それでも僕はセーヌ川のほとりに立ち竦みたい
彼と同じ感情を抱けるだろうか 彼は詩人だ
その風景は今もなお 同じようにそこに姿を見せるのか
風化することなく 錆びることなく存在するなんて 誰も認めない
だから僕もそこへ立って 夕暮れを待ちたい
そこの人々の里へ帰る足並 その下を流れるセーヌ川
そしてそこに架かるあのミラボー橋 この時代の中だけの言葉で
それでも僕はセーヌ川のほとりに立ち竦みたい
その橋の袂をつかみたい 呼吸をしたい
一枚の紙切れとペンを握り締めた 僕は詩人だ