「ショートホープ」
 
二日後に届いた手紙にはこんな風に書かれていた たまには返事でもちょうだいあんたの便りだって欲しいわ
時間のずるさに怒る気もない
 
あいつと別れる日には一人で川原で泣いていた 目を閉じたあいつの顔は一度だけ見ればそれでいい
そんな日に限って外は雨だ
 
その日も二人で孤独って奴と戦うはずだった 一人でいると負けそうになるから
お前の髪もあの日の夜も わずかばかりの戦利品のような気がするんだ
 
その日ずぶ濡れの僕はステージの上に転がり込んだ いつもの店でいつもの曲を歌っているだけなのに
ギターがケンカ越しでひどく痛むんだ
 
ウイスキーのボトルはすぐに部屋の装飾品に変わり ガキの頃に吸っていた煙草に久し振りに火をつける
自殺志願者に少し憧れる
 
その日も二人で孤独って奴と戦うはずだった 一人でいると負けそうになるから
お前の髪もあの日の夜も わずかばかりの戦利品のような気がするんだ
 
あいつが今眠っている部屋に花を添える 切手すら張ってない手紙宛て先すら書いてない手紙
黙っているから僕が読むよ
 
その日も二人で孤独って奴と戦うはずだった 一人でいると負けそうになるから
お前の髪もあの日の夜も わずかばかりの戦利品のような気がするんだ




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