立花隆VS小室直樹

 

“立花隆氏の意見にいたっては,近代法の初歩すらわきまえない,リーガルマインドを欠いた斉東野人の言であって,法律論として一顧の価値もない”

(小室直樹 “諸君”'84・9月号)

 

「リーガルマインド」云々について立花氏はこう述べています。長いですが、面白いので引用します。「立花氏はリーガルマインドに欠ける」という小室氏の文を受けての発言です。

 

<私は、これを読んで仰天した。選りも選って、小室直樹氏から「リーガル・マインド欠如」の非難を浴びせられようとは夢にも思わなかったからである私見によれば、当代の論客の中で、リーガル・マインドが最も欠如している人物が小室氏である。

八三年一月二六日、丸紅ルート論告求刑公判において、田中に対して懲役五年の求刑があったとき、おりからテレビ出演中であった小室氏は、突如立ち上がってこぶしを振り上げ、「田中がこんなになったのは検察が悪いからだ、検事をぶっ殺してやりたい」とわめきちらして番組を中断させ、その翌日の「モーニング・ショー」(テレビ朝日)においては、前日の発言の真意を釈明すると称して、「政治家は賄賂を取ってもよいし、汚職をしてもよい。それで国民が豊かになればよい。政治家の道義と小市民的な道義はちがう。政治家に小市民的道義を求めることは間違いだ。

政治家は人を殺したってよい。黒田清隆は自分の奥さんを殺したって何でもなかった」などと発言し、視聴者を唖然とさせたのである。政治家は汚職をしてもよいし、人を殺してもよいなどという人に、およそリーガル・マインドのかけらでも、感じることができるだろうか。>