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文藝春秋社、1400円。
大正・昭和期に世界を駆け回りながら、活躍したオペラ歌手「藤原義江」をご存じだろうか?
実は私は全く知らなかったのだけど・・・しかも「世界的なオペラ歌手藤原義江」という表紙を見て、すっかり女性だと思って読み始めたというおまけつき。
この物語は、実在のオペラ歌手藤原義江を軸に、スコットランド人である父リード、琵琶芸者だった母キク、そして成人して後は、目まぐるしく変わる女性遍歴を縦糸に、そして義江の歌手としての活躍ぶりを横糸に紡いだもの。
淡々とした筆致ながら、なかなか読み応えのある作品。(それもそのはず第104回直木賞受賞作だった!)
今さらながら、テナー歌手藤原義江に強烈に惹かれ、興味をいたくそそられてしまった。
他の作家の描くところの、藤原義江像も是非追いかけてみたい!