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歴史文献「女の争い」


あるところに、呂后という女がいた。呂后には、戚夫人という憎む者がいた。
戚夫人のおかげで、呂后は完全に政治権力を失うほどだった。
そんなとき、時の権力者 高祖が死に、孝恵帝が即位をして呂后が権力を握った。

呂后は戚夫人を憎み、そしてその憎しみは恐ろしいほどだった。
逃げる戚夫人を捕まえ両手足を切り落とした。
その美しい目をえぐり取り、耳をそぎ、薬で口をきけなくした。
そしてそれを、厠の中に置いて「ひとぶた(PCで出ない…)」と名付けた。
かつて自分を追いつめた女、自分の夫の心を奪った女の美しい肉体が
豚のように汚れて横たわるのを眺め、呂后は快哉を叫んだだろう。

その後、呂后はおもしろ半分で息子にそれを見せたという。
憎しみが人を大きく変えてしまった……。


太后遂に戚夫人の手足を断ち、眼を去り、耳を焼きつぶし、
口をきけなくする薬を飲ます。廁の中に居らしめ、命けて人ぶたと曰く。

参考文献 『史記』呂后本紀より(司馬遷)