利尻・礼文の旅
六月初め、羽田空港から稚内空港へ。稚内からはフェリーに1時間40分程乗った。
利尻島に近づくに連れて、遠くに見えていた利尻山がだんだん大きく見えてくる。
荷物を宿泊するペンションへ置き、近くのペシ岬展望台へ登った。
足元は岩と土とで、所々急斜面もあり、ゆっくり踏みしめるように一歩一歩に力が入る。
手すりにも掴まった。展望台からは、夕方で暗くなりかけていたが
青い海と、緑の中に白い小さな花が見えた。こんなに海に近くても、緑が多く
植物が生息している景色を見ることができた。長袖シャツにウィンドブレーカーを
1枚着て歩いて、丁度良い気温だ。ペンションへ戻り、廊下のベランダへ出ると
夕日が海面に映って、とても美しかった。
翌日、午前中の観光バスに乗って、利尻島を1周した。
利尻山をいろんな角度から見ることができる。姫沼に映る利尻富士もまた、きれいだった。
少しだけ雪をかぶっている。海を左に、利尻山を右にしてバスは進んで行く。
少し曇っていたのが残念であった。オタトマリ沼では、遅咲きの桜が咲いていた。
その日の午後、フェリーで40分位で礼文島に着いた。
民宿の方に乗り場まで迎えに来てもらい、散策コースの入口まで案内してもらった。
荷物を預け、桃岩展望台コースを歩いた。距離はそれほどないと思うが
アップダウンがあるため、しばらくすると足が痛くなってきた。
日頃の運動不足がたたっている。休み休み進んでいく。緑で覆われている中に
レブンソウが見えた。紫色で、パンフレットに載っていたので分かった。
黄色いレブンキンバイソウもある。上の方に出ると、遠くに利尻富士が見えた。
海が見え、緑が豊富で、高山植物がたくさんある場所に来るのは初めてだ。
長袖シャツ1枚で歩き続けた。民宿の方から聞いていた場所を見つけ
ロープで仕切られた道を歩いていくと、お花畑が広がっていた。
自然なままの姿なので、植物によっては枯れているものもあるが
この時期に咲く花達は風に揺られながら、笑って迎えてくれているようだった。
民宿で午後7時15分くらいに夕日が沈むのが見えることを聞いていたので
少し前に海岸まで行ってみた。まん丸のオレンジ色の太陽が、海に光を放っている。
水平線に沈むのを見たかったのだが、雲があったので
雲を赤く染めながら、夕日は見えなくなっていった。
その次の日、バスを降りた場所で、レブンアツモリソウと出会った。
数は少ないが、風が吹く中、しっかりと咲いていた。ふっくらとして、かわいらしい。
それから4時間コースを歩くのが大変だった。昨日同様、アップダウンは勿論だが
強風にとばされそうにもなった。向かい風では、なかなか進まない。
海沿いの道は風も冷たく、ウィンドブレーカーははおっていたが
途中で下にトレーナーも着たほどだった。それだけの思いをして
歩いただけのことはあって、入り江の崖の上のお花畑を見ることが出来たり
青い海と緑の美しい場所を見ることが出来た。スコトン岬までの4時間コースは
大変な道のりだったが、それだけの思いをするだけの価値はあった。
北海道は好きなので、何度か旅行したことがあり、人によって作られた
広い敷地に咲くラベンダーやひまわりもきれいだったが
今回見てきた植物達は、自然なありのままの姿だった。
植物群落が年々減少しているそうだが、この自然を大切にしていってほしい。
一ヶ月違うだけでも咲いている花が違うそうなので、また違う時期に訪れたい。