ノビ男(原案)


『ノビ男(原案)』


ある日男が目覚めたら

奇妙なことが起こってた

何だか変だよ下半身

寝相が悪いというけれど

その日はいつもと違ってた

何処へ行ったの下半身

呼んではみたが見つからない

布団を見ればギットリと

油が浮いて汚れてる

どうやら悲しいことみたい

溶けて無くなり下半身

さらに驚くことばかり

胴体見ればこりゃヒドイ

トロリと溶けた餅の様

伸ばせばきっとヒモの様

よくよく見ればもう時間

デートに行かなきゃ怒られる

どうしたものでしょこの身体

何とか柱につかまって

やっと這い出た窓の外

転げるように階段を

落ちて全身アザだらけ

泣く泣く台車に飛び乗って

両手を必死で動かした

しばらく行って後ろ見て

ありゃま胴体ヒモ状に

我が家へ続く帰宅道

どうすりゃいいのさこの身体

そのうち何だか腹痛が

襲ってきたよお医者さん

呼んだはいいけどどうしよう

聞けばますます盲腸で

早く何とかしなければ

だけどあまりに胴体が

長すぎ医者もお手上げで

そのうち出てきた植木屋さん

ハサミを取り出し何じゃこれ?

ヒモを見るなり邪魔だこれ

パチャリとやればピチャピチャと

真っ赤な液体ドクドクと

そのうち真っ青僕の顔

泡を吹き吹きポックリと

愛しいあの娘に会いたくて

のびた身体が切なくて

だけども切れてさようなら

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