稲葉小学校学校課題研究通信
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2002. 2.18 発行
第 75号
文責 山中
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研究発表会見聞録 7
せりふを教え、口まねをさせてから席にもどした。
鬼をやっつけた桃太郎におじいさんとおばあさんが何て言っているかを英語
で確かめたところで、桃太郎の3番の歌が歌われた。
こうして、先生自作の英語の歌「ももたろう」が3番まで子どもたちに披露
されたのである。1番から通して歌う。もちろんよく歌えない。しかし、何人
かの子は口まねで歌い、一部分は多くの子が歌えていた。
この1時間に、非常に多くの単語が子どもたちに示された。それが子どもた
ちのよく知る「桃太郎」の話を聞いたり演じたりするという形で示されている
。2年生でしかも38人という大人数、配慮が必要な子が少なくとも2人はい
た。今まで子どもたちが触れたことのない新しい教材で、ごまかしのしようの
ない授業だ。その授業を一人でここまで引っ張って来る、この担任の先生の力
量に圧倒される授業だった。
6年生の授業
最後まで2年生の授業を見たかったのだが、残り10分となったところで、
6年生の授業をちょっとのぞいておこうと思い、6年生のクラスを見にいくこ
とにした。
参観者の頭越しだが、高校生を呼んでいっしょに話すという授業をやってい
るらしい。最後の高校生と6年生がいっしょに発表するという場面だった。ど
うやら早口言葉を練習していたらしく、グループで早口言葉の発表をしていた
。2年生のようなパワーは感じられなかった。
講演と演習
授業の後、体育館で講演と演習が行われた。阿部・フォード先生の英語の演
習はどれもすばらしく、文字で紹介することはできないが、英語を教える教師
なら一度は受けておきたいものだと思った。阿部・フォード先生に指導してい
ただいている誠之小学校の先生方が英語指導が上達するのは当然、と思えるほ
ど勉強になる演習だった。
演習Ⅱ
最後は小学校の先生方による英語活動の歌やゲームの紹介であった。どの教
室も人があふれていた。時間の都合でほんの数分しか見られなかったのは残念
であった。
以上です。お疲れさまでした。
以下、改めて思ったことをまとめて示してみます。
本校の英語活動と決定的に違っているのは教師のパフォーマンス
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小学校の先生方のパフォーマンスはすごいです。舞台で演じているようです。これが
子どもたちを英語に引きつけているのでしょう。
ゲームの説明はしますが、英語の表現についての説明はほとんどありません。ただ、
英語を提供するということに徹しています。
ストレートに暗記や定着を目指すような活動は一切ありません。覚えているかどうか
を問題にしないようです。そのかわり、
変化のある繰り返しによって、次々に英語を提供し、英語を表現させています。
活動の中心は歌とチャンツとゲームです。スキットはほとんどありません。特にチャ
ンツは大きな効果を持っているように感じられました。
特に大げさな掲示物があるというわけではありません。研究内容の発表もありません
。校長先生のあいさつが1,2分あっただけでした。あとは全て授業を通して事実で勝
負しています。しかもその授業が一朝一夕にできるような授業ではないところがすごい
ところです。
久々にすごい研究発表会に参加させていただきました。大変勉強になりました。私に
もっと力があれば、もっと多くのことが見えたに違いありません。力のない教師には、
あっても見えない部分があるのだそうですから……。ビデオを撮ればよかったとつくづ
く思った次第です。
これで見聞録を終わります。