「セピア」
 
 
不調和な音を出すから 僕はそんな音が好きだから
 
ラッパを投げたって 紙切れをひらひらさせたって
 
骨を体から捨てたって 空のボトルは必要ないし
 
時間なんて無用で 懐中時計なんて放り投げてしまえ
 
その人は両手を広げて まるでその空間を独り占めして
 
彼の視線は僕には映らない 何を見ているのだろう
 
彼の見ている先は もう色褪せてしまったその草原とこの世界
 
雲と空の切れ目にはフラッシュのような白い色と
 
遠めに映えない真っ黒な地平線と その不調和な音
 
まるでかっこいい彼は 何を見ているのだろう 両手を広げて