〈伴田　良輔〉

日本出版社、１４００円＋税、写真・文ともに半田良輔氏。
雑誌『猫びより』に「猫のいる宿」と題した連載を１冊にまとめたもの。
日本各地に存在する、猫のいる旅館を伴田氏がカメラを抱えて取材して歩いた、猫のいる旅館・ホテルのガイド。
時には女将以上に、お客さまをもてなす猫あり。
旅館内に飾られた猫招きと同じような表情をする猫あり。
温泉にくつろぎに来たお客さまに「くつろぎ」の手本を示す猫あり。
時には宿泊客からファンレターが送られる猫あり。
さまざまな宿猫の表情をとらえた写真集は、猫と旅行好きにはたまらない魅力にあふれている。
私自身も数年前、福島県の山間の一軒宿—微温湯温泉—に宿泊した際、夜更けの静けさの中にチリンチリンという鈴の音とともに宿猫（名前は不明だったが）がもてなしのご挨拶をしに部屋の前に来てくれたときには、感動したものだった。
それにしてもどの宿猫も、優しくて穏やかでとてもいい表情をしている。
旅館の人だけでなく、お客さまにも可愛がられているのがよくわかる。
こんな風な宿猫のいる旅館を訪ねる旅も、また一興かもしれない。
［取材宿］◇山形県/上山温泉・橋本屋のさくら　◇東京都/松乃温泉・水香園の文太＆ジジ　◇京都府/京都・御久美旅館のヨネ　◇群馬県/四万温泉・つるや旅館のミー　◇大分県/明礬温泉・岡本屋のクロ　◇東京都/神楽坂・和可菜のめめ　◇千葉県/粟斗温泉・粟斗温泉旅館のミー　◇京都府/京都・きし田旅館のココ＆オネ　◇愛知県/伊良湖岬・角上楼のタン　◇シンガポール/グッドウッドパークホテルのペブル