デリバリー建築

田舎の工務店に建て貰う!!



建物を誰に作ってもらおうかと言う問題の選択肢は、
住宅であれば地元の工務店、建設会社や住宅メーカーが
一般的なところ。信頼できる設計者が相談相手としている
場合は設計者の薦める工務店なら一安心。
(100%そうとはいえない事もあるが。)

安心感、信頼感という点からいえば田舎の親戚の工務店
にお願いすると”安心”の重量感はかなり大きくなってくる。
その上大工さん達の泊まり込みの経費が掛かっても工事
金額は安くなる可能性は大。お盆や正月に田舎へ帰った
先で「坪いくらでやっちゃいましょう」と太っ腹な棟梁が言っ
てくれればこっちのも。 「あの時はお酒を飲んでしゃべっ
たんで、なかったことにして・・・」と言ってきても証人はたく
さん居るので心配はない。(これは冗談ですが)                
 
事実掛値なしでやってくれるはずです。ただ注意しなけれ
いけないのは田舎の常識が東京には通用しない点がいく
つかあることです。その一つが残土の処分費。田舎では 
タダのものが東京では結構なお金になってしまいます。 
それと準耐火建築物と言う特殊な仕様に気が付かない 
事がありますので、このような点を先に工務店さんに知ら
せるのも設計者の務めと思っています。          

家族と離れて暮らして居る大工さん達を思へばできるだ
け早く工事が終わる様に協力することも大事です。それ 
故面倒な納まりや凝ったデザインは避けていますし、工 
事中の設計変更はないように、設計段階でオーナーの 
希望を十分に聞き出し、図面に盛り込んでおります。  

工務店さんは地元を離れて仕事をするのは決して本意
ではないかと思いますが、 オーナーの為に一所懸命  
やってくれているのを感じます。図面で指定した以上の 
部材を使ったり、あえて手間のかかる細工をやってくれ 
たりします。                           

このデリバリー建築は決して万人に当てはまるものでは 
ありませんが、条件がそろえば満足度の高い建物が出 
来る事は間違いありません。                 

ここでは二つの例を紹介します。





 
  −岩佐邸− 89年川崎市宮前区、鉄骨3階建て。
 今で言うミニマム建築。
 新潟村松町の工務店さんが泊まり込みで作った。
 できるだけシンプルな納まりとし工期の短縮を図ったが、
 空間の無駄を省く為階段上部が跳ね出しになって若干
 複雑になった。
 3階部分にはロフトがあり、天井の開閉式トップライトから
 屋根に出れるのでメンテも心配ない。
 1、2階は賃貸。内部は非公開





現在工事中 荒川区 長谷川邸

梁成370
上棟式のシンボル
棟梁の土門さん
中間検査員も部材の
太さにびっくり
金物は10トンの所
でも40トン用


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