朝倉彫塑館は、彫刻家、朝倉文夫さんの彫刻が多数展示されている美術館です。朝倉文夫さんは大分県生れ。1907年に東京美術学校(現在の芸大)を卒業し、翌年文展に《闇》を出品して受賞。穏健な作風で官展系の重鎮となりました。長く母校の教授を勤め、このお屋敷で朝倉彫塑塾を主宰してました。1948年文化勲章を受賞した美術界の重鎮です。
 猫がとってもお好きで、常に十匹以上飼ってらっしゃったそうです。そのため、二階には可愛い猫の彫刻が沢山あります。星猫もひとつ欲しくなりました。

「彫刻なんて興味ないわ」と仰る方もいらっしゃるでしょう。しかし、ここは彫刻にちっとも興味がない方にも超オススメなのです。建物自体がとっても素晴らしいんです。玄関からアトリエにかけては当時(昭和3年から、なんと7年間もかけて大改築がおこなわれたそうです)としてはきわめて珍しい鉄筋コンクリートの三階建てですが、住居部分は純和風建築。裏口はまるで京都のようなたたずまいです。
  

 住居部分の建物はコの字型になっており、アトリエの建物との間には中庭があります。この中庭が最高なのです。実は、庭といっても地面はありません。中庭全体が池になっているんです。この中庭は「五典の水庭」と言うそうで、朝倉さんが自己反省の場として設計したものだそうです。さすがは芸術家、やることが違います。すべての部屋から中庭が見えますから、こうして水の音を聞きながら色々なことをお考えになっていたんでしょうね……。
 星猫もおもわずくつろいでしまいました。こういった美術館としては珍しく、写真のように座っていても怒られませんし、比較的お客さんの数も少ないので、和めますよ。

 
NAME
朝倉彫塑館(あさくらちょうそかん)
Address
東京都台東区谷中7-18-10 電話03-3821-4549
Open Hour
9:30〜16:30 毎週月曜日と金曜日は休館ですのでご注意ください
Access
山手線日暮里駅北口改札西出口より徒歩3分。近くに小さなコインパーキング有り
Admission
400円