11月17日 |
製本については特別な思い入れは、ない。 本をきちんと開けるようにするための”あそび”が足りなくてうまく開けず作り直したり、ページがゆがんでしまったり何かと技術不足な点がここでも明らかになってしまったが、それはそれでよしとすることにした。 先日ナイーブの絵本講評会が行われた。ナイーブの方とは初の全体の顔合わせだった。 緊張しきっていた僕にもとうとう自分の作品を紹介する番が回ってきてしまった。僕は絵本の内容そのもの、というよりは僕の絵本がどういう思いで出来上がったかをみなさんにはお話した。 この物語は僕自身の物語であること。 僕がこころの病で世間から隔絶された生活をおくってきたこと。 そんなとき、絵本を描いてみないかという誘いをきっかけに自分を表現してみたかったんだ、ということに気がついたいきさつについて。 そして絵本制作と偶然にも時を同じくして「自分の足で立ちたいんだ!自分の目で見たいんだ!」と思ったことを、卵から孵った僕の鳥であらわしたこと。 僕の鳥が喜んだり、痛がったり,泣いたりした裏には、僕自身が数年ぶりに仕事につけた喜びや、それにもかかわらずなかなか思うようにいかなかった苦しみや悲しさであったこと。 鳥を励ましながら実は自分自身へ語りかけていたこと。 この絵本の1ページ1ページにはそれぞれ、それだけでひとつの物語ができるだけの思い入れが僕にはあるのだということなどをつたない言葉で話したのだった(と思う。というのも緊張のあまり、何をどこまで話せたか記憶が定かではないのだ…)。 今日はゲストブック「みんなの広場」を作った。 さっそく絵本を見てもらった友人たちに記帳をしてもらった。 暖かい言葉に緊張した僕のこころもとても和む思いだった。 ほんとうにありがとう。 これは絵本本体同様、僕の”作品”だ。 僕と、僕の絵本を見てくれた方々たちとの共同の大切な作品だ。 今晩から明日の朝にかけてしし座流星群が見られるという。 僕の鳥は流れる星をどんな思いで眺めていることだろう。 君の上にも大きな流れ星が流れることを祈って。 |