「ダメです。指紋は出て来ません。」
オレは思わず、このヤジ馬どもの後ろでほくそ笑んだ。
オレの名はノビタ。そう、このオレが給食費を盗んだ犯人だ。だが、実行犯はアイツだ。指紋など出てくるハズが無い。
「足跡もありません。」
ククク・・・無駄だ。アイツには指紋はおろか、足跡すらないのだから・・・。
ここまではオレの計画は完璧だった。ところが、オレはその日の内に逮捕されてしまったのだ。
現場に食いかけのドラ焼きが残っていたのだ。
・・・・・どらエモンのやつ・・・・・
その夜、オレは鉄格子の中でふと考えた。
・・・・・もし、ドラミちゃんだったら・・・・
しかし、オレはすぐに考えるのをやめた。
・・・・・あいつはメロンパンを残すに違いない。