「傍観者」
 
 
 
僕の心の中に 小さな小屋が立っていて
 
その中にはもう誰も住んでないって言うんだ
 
だからその草原を駆け回れるのは僕一人で
 
この風を感じられるのもきっと僕だけに違いない
 
でも僕はいつの食事をする時だって一人で
 
まるで味気のないスープを冷め行くまま啜っているみたいだ
 
だから僕は夜が怖い 僕は夜が怖くてたまらないんだ
 
たまに誰かが僕のドアをノックするけれど
 
僕は臆病だから誰かを受け入れることはない
 
たまにママが心配そうに言うけれど
 
本当に拒んでいるのは そう言った動物っぽい戯れ事
 
だから現実世界に戻ったときに 僕の目の前で誰かが
 
その白いビルから飛び降りたって
 
僕が歩いているこの道をいくら汚したって
 
僕は何も驚かないし 何も感じない
 
もし僕に好きな人ができて その子が死んでしまったら
 
どうやって悲しめばいいだろう いつもの孤独でいいのかな
 
ママですらもう僕には涙をくれないのに
 
でも僕は動物なのだから 痛手を感じたいと思うのだろう
 
夜が怖いのはきっと 僕だけじゃないから
 
夜が怖いのはきっと 僕だけじゃないから