「街」
 
君はいつもそんな風に泣くの 冷めた顔で人に泣き顔なんて見せない
ハンバーガーショップのコーヒーを飲み干して つまらない心が少しだけ残っている
 
冷えきった予備校の玄関に集まり あの頃の自分達の事を話してた
口に出来ないタバコを女達はくわえて ふかせないから煙で自分の涙をなめた
 
星空が見下ろす公園のベンチで二人 涸れきった噴水の寂しさを見つめた
暮らして行く事なんかいくらだってできるさ 初めて出会った君の顔はもう忘れたけど
 
窓辺にいた その向こうのアパートの群れを見た その少女も遠くを見てる
冷めたニュース繰り返される 君達も同じように この街と戦ってる
 
電話を手に取るのはいつも僕と決まっていた 君はカードの赤い数字だけを削った 
ぼんやりと遠くを眺める様に口ずさんで欲しい ラストに流れる耳に残らないピアノ
 
君にはもったいないくらいの悲しみだけど 僕には少し足りない悲しみなんだ
何もない都会の高層ビルに踏まれて 僕だけ一人この部屋に取り残された
 
テーブルに置かれている 何か足りない画用紙に 左端から僕が描こう
街の色 そんな色の13本目の クレパスを僕は持っている
 
泣きまねなんかするなよ 笑おうよ あんた今夜何処にたどり着くの
もう この街が嫌いなんて言ったりしないよ それよりあんた今夜どこで食事するの
 
窓辺にいた その向こうのアパートの群れを見た その少女も遠くを見てる
冷めたニュース繰り返される 君たちも同じように この街と戦ってる





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