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講談社、1200円+税、文・絵ともに著者、小学中級から楽しめる本。
六月のはじめの土曜日、館山に釣りに行ったはずの夫が、魚ではなく、何とフクロウのひなを拾ってきたことから物語は始まる。
段ボールの中から、ふわふわの綿毛に包まれた、大きくてまっ黒なまんまるおめめの、それはそれは愛らしいひな—。
もちろん野生の鳥は「鳥獣保護および狩猟に関する法律」があり、どんな野鳥でも狩りをしたり、飼ったりするのには許可がいるという。
黒川夫妻は、今にも死にそうだった小さなひなを育て、森に帰そうと決意する。
ピーヤと名付けられた、小さなフクロウのひなの育成は、まず元気になるために餌を与えることから始まった。
四苦八苦しながら、懸命にひなを育てる二人の様子が、目に浮かぶような描写ばかりだ。
表情豊かなピーヤのイラストも、ほほえましく、心温まる。