文藝春秋社、1857円、連作集。
あたいの名前は「チビ」、雌の虎猫。
ご主人様は、原宿に住む、鰡野 阿久毘(とどの あくび)・・・通称「あくび先生」。
30過ぎの独身男で、一応国立大学で英文学教師をしてるんだって。
でも、あたいが見る限り、あくび先生はお友達と一緒に、あちこちで美味しいものやお酒ばっかり飲んでるよ・・・。
と、まあこんな具合に、飼い猫チビが語り手になって、あくび先生やその周囲の人々、美味しいものやお酒、旅行、たまには英文学、はたまた瓢箪等々、さまざまなものに、こだわりとうんちくを披露する連作集。
読みながら、何度「食べたい!飲みたい!面白い!」と、思ったことか・・・。
つまり、私もあくび先生に負けず劣らず、美味しいものや面白いものには目がないのね。
実家で飼っていたコセツ(雌の虎猫だったよ、これも)に語らせると、こんな風になるのか・・・と、関係ないことまで思い描きながら、読んだ1冊。