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新潮文庫、544円+税。
さまざまな人物が、それぞれの事情で、未発掘のモジリアーニ作品を追い求めていく——。
その様が、絶妙に絡み合いながら、物語は進行する。
一方、大家至上主義のロンドン画壇への憤りを募らせた、新鋭の前衛芸術家は、友人の美術教師と共にロンドンの大手画廊に対し、復讐を企てるが…。
モジリアーニ作品を中心とした真作と贋作、大規模な絵画窃盗犯罪計画など、さまざまな立場での、思惑や企みが複雑に絡み合い、行き着いた先に笑うのは誰なのか?
久々に読んだ海外作品は、文章の流れや構成があまりスムーズではなく、やや読みにくさを感じた。
但し、訳者による「あとがき」で紹介されていた、海外における贋作に関する記述は、興味深かった。