「高潔」
 
 
 
その矢印を君の胸に当ててごらん 何が聞こえる それは澄んだ音かな
 
何よりも白いことが そう 自由とは限らない
 
体が汚れたから 君はもう白くないなんて誰が言える
 
僕たちは確かに赤い果実を食べてしまった
 
でもそれはあの蛇に言われたわけでもなく 僕達で決めたことだ
 
そうまでしなかったら まだお互いの体温なんて 感じていなかったかも知れないんだよ
 
僕は君の中で君の体温を感じて そして君は僕を受け入れたその体温を忘れないだろう
 
ゆっくり呼吸をしていく事は昨日まで知らなかった素敵な事
 
あらゆる動物の中で一番堕落したのは人間なんだよ
 
だけどそうでもしなかったら 僕達は弱すぎて死んでしまう
 
詩人になるか死ぬかは 僕達に与えられた選択権で
 
死ぬことが愛だとは限らないけれど 僕は少なくとも君を守れることができるならば
 
この命捧げたって構わない でも僕の後ろを着いてきてはいけない
 
そのシーツ僕らは汚してしまった 
 
白いものは汚れ易い そう今の僕たちみたいに 天使 羽を広げて
 
その白い羽 気高きかな 僕等もうありったけの唾液を垂らして
 
高潔なんて誰が呼ぶ 白いものはただ汚れ易いんだよ