少女のお願い


少女のお願い   作.とじかっ娘


鏡台の前に座る10歳ぐらいの少女。

部屋全体に差し込む日差し。外は快晴。

少女は祈るように手を組んで呟く。

『ねぇ、鏡さん、教えて欲しいことがあるの。いいかなぁ?』

無言のままの鏡。

少女はコクリと息を飲み再びしゃべり始める。

『ではお尋ねします。カガミよ、カガミよ、鏡さん。

 世界で一番可愛い女の子はだあれ?』

静寂。

そして次の瞬間、部屋全体が僅かに振動をはじめ、まばゆい光が

少女の目に飛び込んでくる。

たまらずに目を閉じる少女。

そしてゆっくりと目を開く。

『きゃ!』

少女は思わず声を上げる。

鏡の中にはドロドロに腐ったような醜面が映し出されている。

そのあまりのおぞましさに耐えられず、目をそらす少女。

『あ!』

少女は再び声を上げる。


少女の瞳に映されしは、隣の町のキノコ雲かな。


                         了

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