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PHP研究所、1400円。
いつもは紅茶よりもコーヒー党のわたしが、そのおいしさにすっかり虜になったのも、やはりイギリス旅行がきっかけだった。
(ハッキリ言って、日本で飲む紅茶でおいしいものに巡り合えなかったのも原因だと思うが・・・)
この本は、まるごと1冊「とびきりおいしい、読む紅茶本」とでもいうべき作品である。
出口氏の格調高い文体と、ご子息の雄大氏のため息のでるほど美しいイラストで飾られた、この本は、いつでも香り高い英国紅茶そのものである。
中公文庫、680円。
副題は「復活祭は春風に乗って」。
1963年に大英博物館研究員としてイギリスに留学して以来、何度も再訪し、イギリスとの関わりを常に持ち続けた著者が、その経験にもとづいて綴ったエッセイ。
春・夏・秋・冬と、それぞれの季節の中でのイギリスの日常生活やイギリス人の気質、伝統・文化といったものが、写真や自筆イラストをまじえて紹介されている。
自然体のイギリス気分が味わえる、素敵な1冊。
中公文庫、680円。
この本の副題は「紅茶のある風景」。
英国日誌Ⅰに続いて、イギリスを知り尽くしたはずの著者が感嘆する、奥の深い国イギリス。
めぐる季節の中でのさまざまな情景を、写真と自筆イラストをまじえながら、イギリスの日常に流れる悠然とした時間の感覚、ゆとりある生活を愉しむ人々の、のびやかな感性が鮮やかに描かれている。
生活は豊かになっても、心は貧しい・・・というのでは、とても悲しい。
イギリスの真の豊かさを、思いきり感じられるシリーズエッセイ。