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2002.3

3月31日

早番で仕事。
「少年と砂漠のカフェ」はやはりキツイ感じの興行になりそう。まぁ、これから新聞の映評とかテレビの紹介もあるみたいだし、それに期待ということか。

夜、渋谷公会堂でLaputaライヴ。
今日はなんと最前列。1階1列目っていうチケットが届くと、さすがに目を疑う。
今回のツアー、ラピュータ史上初、全公演ともに本編は同メニューというもの。という意味では新鮮さがないけど、今日は唯一のホールということで、最初の渋公公演以来数年ぶりに「MOVE ON DARKNESS」が演奏されたのが嬉しいところ。
そういう面以外でも、昨日と打って変わって今日はオープニングから凄くいい。まぁ、1列目にいるから、自分より後ろのお客さんが全く目に入らないので、客席が全体的にどうだったかというのはよくわからないけど。でも、今日はよかった。これがラピュータのライヴでしょっていう感じ。名古屋と同じくらいの充実感。
最終日の大阪は行かないので、僕としては今回のツアーは今日が最後。ちょっと物足りなさを残しつつも、いつもながらのいいツアーだった。

3月30日

早番で仕事。
「少年と砂漠のカフェ」初日。で、1回目の上映前にアボルファズル・ジャリリ監督の舞台挨拶も行われる。
「カンダハール」がこの時勢に乗って大ヒットしてる傍ら、これもまたそんな勢いに乗らないかと思いつつも、世の中そんなに甘くない。もう一つという感じの出足。
まぁ、本当にアート系の映画だしね…。

夜、SHIBUYA-AXでLaputaライヴ。
先週の名古屋から始まったツアーの東京公演初日。
ラピュータがAXやるのは初めて。さて、今日はどうか。
なんか演奏悪い、音悪い、客のノリ悪いでいいとこ一つもない。相変わらず新しいミニアルバム「glitter」の曲は気持ちいいけど、全体的には今一つ消化不良。
名古屋が90点くらいなら今日は60点くらい。それくらい差が大きかった。やっぱり東京って駄目だな。明日はどうかな。

3月29日

一日PGの作業。
追悼・小林悟特集のページを中心にまとめる。だいたい次の号の骨格は出来上がってくるが、結局トータル88ページ!
今回はカラー表紙にするつもりなので、表紙を先に入稿しなきゃいけないので、ページ数もそれまでには決めておかなければならない。どのページもキツキツのレイアウトで作ってるので、そうそう減らすことはできない。別にページ数多くなるのはいいけど、必然的に値段が高くなる。その辺のバランスが一番問題。さて、どうしたものか。
結局午後の1時から夜の1時くらいまで、夕食の時間以外ほぼずっとパソコンに向かってた。

3月28日

上野オークラで「若妻快楽レッスン 虜」「京女、今宵も濡らして」を見る。
「虜」 PGのベストテン投票に間に合わないのでとりあえずビデオで先に見ていたのだけど、やっぱり映画館で見ると、その一場面ごとの密度の高さに唸らされる。性に消極的な人妻が異常な体験の中で性に目覚めていくという、ピンク映画不変の定番ものでありながらも、これだけ「見せる」力がある、さすが渡辺護監督。
「京女」 昔「京おんな本番」という、監督がカメラ持って京都で実景だけ撮ってきて、あとは東京で撮るというインチキ京都ロケ作品がありましたなぁ…。誰の作品とは言わないけど。今回は嘘偽りない京都ロケ作品。加藤監督の実家に泊まり込んで撮ったという。沢木まゆみを筆頭に魅力的な俳優陣を配して、前作同様のエンタテイメント性の高い作品を狙った映画づくりは好感持てるけど、まだまだピンクの平均レベルから突出した感じがしない。若手という意味での個性がもっと欲しいところだ。

続いて世界傑作劇場で「ふたりの恋人」。
ミステリーっぽさ、コメディの要素、いろんなテイストが一つにまとまらないままに終ってしまった感がある。話としては悪くないだけに、惜しい作品。

それから仕事へ。
「寵愛」もとりあえず明日で楽日。やっぱり2週間というのは早い。ということもあって、ボチボチ忙しい一日。

3月27日

仕事の後、スカラ座で「キリング・ミー・ソフトリー」を見る。
チェン・カイコーの映画って見たことあったっけ……。まぁ、しかし、せっかくハリウッドに行って撮った映画がこれでいいのか。
前半、ヒロインが主人公に溺れていく官能的な場面の連続はなかなか見せるものがあるけど、彼の謎が解き明かされていく後半の展開はさほど面白くはない。なんかごくごくフツーのエロティック・サスペンスでしかなかった。
しかし、ヘザー・グラハムって細い体なのに妙に色っぽい。それだけは凄い映画だ。

3月26日

仕事の後、神田アカデミーで「若妻 敏感な茂み」を見る。
小川欽也と山咲小春という初の顔合わせ。映画としては特にどうということないけど、山咲小春の魅力はそれなりに出ていたかな。

夜、赤坂BLITZでDir en greyライヴ。
とにかくライヴを楽しみにさせてくれたニューアルバム「鬼葬」に伴うツアーの第一弾。ブリッツクラスの会場で見るのも久しぶりだ。
コンセブチュアルな要素が強かった前作「MACABE」に比べて、ストレートなヘヴィ・ロック色の強まった今回のアルバム。やっぱりライヴ、特にスタンディングという空間でのライヴが予想以上にハマる楽曲ばかり。非常にいい感じ。
しかし、ディルのライヴのお客さんもだいぶ変ってきたのか、前の方はガンガンダイブとかしてるし、盛り上がりも1年半くらい前に見たZeppの時と大違い。どんどんいい感じになってきてる。
次はホールツアー。まぁ、ホールだからといって印象がガラッと変わるけではないだろうけど、こっちもまた楽しみだ。

3月25日

シネ・アミューズで「竜二Forever」を見る。
「竜二」自体は凄く思い入れがあるというわけではないけど、ほぼリアルタイムで見て、衝撃を受けた作品だったことは間違いない。
そういう伝説的な作品、あるいは金子正次という人物をこういう形で映画化するというのは、どうなんだろうなぁという思いの方が強かったけど、いろんな思いをめぐらせながら、最後まで引きつけられっぱなしの映画であった。何より意外にも高橋克典がハマリ役。金子の熱っぽさを彼なりの味で巧く演じていた。しかし、「竜二」完成までの道のりというのがこんなに険しいものだったとは。フィクションの部分もあるとはいえ、ちょっと驚きだった。

それからシアター・イメージフォーラムで「SOUNDTRACK」。
この手のPV系監督の作品というのはことごとく失敗作ばかり。SUGIZO主演とはいえ、これもあまり期待はしてなかったけど、予想を裏切ってなかなかの出来であった。
ファンタジックな物語を幻想的な映像世界の中に描き出す。その世界観が徹底されていて、見れば見るほどハマッていく感じ。そして、そんな映像世界とSUGIZOのサウンドが見事にクロスする。まるで音楽が先行して作られたかのように、その映像と楽曲のイメージが見事に重なり合っているのだ。LUNA SEA以来変らぬSUGIZO独特の心地よいサウンドに浸りながら映像に酔う。そんな1時間20分だった。

夜は新宿リキッドルームでJILSライヴ。
去年秋に5人中3人のメンバーの脱退が発表され、12月に新メンバーを迎えて再スタートしたJILS。昨日、今日のリキッド公演はその正式なスタートといえる意味合いのライヴだったが、どうやら昨日のライヴでボーカルYUKIYAは体の不調で演奏中に倒れたらしい。今日も30分以上の押しでスタートしたものの、彼の調子はかなり悪い。
それでも歌い続けるYUKIYA。ライヴ自体を延期や中止にしてしまうことは簡単かもしれないが、「今日、このステージ」というものに拘り、最後まで歌い続けたYUKIYAの執念は凄かった。いつにない緊迫感。演奏のクオリティとかはもはや重要ではなく、今日この日でしか有り得ないこのステージ。いつも以上に重い時間だった。
そんな最悪の状況ながらも、新しいJILSはスタートした。まだ始まったばかりなのだ。

3月24日

仕事の後、東京ベイNKホールでSLIPKNOTライヴ。
本当なら去年の11月に行われるはずだった今回の日本公演、例のテロ事件の影響で延期になっていたのだったが、4ヶ月遅れでようやく行われた。
圧倒的なヘヴィ・サウンド。カッコイイぞ。
それにしても、あんなに見かけは恐いのに、一生懸命日本語でMCしたり、最後には深々と頭を下げてステージを去っていったりと、なんか妙にいい人だったのが意外。
このNKの公演では割とよくある傾向だけど、1Fのスタンディングは満員なのに、2Fのスタンドはガラガラ。なんか2Fで見てると、その人の少なさに愕然。こういう大きいステージが映えるバンドではあるけど、やっぱりZeppとかクラブチッタの方で見るべきだったかな。というのが後悔か。

3月23日

遅番で仕事。
「寵愛」2週目にして最終週へ突入。先週から平日も含めてずっと安定した感じ。このまま行くのかな。

3月22日

午後から志村坂上へ出て、PGの小林悟監督追悼特集用の久須美欽一氏インタビュー。
久須美さん、なんでも12月に生死をさまようくらいの怪我をしたという。先月今回の件で電話をするまでそんなこと全然知らなかったが、その時のことを詳しく聞かせてくれる。なんだか奇妙な話…。まぁ、でも今は普通に元気になっているので何より。仕事の方も再開したそうなので、またスクリーンで見られる日も近いことだろう。
久須美さんといえば、やっぱり東活。過去にも何回か取材させてもらってるけど、やっぱり東活の話がメインとなってしまう。小林監督が亡くなり、あの頃の東活のことを知る人も本当に少なくなってきた。そういう意味では貴重なコメントかもしれない。

それから池袋へ移動。シネリーブル池袋で「カタクリ家の人々」を見る。
三池崇史らしい奔放さにあふれてはいるものの、今一つミュージカルというスタイルがハマっていない。それがこの映画の面白さになってないのだ。

そして新宿へ。新宿ロフトでDe-LAXライヴ。
マンスリー・ライヴもいよいよラスト。今日は"00's Now & Then"というタイトルで、再結成後の曲中心のメニュー。
再結成後にアルバム1枚出しているけど、そのツアー後活動休止に入ってしまったということもあって、そのアルバムの曲ってあまり馴染みがない。結構久しぶりに聴いた曲ばかりだったけど、こうして改めて聴くと、最近の曲もまた昔の曲に劣ることなくいい曲が多かったんだなぁと実感。昔の曲はアンコールに集中した程度で、本編はほとんどそのアルバムの曲だったけど、それほど物足りなさもなく、今のデラックスらしいライヴだった。
12月のライヴからずっと参加していなかったパーカッションの京極の正式な脱退が告げられたのが残念ではあったけど、まだまだ現在進行形で続いていくデラックス。これからも見て行きたい。

3月21日

名古屋ダイアモンドホールでLaputaライヴ。
昨日(正式には今日か)発売になったミニアルバム「glitter」のツアー「glitter show case」の初日。
今までもデシタルの要素を取り入れていたバンドだけど、ここまで前面に出したサウンドは初めてのこと。メロディは相変わらずのLaputaらしいメロディアスさ持ちながら、楽曲そのものは今までにないくらいポップなデシタル・ロックとなっている。今までにないということは、簡単に受け入れられなかったりするものだけど、今回のミニアルバムの6曲はちょっと衝撃なくらい、最初に聴いただけですっかり気に入ってしまった。で、いかにもライヴで映えるこの曲がとうなるか、より楽しみなライヴとなった。
サウンドの新機軸もさながら、ステージに初めてサポートメンバーが登場するという、これまた新たなる試み。今までの曲がよりシンセを生かしたアレンジとかになってればもっと面白かっただろうなと思いつつも、新曲は予想通りいい感じ。初めてライヴで聴くのに全然違和感がない。
それにしても名古屋はやっぱりいいね。お客さんの感じとか、東京とは違う熱さがあって、どのバンド見に来ても、いつもいいなぁって思う。そんな雰囲気もあってか、ツアー初日とは思えぬテンションのいいライヴだった。
東京公演も楽しみ。

3月20日

新東宝へ宣材をもらいに行く。
PGベストテン号用の去年の作品の写真もいろいろと借りる。
そんな中で、新東宝のニュープロジェクト「Pink X」の話を聞く。詳しくはそのうちトップニュースで。

それから渋谷へ出て、仕事の外回り。
途中でTSUTAYAに寄り、Laputaニュー・ミニ・アルバム「glitter」を購入。いつもはTSUTAYAでCD買うなんてことないけど、ここだけプロモビデオが先着特典としてつくので、わざわざ買いに行ったのだった。そうすると、ビデオプラス、他の一部の店でもついてくるクリアファィルとコンパクトミラーも付いてくる。なんで今回はこんなに特典がつくのか? でも嬉しい。

外回り終えて職場へ。
明日が休日とあって、「寵愛」最終回も「アメリ」も結構入る。「寵愛」は多分初日以降最も女性比率が高かった。20席だけ設けたレディースシートも上映開始時にはすっり埋まってしまった。「アメリ」も久々に8割くらいの入り。これくらい入ったのもちょっと久しぶり。まだまだ入るんだな…。

3月19日

仕事の後、日劇3で「エネミー・ライン」を見る。
久々に面白いアクション映画。逃げる・追う・救うというシンプルな図式を無駄なくテンポよく描いていく。最近の映画に目立つ技巧を随所に取り入れた、映像のミクスチャーっぽいところもあるけど、それが全てうまくいっていて見どころになっているというのは褒められるべきだろう。カッコイイアクション映画というのはやっぱりいい。

3月18日

早番で仕事。
予想はしてたけど、「寵愛」は圧倒的に男性シニア客が多い。こういうエロ系の映画にそういう年代のお客さんが集中するのはどこでもそうみたいだけど、ピンク映画の客層と非常に近いものがある。同じような人が結構見に来たりしてるんだろうな。

で、その「寵愛」を見ていく。……あまり自分のとこの映画への不満は言いたくないが……イメージの羅列だけの空虚さ。人の感情も、セックスシーンの官能も、全てがアートというオブラートに埋もれてしまって、何も感じられない。韓国映画としては新しいものかもしれないけど、これはどうなんだろうか。ちょっと失望。

3月17日

早番で仕事。
昨日、今日と「アメリ」の方がすっかり落ち着いてしまい、朝も夜もキャパの半分くらいしか埋まらなくなった。さすがにもう3ヶ月経ったし、こんなもんなのか。入れば入ったで大変だけど、入るのが当たり前な映画だったので、これだけ落ち着いてくるとちょっと物足りない。
「寵愛」も昨日ほどの勢いはなくなる。入替も基本シフトの3人で充分こなせるという感じで、日曜日でこういう状況というのは本当に久しぶりのこと。去年の11月以来か。それはそれでやっぱり物足りない。

そんなこんなで残る必要もないので定時で上がって神田へ。神田アカデミーで「愛人秘書 美尻蜜まみれ」「女痴漢捜査官4 とろける下半身」を見る。
「愛人秘書」 見どころはやはり佐々木基子の棒術でしょう。PGのBBSでも話題になってたけど、カンフー使いの岩下由里香より明らかに強く見える、その華麗な棒さばきは見事。それ以外は特に印象ない作品。
「女痴漢捜査官4」 ストーリーラインは明らかにサスペンスなのに、妙な笑いに脱線するアンバランスさ。これは徹底してサスペンスで見たかったなぁ…。まぁ、螢雪次朗演じるレクター博士のパロディなどは渡邊元嗣作品らしいのではあるけれど。

家に帰って「サラリーマン金太郎3」最終回を見る。このドラマは毎週ちゃんと見てたわけじゃなくて、中盤すっぽり見逃しているので、話の展開がどうなったのかよくわからないままだったのだが、先週津川雅彦が死ぬというクライマックスを迎え、金太郎に刺客が迫るというところで終わったので、ちょっと気になる今回であった。過去の2作も同じように毎週ちゃんと見てたわけじゃないけど、このシリーズもついに3部作で完結してしまうんだなぁという終わり方は結構心にしみた。

3月16日

遅番で仕事。
今日から「寵愛」スタート。とりあえず初回始まった頃に電話入れ、「次の回行った方がいいですか?」と確認。なんと初回ほぼ満席という状況だったので、次の回に間に合うように家を出る。さすが韓国映画は根強いファンがいるということか。
その後の回はそこまでの混雑はなかったものの、4回通して結構な入り。昼間の上映が2週間のみという短期間の上映になってしまったなどということもあってある程度集中してお客さん入ってるということはあるにせよ、ここまで入るとはみんな思ってなかった。まぁ、幸先のいいスタート。よかった。

3月15日

先日のフィルムを返しに小林家へ。
有楽町→落合、タクシー代が前回4000円以上もかかってしまった。上映できるプリントが発見されたならともかく、結局ただ返しに行くだけのことになってしまったので、さすがにまたその金額をかけるのもちょっと…ということで、今日は松島氏とフィルム5本ずつを抱えて電車で移動。やっぱりフィルム5本は重い! 有楽町→落合のルートだと、乗り換えは飯田橋で一回だけなのだが、ここの乗り換えがかなり距離があるのでツライ。今日は気温も20度以上のすっかり春の陽気だったので、小林家に着く頃はもう汗かくほどになっていた。
松島氏が取材したキャメラマンの柳田さん情報で、この間のフィルムの他に16ミリのフィルムがあることが発覚。話通り、16ミリのフィルムが未整理のまま箱に入っていたりしたのだが、どうもピンク映画らしきものではない。ネガの状態のものまである。これに関してはまた改めて調査しましょうということで、今日は退散。
奥さんも好意的に協力して下さっているので、そのフィルムやビデオ、残された台本などを改めて整理させてもらえれば…と思う。

松島氏と別れ、狛江へ移動。小林監督追悼特集用の取材で小川欽也監督宅を訪ねる。
今日は石動氏、キャメラマンの松本氏も同行。
小川監督とお会いするのもまた久しぶり。監督が助監督としてついた小林監督の新東宝時代の「三人の女強盗」の台本を用意して下さり、いろいろと興味深い話を聞かせてもらった。誌面には書けないような面白い話もあるけど…。
さらに「肉体市場」「海女の怪真珠」の貴重な現場スナップもお借りする。
なんか今回の特集は凄いものになりそう。

取材後、狛江駅前で三人で飲む。夏に出そうと思ってるPGの次々号の面白い企画の話も。果たしてこれは本当に実現するのか?

3月14日

ピンク大賞のプログラムが決定したので、本チラシの印刷依頼で久々に王子の印刷屋へ。
次号PGは表紙をカラーにできればと思っていて、その値段とか入稿方法などの話も聞いてくる。まぁ、現実的に出来そうな感じではあるけど、値段は500円じゃ無理そう。また値上げというのもどうなんだろう。

それから外回りで再び池袋、新宿、中野と回って職場へ。
だいぶあったかくなってきて、外回りも楽になってきたけど、印刷屋も含めてこれだけいろいろ回ったのでと結構疲れた。

3月13日

早番で仕事。
そのまま外回りで池袋を回る。シネリーブル、シネマ・ロサと回って仕事は終わり。その後、シネロマン池袋へ。
PGの精算などもあったので、K支配人と少しばかり話をして、そのまま映画を見ていく。「人妻痴女 変態男漁り」。
これはもう北沢監督近年の最高作。インターネットで自分のヌードを公開する人妻が精神科のカウンセリングで知り合った男との不倫に溺れていく。その一言で済まされるくらい、本当にシンプルな物語。ネットの件が思いの他ドラマに関わってこなかったり、後半の秘密パーティの妙な俗っぽさが物足りなさを残す部分ではあるけど、そういったドラマというものが無意味になっていくほど、人妻と男のセックスを繰り返す愛のドラマの倦怠感が映画の幕切れまで高い密度を保っていく。北沢監督のミリオン時代の作品の雰囲気を思い出してしまったが、その時代の北沢監督が得意とした、どこか世間に溶け込めない男女の愛のドラマという監督の持ち味が最も生きた形で完成された作品だといえる。こういう北沢作品が見たかったんだよなぁ。

外回りの最中などに電話が入り、新文芸坐からピンク大賞の小林監督追悼上映プログラムに関しての返答。
牛山さん情報で問い合わせていた、小林監督が1966年に撮った天知茂主演の松竹配給作品「黒幕」の上映がOKとなった。当初は東活が製作した一般映画「鏡の中の野心」をやれればと思っていたけど、より珍しいこんな作品を上映するのも意味があることだろう。果たしてどんな映画なのか。まぁ、僕は当日は見ることはできないだろうけど。

3月12日

仕事の後、銀座シネパトス3で「WASABI」を見る。
期待してなかったけど、久々に呆れるくらいのつまらない映画を見た。
広末涼子もこれならTVドラマでの彼女の方が全然魅力的だし、ジャン・レノも全く魅力なし。広末を狙う悪党の黒いスーツにサングラスという、今時それはないだろっていうような悪役ぶりだったり、フランスの刑事がなんで武器を簡単に手に入れられるのかとか、ゲームセンターでいきなり銃をぶっ放すのかとか、エンタテイメントという意味をちょっと間違えてるような展開の連続には呆然。
ベッソンがお気に入りの広末をヒロインにして映画作ろうというのはいいけど、それならもっと彼女の魅力が生きるような映画を作らなきゃ。

3月11日

夜、下北沢ザ・スズナリで「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・京都 錦小路の素浪人」を見る。
もともと時代劇好きじゃないし、前半はそれほど面白くないなぁと思いつつも、最後の方の殺陣の迫力とか、割と見るべきところもあった。

3月10日

仕事の後、PGの小林監督追悼特集用の、編集技師の金子尚樹氏の取材で新宿へ。
最近東映化学へ行くこともほとんどなくなったので金子さんとお会いするのも久しぶり。
もともと助監督として業界入りした金子さんにとって、小林監督は師匠に当たる人。そんな金子さんならではのいい話が聞けた。

ちょうど時間的によかったので、そのまま上野へ移動。上野オークラで「川奈まり子 桜貝の甘い水」見る。
小林監督、本当に最後の作品。ではあるけど、うーん…。そのほとんどが川奈まり子演じるヒロインの部屋で展開される閉塞感、彼女の持つ興奮すると体内の水が放出されるという病気も何の説明も無く描かれるので最初は何がなんだかわからない、彼女と痴漢男の間に芽生える愛もその感情があまりにも伝わってこない、などなどお世辞にも褒められるべき作品ではない。ここ最近の作品で言えば、「性犯罪ファィル」の反社会性といった小林監督の個性が伝わってくるテイスト、「巫女の美肌」のエンタテイメント性、といったものと比べて、本当に何もない作品。
川奈まり子も芝居が上手いとはいえないが、それなりに映画やOVをこなして存在感は持っている女優さんにも関わらず、この作品では何の魅力も出ていない。ただひたすらセックスを繰り返すだけ。
監督が完成まで立ち会えなかったとはいえ、それがこの作品のマイナス要因とは思えない。そして、これはピンク映画40周年という記念作であるはず。
いろんな意味で特別な意味を持つはずの作品でありながら、恐らく観客の目には量産されるピンクの一本として普通に見られていくだけのもの。なんか複雑な思いで見終わった。

小林監督に纏わるいろいろな出来事を経て、先日の小林家のフィルムの件で牛山氏に電話。なんとなくこの作品がどういう時代のどういう位置づけの作品なのかということはわかった。そして、ちょっと意外な情報も入手。これは面白いことになるかも。

3月9日

遅番で仕事。
「マルホランド・ドライブ」最終週に突入ということもあって、一番混む3時半の回は補助席もいっぱいとなる。
スタッフ間のやりとりがちょっとうまくいかなかったのか、入場受付待ちのお客さんがずらっと並んで入口前はちょっと混乱気味だったらしい。裏口に回っていた僕はわからなかったけど。
「アメリ」でどれだけの混雑にも対応できるようにはなったけど、こういう徐々に徐々に混んでくるという状況に、対応がうまくいかないことが多い。本当はこういう状況の方が普通なのに…。

3月8日

昼からPGの編集作業。
依頼していたベストテンページの受賞者、ベストテン作品のコメント文が揃ってきたのでその辺を中心に編集。

夕方から出かけ、夜はSHIBUYA-AXで藤崎賢一ライヴ。
先月の復活ライヴから1ヶ月。キャパも倍の会場での追加公演。
前回リリース前のアルバムの曲を全曲披露したとはいえ、まだそのアルバム自体はリリースされてないので、どうしても耳慣れぬ曲が中心となるが、前回よりも観客の反応はいい感じ。前の時のようなステージの上と下の両方の妙な緊張感もなく、昔のバンド時代と変らぬような余裕すら見えるステージとなった。ある意味、今日が再スタートの一歩という空気も感じられた。いつまでも過去の曲に拘る必要も無いだろうけど、やっぱりJUSTY NASTY時代の曲をこういう形でまたライヴで聴けるというのは嬉しい。
とりあえずはアルバムを楽しみにしていよう。

3月7日

先週、現代映像研究会の松島氏から思わぬ情報が飛び込んだ。
「小林悟監督の自宅から、35ミリのピンクのフィルム10本発見」
PGの追悼特集の中で、松島氏が監督の奥さんに取材に伺い、その時にそのフィルムの存在が明らかになったということだった。
現代映像の上映で監督が亡くなる直前に旧作のフィルムのことに関して監督に電話した時にはそういうフィルムは残していないということだったという。僕が数年前にPGで取材した時も同じようなことを言われていた。
ということは、そのフィルムとは一体…。
ということで、奥さんの許諾を頂き、そのフィルムを借りて内容をチェックしてみようということになった。これがもし監督の旧作であれば、今度のピンク大賞で上映できるかも。という思いを抱いて、松島氏と共に小林家にお邪魔する。
生前小林監督が撮影用の小道具や衣裳などを置いていた部屋にそのフィルムは並んでいた。中身をざっと見てみるも、「日映株式会社製作」という冒頭のクレジット以外はその場では確認できず。日映なんて聞いたことない。
とりあえず10本の1巻目のフィルムを一通りお借りし、奥さんとしばらくお話して小林家を出る。
どうにも有楽町まで手持ちで運べるものでもないので、タクシーで移動。

それから遅番で仕事。
仕事の合間を見て、映写のAさんに協力してもらい、映写用の編集機で各プリントのクレジットをチェック。
まず確認できるのは、シネスコでありオールカラーの作品であること。ということは70年代前半くらいの作品。配給網が整理された70年代後半に日映という会社があったというのはちょっと聞いたことがない。
出演者もスタッフもほとんど名前を知らぬ人たちばかりだったが、1本目に見たフィルムの最後にクレジットされていたのが、監督=秋津隆二。この人の名前は知ってる。80年代半ばまでミリオンで撮ってた人だ。
その後も夜まで作業を続け、時間ギリギリまでで9本を確認。
しかし、小林監督作は1本もなし。全て日映という会社の製作のもので、秋津隆二監督が2本、岡本愛という監督のものが6本、1巻目にクレジットが付いてなかったものが1本。という内訳。
フィルムの缶には間違いなく小林プロダクションと書かれているし、フィルムが詰められてる現像所の袋の電話番号が3から始まっていることから、少なくともここ10年以内にプリントされたものだと推定。映写さんの話しでも、一回も上映されてないような綺麗なプリントだという。
まぁ、この調子だとあと1本も小林監督の作品ではないだろう。一体この10本のプリントはなんなのだろうか。ただ謎が残るばかり。貴重なフィルムであることは間違いないけど…。

3月6日

今日は映画サービスデー。
「アメリ」も「マルホランド・ドライブ」もほぼ満席続きで、まぁサービスデーらしい忙しさの一日。

とりあえず定時で上がって、日劇プラザで「ムーラン・ルージュ」を見る。
まさに絢爛豪華という言葉がふさわしい。19世紀のヴィジュアルを再現しながら、20世紀を代表するロック・サウンドがミュージカルとなって展開される。バス・ラーマンらしい「大胆さ」が頂点に達したような素晴らしい作品。
ニコール・キッドマンがこんなにも素敵な女優だと初めて思った。

3月5日

仕事の後、上野オークラで「痴漢バス2 三十路の火照り」「芸能(裏)情事 熟肉の感触」を見る。
「痴漢バス2」 痴漢電車(これはバスだけど)というのはピンク映画の定番中の定番として時代を越えて作り続けられている題材であるが、痴漢という行為が反社会的な行為として取り入れられているのも最近の作品では珍しいのでは。バス車内のシーンもそうであるが、特にレストランで山咲小春が足で佐々木麻由子の股間を責める場面で顕著にように、猥褻行為が世の中を挑発するような、そんなパワーにあふれた作品だった。山咲小春が男役に扮し、セリフもなく佐々木麻由子を性的に挑発していく、その存在感も圧倒的だ。荒木作品としても過去に類の無いスリリングな作品になった。
「芸能(裏)情事」 ここ最近の池島作品では一番楽しめた。前半のテンポよく加速するドラマが中盤からやや失速するというような物足りなさも残しつつも、ストーリーと役者の存在感、監督の趣味性などがうまい具合に引っ張られていき、最後まで楽しませてくれる。ただ、美麗の本人のアフレコはやはりちょっと違和感がある。
しかし、佐野和宏、池島ゆたか、なかみつせいじ、伊藤清美といった俳優の顔合わせに懐かしさと安心感を感じてしまうのは、僕も今や「古くからのピンクファン」なのかなぁという複雑な思い。でも、古くからのファンにとってはやはり嬉しい顔合わせ。

3月4日

渋谷のパルコパート3で開催されている松田優作エキジビジョンを見に行く。
小さめの会場なので、それほどいろんなものがあるというわけではないけれど、松田優作の活動の歴史に沿って、撮影に使った台本や衣裳などが展示されている。中でも「探偵物語」のベスパや「最も危険な遊戯」で着ていたジャンパーといったものを間近で見れるのは感動モノ。そして、「野獣死すべし」の優作自身の手で書き換えられたセリフがページいっぱいに書き連ねられた台本も凄かった。
発売されたまま買ってなかった「探偵物語」DVD-BOXも早く買って見直さなきゃ。

それから渋谷東急3で「マルホランド・ドライブ」を見る。
ウチの劇場は平日でも結構混んでるので、あえて渋谷で見る。まぁ、こっちの方が全然大きいし。でも、こっちも結構混んでた。
面白い。しかし、理解不能。
別に全然ワケがわからないというわけではないけど、「ロスト・ハイウェイ」がそうだったように、ストーリー展開の不整合性に何の回答も与えぬまま映画は幕を閉じる。まぁ、それがリンチ映画の魅力といえばそうなんだろうけど、今回もまんまとその魅力にハマってしまったということか。
もう一回見たい。

3月3日

早番で仕事。
今日もテレビ効果のおかげか、いつもの日曜よりちょっといい動員。
基本的に日曜日の遅番は人が少なめなので、最終回まで手伝っていく。

3月2日

全国各地で精力的なイベントを行っている荒木太郎=多呂プロのイベント東京編、上野オークラでの舞台挨拶を見にオークラへ。
イベント開演直前の1時50分くらいに劇場に着くと、なんと開演が3時に変更になったという貼り紙がしてあるではないか。3時から仕事なのでこれでは見ることができない。
あ〜あと思って劇場前にいると、ロビーに石動さんやPG関係の知人何人かの顔が見える。たまたま外で顔を合わせた、去年名古屋行った時に知り合ったPG読者のKさんや石動さんとしばらく歓談し、仕方ないのでそのまま2時半頃に引き上げる。

それから仕事。
昨日「虎ノ門」が放送された。僕はそのコーナーが終わった頃に気づいたので見ることが出来なかったけど、肝心の映画の感想はそれほど悪いものではなかったらしい。
その効果もあってか、2回目は補助席もいっぱいになって入場できなかった人も何人か出るほどの盛況ぶり。「マルホランド・ドライブ」になってこの動員は初めてのこと。
やっぱりテレビの影響力は凄いなぁ。

3月1日

仕事休みで一日家にいる。
午前中はビデオ見てFFXやってといういつもながらの生活。それにしても「木更津キャッツ・アイ」と「トリック2」はなんて面白いんだ。

午後からいよいよ次号PGの作業をはじめる。まぁ、次号はベストテン特集なので、その集計作業も次号の作業といえばそうだけど、本格的な誌面つくりを今日から開始というわけ。
考えてみれば雑誌のPGの編集作業をするのは11月の半ば以来だから3ヶ月半ぶり。にも関わらず、あまり久しぶりという感じがしない。いかに生活の一部になっていたかということだ。
次の号はベストテン特集と追悼・小林悟特集の二本立て。ベストテンの方は例年のフォーマットに合わせるだけだからそれほど大変ではないけど、小林監督の特集の方は石動さん、松島さんにも動いてもらっていて予想以上の大きな展開になっている。凄く意義のあるものになりそうなので、気合い入れてやらなきゃ。
本当に久しぶりの一日PG作業の日だった。

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