〈坂崎　幸之助〉

音楽専科社、１５００円＋税。
THE ALFEEのメンバーとして、ミュージシャン活動を続けるかたわら、音楽以外にも実にさまざまなジャンルに造詣が深く、趣味の域を大きく越えつつ活躍する坂崎氏のノラ猫たちへの愛情を綴った１冊。
彼が文中で秘密結社と呼んでいる、通称「エサやりおばさん」たちの活動趣旨やノラ猫撲滅運動、動物病院でとりわけ猫への愛情豊かなネコ先生との交流、そして何よりも坂崎氏本人のたくましくも健気に生きるノラ猫たちへの惜しみない愛があふれている。
ミュージシャンとして、またさまざまな分野で活躍する彼の、同じ生きとし生けるものの小さなネコたちの命をたいせつに思う目線は本物だと思った。
「里親募集」や昨今のペットブームに、改めて「人間と小さな動物たち（ここではネコだが）との共生」について、考えさせられる１冊でもある。
ちなみに本書の印税は、すべてノラ猫たちの避妊・去勢・エサ代に当てられるという。
過酷なノラ猫たちをなくすために、小さな足跡を記す本でもある。
（2001.9.4初版発行）