401のブラッシュアップ

いまさら401なんかをブラッシュアップして何になるんだとおっしゃる方もおいででしょうが、、、

確かに、歴史的な機械ですから動態保存するだけでも結構手間がかかります。それをブラッシュアップするのは、 ひとえに実用機として使うため です。この目的が正しいかどうかは人それぞれの判断基準によると思いますが、 下記するように、6KD6が2本入った機械は200W以上の出力が得られますので、少し改造してWARCバンド 専用機などとして使うことを目標にすると大変FBであることは事実です。しかも、安価です。

オプション類の取り付けは、当面説明書にまかせるとして、このページでは以上のようなことを目的とした積極的な改造を扱うことにします。

 




実用的な観点から、いくつかの改造が考えられます。
(1)10Mの追加
(2)1.9Mの追加
(3)24Mの追加
(4)AMモードの追加
 
その他、性能面からいろいろ
(5)RFゲインつまみを、本当にRFゲインのみの制御にする
(6)28Mプリアンプ
(7)パワーコントロール
(8)CWのサイドトーンの音量調整ができるようにする
(9)VFOまわり
10)フィルタの交換
 
格好を良くすると言うのもありますね。こちらの最後にちょっとヒントを。
 

6KD6 2本の機械は200W機(実質250W以上出る場合が多い)ですから、(1)(2)(3)の改造は極めて有益です。 AUXバンドもちゃんと用意されており、問題ありません。CWフィルタは必要になります。

SSB用フィルタ(左)、CWフィルタ(右)。いずれも31シリーズだから最終モデルです。こういったものは貴重です。

 

また、(5)は7Mなど、ざわざわしたバンドで使おうという場合に有用です。何をするにしても、パネルに変な穴を開けたりしないことは最低の条件です。

 
 
 

(1)10Mの追加

JJYのバンドを利用して、10M運用が行えるようにします。
<必要な部品>

·         コイル1本

10Mの追加は簡単です。そもそも何もしなくとも、受信はできます。JJYバンドを使います。
送信できるようにするためには、送信のドライブ段用のコイルを一本追加すればOK。この追加とわずか10カ所ほどの半田付けだけで、QRVできるようになります。

問題はコイルの調達だけだと思います。 こちらで大体の目安をつけて下さい。難しいことは言わず、適当なボビンに適当に巻けばOKですハイ。
ファイナルのタップは、14Mと7Mの間からとればOKです。これも目くじらをたてるほどのことはありません。 半田付けが難しければ、14M用のタップをそのまま使えばOK。それなりに動作します。

 
 

(2)1.9Mの追加

バンドスイッチにAUXがありますから、そこを利用して1.9Mを増設します。
<必要な部品>

·         局発用の水晶

·         発振調整用のトリマ

·         コイル3本

·         ファイナル同調用の高耐圧コンデンサ

·         同じく、大電流用のコンデンサ

·         同調用のコンデンサもろもろ

 

10Mの追加ができれば、これも何と言うことはありません。水晶はアルト電子さんとかにお願いして作ってもらえばOK。

 
 

(3)24Mの追加

アメリカから逆輸入した400/401には必ずと言っていいほどCBバンドが つけられています。もちろん送信もOKです。そこで、このコイルを利用して 24Mに出られるようにします。
<必要な部品>

·         局発用の水晶

局発さえ出れば、コイルはもとのCB用のものがそのまま使えます。FBです。 水晶は、やはりアルト電子さんとかに頼めば一発です。

 
 
 

(4)AMモードの追加

昔は、必要性の如何にかかわらずAMを追加して特徴を出そうとか思ったものですが、実際必要性はほぼ皆無。回路的には方法は色々あります。一番簡単なのは、7360のバランスを崩すこと。受信もさほど面倒ではありません。
むしろ面倒なのは、モード切替スイッチをどうするか、という現実的なことだと思います。

どうしても必要ならば、最終版のFTdx401か、アメリカ版FT401Bを利用するのが得策です。

 

(5)RFゲインつまみを、本当にRFゲインのみの制御にする

401のRFゲインつまみは、RFゲインとIFゲインを同時にコントロールするようになっています。これはこれで良いと思いますが、ノイズブランカのざわつきを抑えるため とか、夜間7Mなどでゲインを絞ってざわつきがおさまるようにしようとすると、音がとても小さくなってしまうと言った問題を生ずることがあります。これはIFアンプのゲインがRFゲインつまみでは変化しないようにすることで解決します。

(6)ハイバンドのプリアンプ

昔からよく言われていました。特に28Mにアンプを入れると効果が高いようです。
 

(7)パワーコントロール / (8)CWのサイドトーンの音量調整ができるようにする

AFゲインボリュームは、もともと2軸になっていて、可変抵抗がひとつ遊んでいます。これを使います。
このボリュームは、FTdx400の時代から 延々と 最終の401Bまで使用され続けているボリュームです。 FTdx400ではAFゲインとRFゲインなどに使い分けられていましたが、401などの機械では 2軸のVRのうちひとつを使用せず、都合の良いことにこれが余っているのです。
配線は回路図を眺めれば簡単です。この改造では、2重軸のつまみをいかに用意するかだけがポイントです。 FTdx400のような金属製レバーを作ることもできますし、後期101用のプラスチックのレバーを うまく入手する手もあると思います。

 

(9)VFOまわり

以上のような電気的なブラッシュアップ以外に、機械的なブラッシュアップが効果的な場所が一カ所あります。ギヤダイヤルです。八重洲のダイヤルは、どうもバックラッシュが大きいと感じます。特に、DX401などの ハイパワーのシリーズを7MのCWで一線で使うと、顕著に感じます。
これには共通の原因があります。ギヤダイヤルには3つのギヤがあり、3本の回転軸に支えられていますが、 このうち真ん中のギヤが完全に宙に浮いていて(残りの2つの軸は、それぞれボールベアリングとバリコンに つながっている)、軸受けにわずかなガタがあるのです。このため、回転に応じてこのガタが吸収されるまでの わずかな期間がバックラッシュになるのです(一般にダブルギヤの部分は安定に動作しているようですし、 ボールベアリングもバックラッシュはほとんど感じないと思います)。

 

写真左端のギヤはボールベアリングにつながるドライブシャフト。右端の大きなギヤはバリコンにつながっている。真ん中のギヤが、軸受けだけで支えられている。

 

新品状態でどうだったのか、今となっては知る由もありませんが、このギヤの軸受けの問題に起因するバックラッシュは低減することが可能です。適当なバネを使って、宙に浮いた軸が常に軸受けの一方向に 押しつけられるよう、一定のテンションをかけるのです。ホームセンター等で入手できるバネが利用できます。
うまく修繕できればバックラッシュはほとんど感じなくなり、ばっちり動くようになります。

 

10)フィルタの交換

貴重なフィルタはそれはそれでとっておくとして、「何となく、、、」といったレベルでも性能を出そうとすると少なくともXF3はダメです。そこで、ありふれたXF31Aへ交換することになります。 これらの2機種は、ふたさえ開ければそのまま中味の入れ替えで交換が可能です。XF3は、ビスを4本はずせば底をはずせますので、簡単に中を見ることができます。
101のXF32Aもそのまま使えます。これは8エレメントなので、大分具合が良くなります。
XF31Aの筐体に32Aを入れられればいいのですが、31Aは開封が用意ではありません。


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