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講談社文庫、240円。
お留守番をしていた兄妹タカシとサトミが出会ったのは、人間のことばを話す不思議なネコだった・・・。
表題作の「口笛を吹くネコ」、ツバキの木に住んでいたのは小さな小さなちびおばけだった「ぼくのおばけ」、ヒロシの作るお話が不思議の世界に誘う「ぼくは魔法学校三年生」などなど、小さな童話ばかり7編収録。
どこかしらなつかしい香りがいっぱいの、佐藤氏のファンタジー童話短編集。
講談社文庫、320円。
コロボックル物語の第5巻、最終章でもある。
実は、これら一連のコロボックル物語とは、もう数十年にもわたる、長い長〜いおつきあいの歴史がある。
初めて佐藤氏の本を手にしたのが、たしか私自身が小学3年生の頃のこと・・・住み慣れた大阪を父の転勤で、東京日野市に転校してきたばかりの頃だった。
当時、小学校そばの公園に、移動図書館の車がやってきたが、その中で出会ったのが、シリーズ第一巻『だれも知らない小さな国』であった。
子供の頃から、“本”が大好きで(かといって決して勉強のためではなかったが・・・)、しばしば物語の世界に没頭し、自分勝手な想像の翼を広げて楽しんでいたが、まさしくこの本は、いつまでも私の心の中に残るものとなった。
そんなわけで、真の意味で人生の中でかけがえのない1冊ともなったシリーズ。
できれば、第一巻から順に読むことをおすすめ。
童心にかえって、心のどこかがサワサワと騒ぎだし、思わず草の葉陰や、花びらの間をのぞきこんでしまうかもしれない。