学校サボってライブ会場の前に半日並んで、爆音に頭振って振って次の日から３日間頭痛と耳鳴りに悶える。ロック好きなら１００％経験済みの、素晴らしき我が青春の思い出でしょう。本作はそんな悦楽の日々を確実に思い出させてくれるステキなロック映画です。

KISSのコンサートを拝むためにオバカ高校生４人組が捨て身で奔走する舞台は、ディスコとロックが共にパワー全開だった１９７０年代末。いい時代ですね。この設定だけで音楽映画としてのポイント１アップです。加えて本作では、何と本物のKISSも全面協力で当時のライブを再現！こりゃスゴイですな。（←KISSにとってこの出演が吉なのか凶なのか甚だ疑問ですが）

さらに嬉しいのが、ドリフ級にベタな笑いを随所に散りばめたコメディ路線丸出し演出。ロック映画としてだけでなく、青春コメディとしても充分に楽しめます。中でも永遠の少年俳優エドワード・ファーロング（←何と実年齢は現在２３歳。立派に汚れた大人です。）の衝撃捨て身お笑い演技は必見。「T2」時代のファン層の心を確実に遠ざけること間違いなしです。ステキな意味で幻滅させてくれます。だがそれもまた良し。

さあ皆さんも共にロックの町・デトロイトで、少年時代へトリップしてみませんか。