地震からの我が家の住宅復興
1997年夏,セキスイハイム『ニューセラーノ』で,ようやく家を再建しました。 これからいよいよ,我が家の復興です!! 復興というと大げさですが,あの状態を元に戻そうというのですから, やはり「復興」でしょう。   【目次】
   1 住宅復興計画
   2 資金の段取り
   3 セキスイハイムとの出会い
   4 契約
   5 基本仕様の決定
   6 整地と地鎮祭
   7 建築
   8 引き渡し
   9 引っ越し
   10 追工事、手直し
   11 実際に生活した感想

  こちらはダイジェストです。



そういえば,家を建てるというと,地震当時の上司(前の所長)には
「城を建てろ,城を。城だぞ」と力づよく励まされました。
涙が出る思いでした。
それに比べてその次の所長さん曰く、「城か、えらい甲斐性やな」と。。。。
ちょっとムッときました。何かの皮肉のおつもりでしょうか。

いやいや,ちょっとした愚痴でした。
折角の復興をこんな愚痴からスタートさせてはいけませんね。




1 住宅復興計画
次を考えて住宅再建に臨みました。 1)昔の和室中心の生活を取り戻せる住まいであること。   突然おそわれた地震で,昔からの自分たちの生活パターンを変えるのはいやです。   地震前の生活を再現するための「道具」として満足できる家   である必要があります。 2)地震で倒れるといったことが二度とおこらないこと。   地震はもちろん,台風や火事など,自然災害からの被害は極力防止したいものです。 3)老後の生活に十分対応できること。当面は親のお茶(茶道)への対応。 背景に,徐々に計画したというのではなく,地震で一気にこてんぱんに叩きのめされた という経験や,ご近所の手前から、そろそろ再建したいという意識が強く働いていたことは 間違えありません。 「地震で潰れた家をいつか再建するぞ」という気持ちがはっきりしていたので, 種々展示場も回っていました。その中では,基本構造がわかりやすく, 地震にも強そうだという観点から,セキスイハイムが気に入っていました。 値段的にも,reasonableなものかと思えました。 2 資金の段取り
手持ちの貯金の取り崩しと,会社からの住宅ローン利用を計画しました。 もっとも公庫も安く,あえて会社から借りる必要はなかったかもしれません。。。。 また,税金面での特例や復興基金からの利子補給など,被災者への公的支援措置 も利用させていただくように計画しました。 全般的に,土地負担がなかった分 家の新築としては楽かと思えました。 3 セキスイハイムとの出会い
地震再建が目的ですから,動機や目標ははっきりしています。逆に,別に締め切りが あるわけでもありません。適当な時期に,適切な住宅を再建できれば良いわけです。 そういうことで,ここしばらくの間うろうろと,近くの展示場まわりをしてはいました。 その結果,地震被災の体験もあって,経験豊富そうに見えるしっかりした住宅メーカー として,思い入れの強い和室も適切に処理できそうな木造軸組系の住林などをメインに 考えておりました。 しかし思うような間取りは,軸組といえども,住宅メーカーではなかなか実現 できないようでした。レディーメイドに近い標準の構造材料を使う限り, 強度的な保証ができないということだろうと思います。 一方,構造がシンプルでわかりやすいセキスイハイムやトヨタハウスなどの 鉄骨ユニット系も,地震経験上捨てがたい魅力がありました。 そのころちょうどセキスイハイムの例の集客行事があり,これにのっかってみました。 安ければ少々のことは我慢できるかと。。。 もちろん抽選ははずれ。しかし,そこでハイムのCレンに出会いました。 それを機に,話しはグググッとかわっていきました。。。 4 メーカーとの契約
集客行事から約一ヶ月,消費税アップ前を狙ってエイッと契約しました。 長所をよく知っていた,セキスイハイムです。 もともと,構造的にシンプルでわかりやすい点は大変気に入っておりました。。。 ◆長所:家の構造上vaitalなpartは完全に工場生産。現場の人手が入らないので,     基本的な品質面で信頼できる。     また,地震に強い(と思う)。阪神大震災の実績高い。 ◆短所:ユニットの安っぽいイメージがある。     棟上げ儀式はできない。     高い。高価で有名? な積水ハウスと実質大差ない。     また,クボタハウスなどに比べると,グッと高価(失礼!!)。 ◆決め手:Cレン工法という建築方法が新しく導入されたこと。これにより,  ハイムでも昔ながらの和室を再現できる可能性が開けたこと。 初めての打ち合わせ:1996年9月中旬→契約:消費税アップ前の9月末という スピード契約でした。もっとも,計画は白紙に近い。。。 各社の特徴などに関する考え方はこちらにまとめました。 5 基本仕様の決定
和風っぽいイメージで、Cレンが使えるニューセラーノという商品で,全般的に ごく基本的な構成としました。 ゆったりとした風呂と,1階全面にわたって段差のないことが自慢です。 ペアガラス窓もなかなかいいです。おっと、これらは全部標準装備でした。 我が家が自慢できる重要な仕様は、もっともこだわった間取りです。 「8畳と6畳が東西に並んだ和室続き間と,その南側に全面に展開された  長大な広縁,および不要な壁のない全面開口」 茶道への対応などという難しいことも満足できています。 これらが実現できたのは、すべてCレンのおかげです。ハイムのユニット構造の 真骨頂を発揮です。 さらに,頑丈な基礎と,軽く安価なタイトルーフ(トタン屋根)を採用して重心を 下げるように努めました。2階に少々重いものを大丈夫。 しかし,全体に広いスペースをとるため,収納を犠牲にしました。 あとで,屋根裏収納を増設する羽目になりました。 完成図面はこちら(1F2F)。 大きな枠組みは,10月には決まっていましたが,細かな点がなかなか決まらず, 最終決着を見たのは,何と年が明けた2月末。 その間,内装や外構の打ち合わせも進めました。 クロスやコンセントなどの内装関係は,10月中旬と12月始めに行った インテリアコーディネーターさんとの打ち合わせで決定。 外構は,なかなか大変でした。 上図は,家本体の計画が全て終わった時点のものです。 6 整地と地鎮祭
整地は,地震後の公費解体の時にお世話になった業者に頼みました。 ご縁があるということで,格安にしてくれました。 また,その後の地鎮祭は無線友達のJE3BRSさんが宮司をつとめられる お宮さんに依頼しました。 セキスイハイムからお酒のお供えを頂きました。 7 建築
セキスイハイムは,クレーンでつり上げる建築です。有り難みは少ない??? 棟上げは1日で終わりあっと言う間に外観はできますが,我が家は,和室周りに 「標準外」の「現場対応」が多く発生しました。実際種々問題もありました(詳細はこちら)。 しかし,現場監督や担当の大工さんのねばり強い対応で何とか切り抜けられました。 まあ、正直なところは、今も続いていますが。。。 要するに、設計者任せでポンとできるという,標準重視の住宅メーカーに頼んだ割には、 そのイメージとまるで異なり,本当に神経をすり減らしました。 家作りは人間の手仕事だということを痛感させられました。 8 引き渡し
暑い盛りに,引き渡しを受けました。 その後引っ越しまでに,1Fエアコンや照明を取り付けました。 また,荷物の多さに閉口し,先に述べたような屋根裏収納を新たに 増設しました。 9 引っ越し
何とかお盆前に入居して,ご先祖様を新しい家に迎えようと がんばりました。真夏に引っ越しを敢行。 奈良の家と家内の実家に預かってもらっていたものをあわせ, 引っ越し荷物は4トンロング2台に満載。ものすごい量です。 前日夜9時まで積み込みを行い,新築家に荷物を下ろし終わったのは夜の 8時を過ぎていました。なんと近所迷惑なこと。。 運び込んでみると,さすがの自慢の和室も天井まで段ボール箱でいっぱい。 増設した屋根裏収納もあっという間にいっぱいになりました。 この収納を増設していなかったら,引っ越し荷物があふれていたでしょう。 とんでもない状況の中,まずは仏様に座ってもらい,その後時間を掛けて 荷物を片づけました。エアコンが抜群の威力を発揮しました。 荷物でぎっしりつまった自慢の和室を徐々に片づけ,どうやらお客様に 来ていただけるレベルになったのは、ご先祖様がお帰りになる8月15日。 しっかり見届けていただき,「また来年ね」と帰られたように思います。。 10 追工事,手直し
夏休み前の引き渡しを受けた後,種々の追工事を行い,また,入居後には 手直しを依頼したりしました。こちらへどうぞ。 手直しはなかなか時間がかかります。 6ヶ月といいたいですが、今でも続いています。もう1年です。。。 外構工事の手直しは,10月末にやっと完成。庭は良い時期を見計らって ということで涼しくなってから作業を始め,'97秋にどうやら完成しました。 家の内部では,フローリングや窓枠周辺にあった基本的な問題が, 11月5日に完成。その他,細かなところで具合の悪い部分は,現在もまだ 手直し依頼中です。家自体の問題点について,こちらにまとめました。 交渉事などは営業さんの力に期待していますが,結局最後は自分でやるしかないか とも思っています。自分の家ですから,ある程度のことは,まあ当たり前で しょう。。。。   11 実際に生活した感想 地震再建を目標として家を再建しましたが,全体に,当初の計画を充分満足 するすばらしい家ができたと思います。 完成図面をこちらにまとめました。(1階2階)。 失敗大成功についてもまとめています。 しかしこの家は,今後,こういった図面で表すような単なるハードウエア としてではなく,「家族と共に歩む生活そのもの」として,我々家族の側に 溶けこんで来てくれるものと期待しています。 最近階段吹き抜けに,ネットニュースを通じて名古屋の方から入手した シャンデリアを取り付けました。 これがまた,ゴージャス。しかし大喰い 480W!!! 私はどうしてもハード寄りの人間だァ。。。。。。 夏と冬の印象はどうでしょうか? 【夏】 南側全面開口があるので,夏は温室のようになるかと思っていましたが,幸い, 小さなエアコン2台で充分過ごせました。ペアガラスの効果でしょうか。 つまり,DK,和室2間,広縁からなる1F全体を,DKと,和室6畳につけた それぞれ2.2KWの小さなエアコン2台で冷やしました。これで充分でした。 しかし2階はさすがに暑かったです。 【冬】 最近の家の断熱は大したものです。専用の暖房はほとんどいりません;エアコンだけで それも,上に述べた小さなもので十分です。  2KWのデロンギオイルヒーターが控えていたのですが,まったく使いませんでした。 これもペアガラスのおかげかと思います。 【2年目の夏】 引き渡し後一年経った98年夏,さすがに耐えきれず,ついにエアコンを付けました。。。 こちら。快適です。
最近の様子は,種々取り混ぜてこちらにまとめまています。
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