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新潮社、1500円。
もとノラ猫で、今は飼い猫のフーディーニの視点で語られる物語。
人間や犬や自分以外の子猫との交流が綴られている。
特に、老犬サムとの友情は、猫好きにも犬好きでも感動するシーン。
猫はとかく犬と較べても、実際に役に立ってないことが多いように思われている。
実家でもワガママ放題の猫を飼っていたが、撫でたり抱いたり話しかけたりするだけで、心が和んでくることが多かった。
フーディーニが「ボクは役立たずな猫だ」と嘆く場面で、老犬サムが「君はボクの猫。ボクは君の犬。君がいてくれるだけでいいんだ」と語りかけるシーンは、中でもジンときてしまった。
老犬サムにとって、フーディーニの存在そのものが「役に立っている」という立派な事実なのだから・・・。
心あたたまる、やさしい作品。