後の4人はいすに座ったままで知らぬ顔を
しています。中には、
「早く行けよ!」
と語気強く言う子もいます。
4人が自分の机といすをちょっと動かして間を広げてあげれば、
さっと通れるのですが、誰もやろうとしません。
そこで私は、
「どうして、自分の机を動かしてあげないんだ!」
と厳しく迫ります。
こんなこともありました。体育館に入学式用に自分のいすを並べ
ていた時のことです。
「じゃあ、ここから背の小さい人から順番に並びます。」
と言って並ばせようとしていると、
「おい、ちびすけ、こっちだ!」
と言う子がいます。
そこで私は、
「ちびすけなどと言ってはいけない。もう二度と言うな!」
と厳しく申し渡します。
日常にひそむ偏見や差別や無関心を子どもたちの目の前に引っ張
り出して、はっきりと意識させること、それは教師の大きな仕事の
一つです。まず、この子たちの価値観をひとつひとつ確かめていか
なければなりません。
でも、みなさん。すばらしい出来事もありますよ。
体育の時、
「じゃあ、最後に3分間だけ遊んでいいよ。」
と言うと、子どもたちは歓声をあげて、思い思いの遊具のところに
走って行って、楽しそうに遊び始めました。
3分たったので、
「じゃあ、教室にはいりま〜す。」
と声をかけると、どの子もどの子も遊びをすっとやめて、昇降口の
方へさーっと走っていきました。
それはあっという間のできごとでした。
それはそれは美しい光景でした。教室へもどる子どもたちの姿を
美しいと思ったのは、教師生活22年目にして初めてのことでした。