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創元推理文庫、800円、ニール・ケアリーシリーズ第一作。
主人公のニール・ケアリーは、食いぶちを稼ぐために、9歳の頃から路上でかっぱらいをしていたが、朋友会の雇われ探偵であるジョー・グレアムにつかまった。
以後、ストリート・キッドから足を洗い、まともに生きるために必要な全てをグレアムに徹底的に叩きこまれ、いつしか探偵として、朋友会のエースへと成長していく。
そして、1976年5月のこと・・・8月の民主党全国大会で副大統領に推薦されるはずの上院議員から、家出した娘を探して欲しいとの依頼が朋友会を通じてあった・・・しかも、党大会までの期限つきで。
ニールは家出娘であり、上院議員の令嬢でもあるアリーを探し始めるが・・・。
登場人物・・・とりわけ、ナィーブな心をへらず口の陰に隠すという特技(!?)を持つ、ニール・ケアリーが魅力的。
「海外もの」なのに、すんなり読み進めていけるのも、登場人物をはじめ、ストーリー展開のうまさが光る作品。
「未読!?・・・それって、とってももったいない」と自信を持って言いきれるシリーズ。
創元推理文庫、880円。
元ストリート・キッドのニール・ケアリーシリーズの第二作。
前作に負けず劣らず、おもしろい。
今回の舞台は中国・・・そもそも、前作でヨークシャーの小屋に隠棲してしまったニールだが、そこに7ヶ月ぶりに飛行機嫌いのグレアムが訪ねて来たところから物語りは始まる。
次なる朋友会の仕事とは、有能な博士を正気に返すことであった。
鶏糞から、強力な化学肥料をつくる研究をしていた有能な博士が、ある女性に心を奪われ、仕事に戻ってこなくなってしまったからである。
ニールは、博士と姑娘を追って、香港、そして中国大陸を探し始めるのだが、傷だらけのニールがそこで見たものとは・・・。
本当におもしろいシリーズである。
ストーリーも登場人物も、読む側を裏切ることなく、最後まで楽しませてくれる作品。