「月日が経てば」
 
まだ3ヶ月になったばかりの息子を一人残して その人は一人線路の上を歩いていたらしいんだ
何の音も悲しさもなかったように その人は電車に巻き込まれたんだ
 
残されたのは女手一人になったその人の たった一人の愛してた人と子供一人だけ
月日はそれからすぐに流れて また新しい家族が生まれたんだ
 
意味のない暮らしに追われて 人々に追われて 月日が経てば何もなかったようになる
思い出を引きずるから 人々は笑っていられる まるで何もなかったかのように
 
その女性が息子に新しく紹介した父さんは 優しさだけははっきりと心に持ち合わせていたんだ
ただこれが父親っていうものだなって 息子は言葉で確信したんだ
 
まるで頭の中に記憶というものが存在しないように 昔の事ははっきりとは覚えてないわけで
父さんは誰ですかって聞かれたら 迷わず目の前の男を指すだろう
 
意味のない暮らしに追われて 人々に追われて 月日が経てば何もなかったかのようになる
思い出を引きずるから 人々は笑っていられる まるで何もなかったかのように
 
まるで何もなかったかのように まるで何もなかったかのように






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