パスタを茹で上げる横で ミートソースがグツグツと煮えている

鼻歌は誰よりも得意げで テーブルクロスは特に明るいものではない

捨ててしまえばいい枯れた花を いつまでもそこに飾っておく

一昔前までは彼女は自由だった そのたびの終わりに彼女はこの街を選んだ

古びたワーゲンのワンボックスを降りた彼女は ベルボトムのジーパンを脱いだ

ギターはギターケースにしまい 錆びた音楽と共にそれをしまった

もう煙には頼ってはいけないと ドレッシングをたくさん集めた

映画は自分を重ねないように 新しいものをなるべく選んだ

新しい生活観が 彼女の胸を襲った そしてそれが回り出す

まだ言葉は少ないけど アメリカンショートヘアの子猫

まだ名前は無いけど 彼女は子猫をハニーと呼んだ

あのストーンヘンジに みんなで夜に集まった

彼女はパスタを食べながら 遠くそれを思い出す

 

                                 「一人の自 由と仲間との孤独」




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