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毎日新聞社、1900円。
30代後半の独身仲良し3人組は、治安も悪化しかつ政情不安定な東南アジアの小国へと向かう。
目的は、体力の続く限りのリゾート三昧とブランド品漁り。
人を人とも思わない、旅行先の国に対しても、文化や歴史を鼻で笑い、傲慢な態度を貫く3人組に、突如政変の嵐に巻き込まれることになる。
命からがらバヤン・リゾートから脱出した彼女たちは、やがて同国の小さな村に漂着し、温かく迎え入れられる。
ペーパーといえど医師の免許を持つ祝子はやがて医師として自分が必要とされることを知り、優れた体格と体力のある真央子は村民と農作業に精を出す。
常に男性の愛を求め続けたありさは、自分のために命すらもかけてくれる男性に巡り会う。
そんな中で独立解放戦線や政府軍などの内戦の嵐は、貧しくとも穏やかなテンバヤン村をも容赦なく襲いかかるが…。
極限の状態の中で、本来の自分や必要とされる自分自身を見出していく、女性たちの成長を描く長編小説。
それにしても、彼女たちに共感するにはあまりにも最初の印象が悪すぎる。
それに比べてテンバヤン村の人々の心の豊かさ、本物の知恵と勇気に興味を引かれた。