つくばの悲劇

 ナガバノイシモチソウは日本では絶滅寸前の植物で、植物版レッドデータブックで絶滅危惧種とされています。
 茨城県つくば市北部には、日本最大のナガバノイシモチソウの自生地がありました。しかし今はもう、その大群落を見ることはできません。

在りし日の大群落

 この自生地の群落は他の自生地とはスケールが違います。あたり一面ナガバノイシモチソウで埋め尽くされているのですから。
 奥へ行くのにナガバを踏まずには進めない状態です。絶滅危惧種が、こんな住宅地の一角に雑草のように生えているとは本当に驚きでした。


最後の時を迎える自生地

 大群落が土砂で埋め立てられていきます。他の県では天然記念物に指定される植物なのになぜ…。
 あの大群落も、黄色い花を咲かせていたミミカキグサも、もう土砂の下です。
 今もこの場所のまわりにほんの少しだけ、ナガバノイシモチソウが生き残っています。しかしそれらが絶滅するのも時間の問題でしょう。

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