What's Rally


モータースポーツについて

クルマを使って楽しむモータースポーツには色んなカテゴリがあります。F1でお馴染みのレースが一番メジャーなんですが、他にもジムカーナ、ダートトライアル、WRCでお馴染みのラリー、カート(ゴーカートの競技版です)等々あります。バイクを使ったモータースポーツもありますが、σ(^^)は詳しく知りません。(^^;

レース:
これは説明をする必要がないでしょう。複数台の競技車両が一斉にスタートして、一番早くゴールしたものが勝ちと言う単純明快なルール(本当は色々有るのですが)のモータースポーツです。

ジムカーナ:
駐車場やカートコースに作られた走行時間1〜2分ほどの舗装路(ターマックと言う)でのタイムを競う競技です。一般道から閉鎖されている場所を使用して行いますので、ナンバー付き車両のほかに改造車も走ることができます。コースには、大きく分けて、パイロンでコースを作ったパイロンコースとカートコースを使用して道をつけてあるコースに分けられます。
σ(^^)はコースを覚えるのが苦手なので、パイロンコース形式のジムカーナは苦手です。(^^;
走行は一台ずつ行って、タイムを競います。

ダートトライアル:
簡単に言っちゃうとジムカーナのダート(非舗装路)版です。(笑)実際には、ターマックに比べてダートは路面が滑りやすくなりますので、クルマのコントロールが難しくなります。

カート:
これは、カートと呼ばれる遊園地にあるようなゴーカートのもっとパワーの有る競技仕様の車両を使ったレースです。これは子供でも参加することが出来ます。

ラリー:
WRCでお馴染みの唯一の公道を使ったモータースポーツで、2人で組んで参加と言う所も他のモータースポーツとは違います。公道を使って行いますので、当然参加できる車両はナンバーがついていないといけません。また、スタートは一分間隔で一台づつ行われます。

ラリーについて

ラリーとは「再び集まる」という意味を持った言葉で、スタートして、再びゴールに戻ってくる所からそう呼ばれるようになったらしいです。また、モータースポーツについてでも書きましたけど、唯一2人で組んで行うモータースポーツです。ドライバーはクルマをコントロールし、ナビゲーター(最近は。コ・ドライバーとも言いますが)は、速く走れるようにドライバーをコントロールするという役割分担ですかね。
海外で行われているラリーと日本国内で行われているラリーはやや異なる部分も有るのですが基本的な考え方は同じです。
日本で行われているラリーについてちょっと説明をしておきます。
まず、ラリーは大きく分けて2つのセクションに分かれます。一つはWRCでお馴染みのSS(スペシャルステージ)と言われるセクションで、もう一つはリライアビリティラン(通称ラリー区間)といわれるセクションです。
SSは、早いもの勝ちのセクションで、SSのスタートからSSのゴールまでの所要時間が減点(実際には秒換算します)となります。数年前までは、国内のラリーではドライバーの有視界走行に頼った走り方をしていましたが、最近では、WRCと同じようにペースノートを使用して、一つ先のコーナーを意識した走り方に変わってきました。もちろんドライバーが走りながらペースノートを見るわけにはいきませんので、ペースノートを読み上げるのもナビゲータの役目です。
また、ラリー区間ではスタート前に主催者から指示書という形で指示速度を与えられ、また、コマ図といわれるルートマップも与えられます。それらに従い走行します。そして参加者にはいつ出てくるか判らないチェックポイント(CPと言います)を通過するまでの所要時間と主催者が設定した所要時間の差が減点(ほとんどのラリーでは、1秒につき1点の減点)となります。早くても遅くても減点と言うことになります。要は、「A地点からB地点までXkmで走りなさい。でもB地点はどこだかは教えませんよ。そして、B地点に着いた時に、所要時間を求めて減点取りますね。」ってことなんです。
主催者側では指示速度と指示速度を与えた地点からCPまでの距離で計算した所要時間を正解時間としていますが、実際にクルマを走らせる場合には、道が曲がっていればその手前で減速しますし、常に指示された速度で走ることはできません。また、CPがいつ出てくるかも判りません。そこでナビゲーターがドライバーに指示をして、正解時間に出来るだけ近い時間で走らせるようにするわけです。
主催者側は、与えられた指示速度で走ることが困難な指示をわざと出す場合があります。道幅がクルマ1.5台分くらいの舗装林道をアベレージ50kmでなんて言われたら大抵遅れてしまいます。この遅れを出来るだけ少なくするのはドライバーの腕次第ですね。
そしてゴールに着いたときにに、このSSとラリー区間の減点の合計を求めて、総減点が少ないクルマが勝つのです。
また、あまりにもパワーの違うクルマ同士を競わせるのは公平ではないので、参加車両を排気量によるクラス分けを行い、そのクラスの中で勝負が行われています。
2001年の基本的な分け方は、Aクラスが排気量1400cc以下、Bクラスが1400ccを超えて2000cc以下、そしてCクラスが2000ccを超えた排気量のクルマとなっています。また、この排気量は換算排気量といわれるもので、ターボチャージャーやスーパーチャージャーがついている車両の場合には、基の排気量の1.4倍した値で判断します。インプレッサ(ターボ車)の場合には、EJ20エンジンの排気量が1994ccですから1.4倍して 換算排気量は2791.6ccと言うことになります。
ちなみに去年まではA/Bクラスの境が1000cc、B/Cクラスの境が1600ccでして、Aクラスは軽自動車のクラスみたいになっていたんですが、そのルールのを利用して発売されたクルマもありました。ダイハツのストーリアX4というクルマです。ストーリアは元々1000ccのクルマですが、このX4というグレードはモータースポーツ用にわざわざエンジンの排気量を713ccに落としてターボを付け、換算排気量998.2ccとしたAクラスのクルマにしたんです。結果としてはAクラスでは敵無しのクルマになりましたね。ダイハツはこの手のクルマが好きなようで、昔もシャレードと言う車で同じことをやってました。
話がそれましたが・・・。
更に、ラリーによっては、駆動方式(2輪駆動・4輪駆動)によってクラスを細分化しています。現在の日本のラリーの最高峰、全日本ラリー選手権は4輪駆動部門・2輪駆動部門と2つに分けてそれぞれ行われています。

ナビゲータの仕事について

ドライバーはスタートしてからが仕事なんですが、ナビゲーターの仕事はスタートする前から始まります。

1.スタート前の仕事


スタート前に、主催者から、指示書とコマ図を貰います。指示書には、試走条件、速度変更に関わる指示(速度変更地点:PCといいます)、距離合わせの為の指示、その他注意事項などが書かれています。
距離合わせの為の指示というのは、試走車がスタートから有る地点まで走ったときに距離がどれくらいだったのかと言うことが書いてあります。その距離を自分のクルマが走ったときの距離と比較をして、その後の距離を主催者側の距離に合わせるために必要な情報です。というのも複数台のクルマがA地点からB地点まで走ったときの距離と言うのは、駆動形式の違いやタイヤの違い等の理由によって同じ距離になることはありません。そして、コマ図は、普通の道路地図と違って、曲がる所を簡単な形で表現した図で、距離は一つ前のコマ図からの距離、若しくは、スタートからの積算距離(どちらを書くはラリーの主催者によって違います)が記載されています。この記載されている距離は全て主催者の試走の時に計測されていますので、自分のクルマで走った距離と主催者のクルマで走った距離を比較して、距離合わせをちゃんとしておかないと、ミスコースをして、迷子になってしまうんです。また、ラリー区間での所要時間にも影響してしまいます。この辺の話についてはナビゲーターが走行中にする作業にも書いておきます。
また、実際に走っているときには常に指示書とコマ図の両方の確認しながらということは難しいので、コマ図に必要情報を全てわかりやすいように書き写します。
言葉で書いてもなかなかイメージが伝わらないと思いますので、実際にラリーで使った指示書とコマ図を載せておきます。

指示書
コマ図

これが指示書
こちらはコマ図
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2.走行中の仕事


走行中にナビゲーターがしなくちゃ行けない仕事は、ざっとこんな感じです。
(1)ルート指示



最初のルート指示ですが、これはナビゲーターの一番重要な仕事です。先にサンプルとして載せたコマ図を見ていただければ判るかと思うんですが、ラリー中のルート指示はコマ図だけで行います。
先ほども、書きましたけど、ラリーコースは曲がるべき交差点を指示したコマ図の連続で指示されており、途中どこを通るのかと言うことは全く判りません。ナビゲーターは1つ前のコマ図からの距離を頼りに、目的の交差点を探し、どちらに曲がるのかを指示します。また、ドライバーに一々コマ図を見せて確認をさせる訳にも行かないので、いかに判りやすく交差点の形と進行方向を伝えるのかがナビゲーターの仕事になります。
サンプルとして2つほどあげておきます。

コマ図1 これは、「信号付き交差点右折。目標物、信号手前に鳥居、信号名長瀞駅前!」とドライバーに伝えます。
OMCP前のコマ図なので補正係数がまだ計算されていません。
この為、試走車の0.564kmに対して、自車0.576kmのメモが残してあります。
コマ図に斜線が書かれているのは、このコマ図を通過したという意味で、2度同じコマ図を読まないようにする為です。


コマ図2 こちらは、「ドン突き左!。目標物、手前に一時停止看板、正面街灯とカーブミラー!」とドライバーに伝えます。
ま、突き当たりなんで見落として迷うことはないですけどね。(笑)
これまたOMCP前のコマ図です。
試走車の8.133kmに対して、自車8.313kmのメモが残してあります。
これだと補正係数は、1.022ですね。



(2)1次補正処理



これはラリー中に普通1回だけ行う処理です。先ほど指示書に距離合わせの為の指示が書かれていると書きましたけど、1次補正処理とはその距離合わせの処理の事です。
スタートから大体10数km走ったところで行います。その地点はコマ図にも書いてあって、ODMC(オドメーターコントロールポイント)とかOMCP(オドメータチェックポイント)と呼ばれています。
指示された地点で自分のクルマで走った距離と主催者側の試走車で走った距離(コマ図に書かれている距離)を比較して補正係数(Kと言います)を求めます。これ以降はコマ図に書かれている距離の補正係数K倍をすると自分のクルマで走るべき距離が求められるようになります。
実際には、一々、走行中に計算をするのは面倒なのでラリーコンピュータと呼ばれる時間・距離・速度の関係を色んな角度から計算してくれる優れものを使って、処理を行います。
ラリコン
ナビゲーターの強い味方、ラリーコンピュータ
(通称ラリコン)
クリックすると画像が大きくなります。



(3)ファイナル読み



ラリー区間中は、常に指示された速度で走らなくちゃいけないのですが、コーナーの手前では当然ブレーキを踏んで減速しますし、コーナーを抜けた後はその遅れを取り戻すために加速をしますので、スピードは一定にはなりません。そして、この繰り返しで果たして自分が予定に対して遅れているのか進んでいるのかが判らなくなってしまいます。
そこでラリーコンピュータに指示速度変更地点でそこからの指示速度を入力してあげることで遅れ/進みを表示させ、それをドライバーに伝えます。
ラリーコンピュータは、時計を内蔵しており、また、距離を拾えるようにして有ります。このため、ある地点で指示速度が変わったことを教えてあげると、その時点から、時間・距離・指示速度を常に計算して、0.1秒単位で表示をしてくれます。



(4)2次補正処理



勝つためや上のレベルに上がるためには覚えなくちゃ行けない処理です。
1次処理処理を行っても実際にはライン取り(センターライン側を走るのか、キープレフトなのか等)によってコマ図間で数mから10数mの誤差が出ます。指示速度が速いときは、この誤差は微々たるものなのですが、指示速度が30kmとかのときに10mの誤差があるとこれは1.2秒の誤差になります。この距離の誤差を時間に換算して、補正をかけることを2次補正処理と言います。
コマ図毎にこの処理をナビゲーターは電卓を叩いたり、事前に補正表を作っておいたりして参照して、ラリーコンピュータのデータを修正します。



(5)ペースノート読み



これも勝つためや上のレベルに上がるにはどうしても覚えなくちゃ行けない技術です。
WRCのインカーカメラがとらえた映像がビデオなどで紹介されていますが、ナビゲーターがノートに書かれたものを休むことなく読み上げていますよね。あれの事なんです。
SSやハイアベレージ区間(指示速度が高い区間)では、ドライバーの有視界走行(ここでの有視界走行とは、ドライバーが目で見て判断することを言ってます)だけでは速く走るには限度があります。更に速く走るためには、コーナーの曲がり方がきついのか緩いいのか、またコーナーの先はどうなっているのかがわかっている必要があります。先がわかっていれば、事前にクルマをどういう体勢にしておくといいのかがわかるので、無駄なスピードダウンとかコースアウトの可能性が少なくなるんですよね。
しかし、ペースノートには距離は一切書いていないし、目標物も書いていないので、常に今自分がペースノートのどこを走っているのかを確認しながら読まなくちゃいけないのですが、これが非常に難しいのです。もし、自分が走っているところとペースノートを呼んでいる場所が違ったらどうなるのか・・・。最悪の場合、コースアウトしてクラッシュと言うことになってしまいます。速く走れるだけに失敗したときのダメージも大きいです。
実際のペースノートはこんな感じの物です。
(コマ図14)R5 L5 R3 50 R3 L2 30 R1! L4・・・
これを解説するとこんな意味になります。
コマ図14の地点から右5のコーナー、左5のコーナー、右3のコーナーを通ってストレート50m、その後、右3のコーナー、左2のコーナーを通ってストーレート20m、その後、右1のコーナー(注意!)、左4のコーナー・・・と言うことになります。これで大体100m分くらいですかね?実際にはこれを4kmとか読むんですよ。
1とか3とかの数字はコーナーのきつさで、人によって数字の大きい方をきついコーナーにしたり、逆に数字の小さい方をきついコーナーにしたり、またきつさの段階を5段階にしたり、9段階にしたりとさまざまです。
σ(^^)は、数字が小さいほどきついコーナーで、5段階で表してます。上の例だと5のコーナーコーナーはライン取りによってはまっすぐ走れるコーナーで、1のコーナーは1速に落として曲がらなければいけないようなコーナーになります。

ナビゲーターの持ち物

ナビゲーターは色んなものを持って歩いています。安全装備としてのヘルメットはもちろん、さまざまな文房具を持ってます。
σ(^^)はいつもこんなものを持っていってます。
ヘルメット、バインダー(コマ図を挟むのに使う)、シャープペン、首から下げられる紐のついた2色ボールペン、赤サインペン、ラインマーカー(3色)、鋏、糊、セロテープ、メンディングテープ、両面テープ、ホッチキス、30cmの定規、ポストイット(3cm×5cmくらいの大きいもの)、関数電卓(時間計算をする必要があるので60進法の計算が出来るもの)、酔い止め、カフェイン剤などなど。

更にラリーやナビゲーターについて知りたいと言う方は、σ(^^)までご連絡を頂くか、こちらのサイト解説をご覧下さい。こちらのサイトはラリーの世界では非常に有名なサイトです。(リンクは張っていませんので右下のurlをコピペしてください。m(__)m)
Nishiyan’s ラリーナビゲーター入門 [Let's Motor Sports]

( http://www.max.hi-ho.ne.jp/nishida/ )


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