雲はどこから来るの?
お買い物の帰り道、たっくんはお母さんにこんな事を聞きました。
「ねぇ、雲はどこから来るの?」
「さぁ、どこだろうねぇ。」
幼稚園でさっちゃんが言いました。
「あっちの方から雲がもくもくもくもく出てきたの。」
「あっちに雲のこうじょう、あるのかな?」
「行ってみようか!」
二人は三りん車にのって、出発しました。
こわい犬のいる家もこうちゃんの家もとおりすぎました。
でも、どこまで行ってもこうじょうなんてありません。
「もっと遠いのかな?」
空がだんだん赤くなり、お母さんが呼んでいます。
「たっくん、さっちゃん帰ってらっしゃい。」
「また明日ね、バイバイ。」
よるです。
たっくんはお風呂で今日のことをお父さんに話しました。
「わっはっはっ。雲はね、こうじょうで作っているんじゃないんだよ。
水が旅をしてお空に上っていったんだよ。」
「へぇ。明日さっちゃんに教えてあげよう。」
雲のこうじょうはなかったけど楽しかったな。
「おやすみなさい」
2人はどんな夢を見ているんだろうね。
作/ 石井 里佳
——————。いつもの街、いつもの角。いつもと同じ静かな朝だ。
いつからだろう、静かなこの朝の街を走るようになったのは。しんとする空気の流れを、肌で感じる。
鳥たちが鳴き始め、この町の朝が始まる。商店街では、今日もにぎやかなおじさんやおばさんたちが顔を出し始めた。
つづく・・・
ぜひまた読んでください。