虹を描くにしても 照りつける太陽を見るのでも 

雨の繊細さを出すにしても 灰色の雲に覆われるのも

全てあのキャンバスの上で繰り広げられる綺麗な色彩

どんな感情を抱いている絵描きの人だって

あの色は出せやしない あのキャンバスを触れない

恋をしていたあの時も 恋に破れたあの時も

いつもそこには何かの形があって そしてつかめない形

ふと見上げた空は移ろいやすく 心の静止画像としては残りにくいけど

それでもなぜか心に翳る そんな空を見上げていたら

遠い異国の地が思い浮かんできた

この赤い大地の両目の中に一人の男が佇む

幾戦の中を刃を掲げて戦い抜いてきた戦士

その獅子金色の鬣を揺らし 

赤く染まる事夕日に照らされじ時ばかりでは無く

吠える事この大地を揺るがさんとばかりに響き渡る

その戦士今もなお 戦塵の中にその怒涛馳せりし

我が前に腕を組み睨みを利かす

そしていつもより強い日差しが目の前に広がる

そしてそれは決して立ち止まることなく

移ろいながら この心に深く焼きついた

そしてその心 次は誰が為に流れて行く




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