楽しい自生地講座

食虫植物は探せばけっこう生えているものです。
そこでこのコーナーでは、自生地を見つけるポイントをお教えしましょう!

その1・田んぼ、ため池を探せ!

 田んぼといっても、水路をコンクリートで固められたような田んぼではなく、昔ながらのいわゆる「里山」の田んぼです。人と自然が調和するこのような田んぼでは、ほどよく草刈りがされて大きな植物も生えず、水路や小川の斜面などがモウセンゴケなどに適した環境になっている事があります。
 そんな田んぼの近くにため池があれば、そこも探してみるべきでしょう。池にはタヌキモ、まわりにはモウセンゴケやミミカキグサが生えているかも知れません。
 微妙なのが休耕田で、ほとんどの場合は休耕すると草刈りがされなくなって大きな植物が生え、食虫植物は消えてしまいます。しかし、ごく希にきれいな湧き水があり、土に肥料分が少なかった場合などは、休耕田が自然の湿地のようになり、食虫植物が生える場合もあります。


その2・松林を探せ!

 松は海岸にある黒松ではなくて、主に赤松のことです。松林の中やふもとから湧き出る水は、食虫植物に適した水らしいのです。そんな水で出来た湿地には食虫植物が生えている可能性があります。
 「その1」で書いたような田んぼの回りに松林があれば、かなりの確率で食虫植物が見つかります。また、松林の下の崖から水がしみ出ている場合には、その崖にモウセンゴケやコモウセンゴケが生えているかもしれません。
 とにかく、遠くからでも探せる松林は、自生地探しの重要な目標となるのです。


その3・こんな花を探せ!

 食虫植物と同じ環境を好む、仲の良い植物たちを探すのも重要です。食虫植物が好む湿地は日当たりの良い、背丈の低い植物が生える湿地です。ヨシやガマの様な大型の植物と一緒に生えることは少ないです。
 食虫探しの目印になりそうな花は、サワギキョウ(右上の写真)、サギソウ、トキソウ、ミズトンボ、ハルリンドウ、イヌノヒゲ(ホシクサ)類(右中の写真)、イヌノハナヒゲ類、湿地生ギボウシ類、シランなどで、高山の湿原ならば、キンコウカ、ミズチドリ、ミズギク、ワタスゲなどです。
 あと花ではないですが、ミズゴケ(右下の写真)が生えていれば、ほぼ間違いなく食虫植物も生えているでしょう。
 ムシトリスミレやコウシンソウが生える崖には、ダイモンジソウやウチョウラン、ユキワリソウなどが多いです。
 ところで、肝心の食虫植物はとても小さい物が多いので、顔を地面に近付けてじっくりと探しましょう。もし花が咲いていれば探すのが楽になるので、7月〜9月ごろが最も良い時期といえるでしょう。


その4・ハッチョウトンボを探せ!

 食虫植物の自生地には、色々な昆虫が住んでいますが、いちばん特徴的なのがこのトンボでしょう。普通のトンボ類の中では最小で、このトンボが飛ぶ場所には食虫植物が生えていることが多いです。
 ちなみに尾瀬ではこのトンボがよく、ナガバノモウセンゴケの餌食になってますが・・・。

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