紅い思いで
小学校6年生。
夕方の図書室。
片思いの女の子と二人きり。
「午前中ずっと保健室だったよね?もういいの?」
「え?あ、あぁ、うん。だいじょうぶ。それよりあった?」
「う〜ん。なかなかいいの見つかんない」
百科事典を開く二人。
学級新聞のネタ探し。
差し込む夕日。
「あっ・・・」
「え?なに?なにかあった?」
「え?いや別に・・・」
不意に少年の目に飛び込んできた文字。
誰かが悪戯で赤いアンダーラインを引いた二文字。
「性交」
顔を紅潮させうつむく少年に気づくことなく
少女は模造紙に赤いペンを走らせている。
よりいっそう赤みをました夕日が二人を赤く染める。
小学校6年生。
夕方の図書室。
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