ARE YOU READY?

8



 何度も何度も指が入り口をまさぐる。その行為に追いすがる腰。どうにも、止められない。
「あ………ぅん………」
 ゾクゾクする甘い声。もっと………もっと聴かせて?
 絵理子の囁きに、仁絵は切なげに息を漏らした。背中に腕を回し、更に身体を密着させる。
「絵理………絵理………」
 撫でさすり、弾く。広げ、揺さぶる。それだけで、もう身体全体がとろけそうになって。
--------欲しい。
 切実に思う。もっともっと………もっともっと、絵理子が欲しい。
「仁絵ちゃん?」
 目尻に浮かぶ涙をぺろりと舐めながら、絵理子は問いかける。それに、ぼんやりと瞳を開くと、
「っと………」
「え?」
「もっと………気持ちよく………して………んぁっ!」
 仰け反る喉。がぶりと噛みつく。
「仁絵………ちゃん」
 絵理子ももう、限界だった。これ以上、相手を、そして自分を焦らす事なんて出来やしない。
「………好き、だよ」
 耳元でそう囁くと、絵理子は入り口を弄んでいた指を一気に奥へと挿し入れた。
「くぁっ!!」
 びくりと持ち上がる腰。だけど、痛みではなくて。
「あ………痛い?」
 心配そうに問うてくる絵理子に、首を振った。
「でも………」
 尚も不安げな絵理子に、仁絵は囁きで返す。
「--------気持ち、いいから………お願いだから」
 続けて………。
 甘い囁きに、絵理子は軽く頷くと、ぎこちなく指を動かし始める。それが、だんだんと相手の反応によって力を得てくるのは当然のことであって。
「あっ………う………ん………んっ………いっ!」
「ひと………ちゃん」
 顔中にあちこちにキスを降らせながら、絵理子は激しく指を動かす。それと共にもたらされる快感に、仁絵はおぼれそうになる。
 絵理子は指を挿入したまま、仁絵の太股に自らも熱く潤ったそこを押し当てた。自然と動いてしまう、腰。
「絵理も………感じてる?」
 絵理子の昂ぶりを感じた仁絵は、小さく囁いた。それに、絵理子は甘く答える。
「--------うん………」
 すごく………すごく、気持ちいい。だから、仁絵ちゃんも気持ちよくなろ?
 耳たぶを嬲られながら、囁かれるだけで、もうダメになりそうになる。腰から下が、もうどうしようもないくらい熱くって、じんじんとしびれてしまって………それに終わりが来て欲しいのに、もったいない気がして。
 ああ、もう、どうでもいいのだ。ただ、絵理子と一緒に気持ちよく、なりたいだけなのだ。
「好き………好き………大好き」
 囁かれる言葉と蠢く指の感覚に、もうどうにかなる。だから、仁絵は感じるまま、意識を手放したのだった。





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