集英社、文庫版コミックス、上下巻、各638円。
母親と二人暮らしの、森岡亜由実は、高校生で演劇を目指す少女だった。
そんなある日、母親の梢が踏切事故にあい、亜由実は、一人残されてしまう。
叔父の家に引き取られることになった亜由実は、荷物の整理をしながら、母親の所持品の中から、古い手紙や日記帳を見つけてしまう。
そこには、母が女優であったこと、しかもその当時のライバルであり、現在は大女優となった、緋川碧との関係が綴られていたのだった。
母が女優をやめた理由———緋川碧に全てを奪われたことにあった。
女優としての将来、そして亜由実の父親ですら、母を捨て、緋川碧を選んだのだった・・・。
母親の緋川碧への憎しみの封印を解いてしまった、亜由実は固く復讐を誓う。
亜由実は過去を全て断ちきり、「森里亜実」として、緋川碧に接触を図るのだが———。
全体的に、まどろっこしい展開な上に、復讐を誓う理由が、もっとしっかり描かれていてもいいのでは、と思う。
ラストも今ひとつ、物足りない。