稲葉小学校学校課題研究通信



 

2002. 2.18 発行
第 70号
文責 山中

 
 
研究発表会見聞録 2
 
「もっと、ずっと中へ入っちゃってください。どうぞ、黒板のすぐ横まで行っ
てしまって構いませんから。どうぞどうぞ。狭くてすみません。」
と後ろから押されて、どんどんと中へ入ってしまった。そして、何と本当に黒
板のすぐ横まで行って授業を見ることになった。これは幸運だった。
4年生の授業
 将来の夢を互いに聞いたり話したりする授業のようだ。黒板に、将来なりた
いもののイラストが20枚くらい貼ってある。外でのぞいている時には、黒板
のイラストを先生がはえたたき(今時のはえたたきは、ハエに一撃を喰らわす
部分が、ハートになっていたり足型になっていたりと楽しいらしい。)で指し
ながら、子どもたちがその名前を英語で言っていた。
 この授業はTTで行われているらしい。二人の女性の先生はいろんな小道具
を使って変装して、子どもたちの興味を惹いていた。変装をして動作をしなが
ら英語で表現しているのである。
 そのうちにワードブリッジゲームが始まった。黒板でやるのではなく、長机
の上にカードを裏返しにして並べ、両側からカードをめくっては読み、めくっ
ては読み、両者が出会ったらじゃんけんをするのである。最初にゲームのやり
方を教師が説明するのだが、これがほとんど全て英語である。ただし、難しい
表現はない。でも、後で気付いたがどの先生も実に堂々と英語を話している。
素人耳だが、格別英語の発音がいいというのでもなさそうである。しかし、自
信たっぷりに英語を話している。そして、オーバーアクションである。動作が
実に大きく自然で子どもたちの目は先生の動作に釘付けとなっている。
 ゲームの説明が一通り終わり、3つの長机を使ってのグループ対抗戦が始ま
った。ゲームに熱中するのは稲葉小の4年生と同じである。単語が分からない
子はイラストを自分たちのグループの方に見せてアイコンタクトをとると、グ
ループの子がすかさず大きな声で教えてくれる。
 出会った子どもたちはじゃんけんをする。じゃんけんのかけ声は
「rock! scissors! paper!  one! two! three!」
というもので、これは全学年統一されたものらしい。どの子も実に自然に英語
のじゃんけんをしている。
 このゲームはグループを変えながら何回か行われた。じゃんけんで勝ち抜い
て1勝した子には、教師からカードが与えられる。このカードは色画用紙に何
か印刷したものを長方形に切ってあるだけのものだった。カードをもらった子
はそれほどうれしそうな素振りをしていなかった。ゲームそのものがおもしろ
いので、既に報酬は必要ないといった様子である。
 何回かメンバーチェンジをしてゲームを楽しんだあと、いったん片付けて座
りなおし、別の活動に入る。
 児童一人一人に手作りのカードが渡された。このカードは児童による手作り
と思われる。自分が将来なりたいものが、イラストで描かれたり簡単な紙工作
で作られたりしている。参観している私たちにも、担任教師からイラストの描
かれたカードが渡された。
「どうぞ、子どもたちと会話をしてあげてください。」
とのことである。しかし、ちょっと困った事に、私に渡されたイラストカード
に描かれていたのは女性ダンサーだった。
 活動が開始された。子どもたちは相手を見つけては、あいさつをして自分の
夢を紹介しあうのである。そのうち、一人の女子と目が合った。するとその女
子が私の前にやってきた。
「My name is ○○.」
「My name is yamanaka.」
「Nice to meet you.」
「Nice to meet you too.」
「My dream is to be a ballerina.」
「My dream is …… ballerina?」        
「Dancer」