【0026】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : Re: [q-discussion:0014] Re: 討議-本人確認の相違、NAMとQ 差出人 : 797b5046 送信日時 : 2001/11/15 19:57 -------------------------------------------------------------------------------- 関本洋司です。本人であることを確認いたします。 よろしくお願いします。-- Yoji SEKIMOTO 797b5046@... 【0028】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : 討議-本人確認の相違、NAMとQ 4 差出人 : Sugihara Masahiro 杉原正浩 送信日時 : 2001/11/15 22:04 -------------------------------------------------------------------------------- 事務局の杉原です。 えーと、私の文章が誤解を招いたようで、お名前を表明されるかたが三人 も続いてしまいました↓(しかしなぜこのスレッドのみ??)。 Subject: [q-discussion:0004] 討議-本人確認の相違、NAMとQ > このメールは表題の内容に関係する討議のための親メールです。 > > 表題の件について討議を希望するかたは、本メールに「返信」することで > 投稿メールを作成していただけますようお願いいたします。 この文章の意味は、「本人確認の相違、NAMとQ」について討議してくださ い、その場合はこのメールに「返信」するかたちで草稿を用意してくださ い、そうすれば一連の討議がずらっとスレッドに連なっていくので後で参 照するとき便利ですよ、ということを意図したものでした(↓以下参照)。 Subject: [q-discussion:0003] 開始-Q全体会議 > 4)討議のもとになるスレッドをいくつか流します。もし発言するさい適切 > なスレッドが見つかれば、そこにメールを流してください。適切なスレッ > ドが見付からなければ、自分で適当な表題(Subject:)を考案して投稿して > ください。なお、スレッドとは何ぞや、というかたは、以下のwebサイト > をご覧ください(sledはthreadの間違いです)。このサイトを見てもよくわ > からないと思われるかたは、適当に質問を投げていただけたら誰か返答し > てくださると思いますので、決して臆されぬよう。 > > http://www.nam21.org/~pcliteracy/mail/sled.html そしてこのスレッドの元メールでは、「NAMとQとでは本人確認の度合や形 態がまったく異なる、その点について討議していただいたらどうか」とい う提案をしたつもりでしたが、私の舌足らずでいらぬ誤解を招いたようで す。申しわけございませんでした。 ここで念のためにさらに敷衍しておきます。 NAMにおいては入会時に会員の審査というプロセスが存在しませんから、 他人になりすますことも可能だし複数の会員としてふるまうこともできな くはありません。これを「自由」と呼ぶかどうかは判断がわかれると思い ますが、Qにおいては本人確認書類を偽造しないかぎりそのような「自由」 を得ることはできません。 つまりQをNAMにおいて義務化すると、間接的にではありますが上記の「自 由」をNAMが認めないことになります。 また、国家が発行する本人確認書類をQにおいて要求されることに納得い かないかたもいらっしゃるかもしれません。 しかし私の考えでは、少なくともインターネットに接続できる環境にある NAM会員はインターネットサーヴィスプロバイダと契約しているのですか ら、その契約時には何らかの資本や国家による本人確認を承諾しているわ けです。つまり、現行のNAMの『原理』はこのような本人確認プロセスの 存在を暗に認めているということになります。それゆえ、Qにおいて「た だ乗り」・なりすましを防ぐために国家による本人確認書類を要求するこ とは、NAMに比しても著しく不当なことだとは思いません。 私は、以上の点に関連する問題をこのスレッドで討議していただきたいと 考えていました。おそれながら今後はこの方向で討議をよろしくお願いい たします。 Sugihara Masahiro 杉原正浩 lutsch@... 【0141】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : 討議:Qへの一律参加について11 差出人 : "krtn" 送信日時 : 2001/11/26 22:29 -------------------------------------------------------------------------------- 柄谷行人です。 この秋体調不良のため、適確な応答ができませんでした。この間に、まったく誤解に 満ちた議論が広がっているので、以下の文において、訂正します。 また、NAM全員に届く、このメールにおいて、NAMが今どういう段階にあるのかを示 し、そこで、個々の会員が何をなすべきかを訴えたいと思います。このメール自体 は、私の個人的見解です。 ?  NAM会員がQに入ること(義務化)は、センター評議会で決定されています。そして、 その方向で、会員一般にそれを知らせると同時に、それに関するさまざまな疑問、具 体的・個別的な困難などに対処するように、Q全体会議を開きました。Qの義務化の方 向でなら、どんな批判でも歓迎されます。ところが、この会議で、Qの義務化に根本 的に反対する意見がわずかながらあり、そのために遠慮し後退する発言が出てきたの ですが、全関心系・地域系その他の代表・責任者からなるセンター評議会でなされ た、この決定が、Q全体会議でくつがえされることはけっしてありません。Q全体会議 はそのようなことを論じるための会議ではないので、今後にそのような発言があれ ば、無視してください。また、それがしつこく続くようなら、MLから除きます。 ?  NAMの原理を改訂するには、全員による審議と再契約が必要ですが、具体的な「現在 の形態」に関しては、代表・責任者の集まりであるセンター評議会で決めればいい、 ということになっています。今回のQ義務化は、NAM原理の実行であって、マイナーな 改正にすぎません。プログラムには、LETSを軸とするという規定があり、組織原則に は、内部での労働に対してLETSで支払うという規定があります。これらは、LETSがで きあがっていない段階では不可能だという理由で、いままで実行されなかった。Qが 出来た現在、それを実行するのは当然です。 もちろん、QはNAMが開発した、LETSの一形態でしかありません。しかし、Q以外の LETSもありうるから、Qに限定するのは認めない、とか、多重所属の原理に反すると いうような屁理屈をいうべきではない。それは、今後に実現できることです。今は実 行できない。ところが、今、NAMが開発したQで出発しなければ、Multi-LETSなどは永 遠に出来ません。NAMのプログラムがあるかぎり、現状がどうであろうと、将来にお いて必ず、multi-LETSを実行できる。われわれは今まで、すべてにおいて、そうやっ てきました。まだ実行していないことも、必ず実行する。 ? このままいけば、NAMの組織は、自己犠牲をしすぎた人と、していない人との階級分 裂になる。自己犠牲をしている人(執行部)は、その仕事に関して文句ばかりいわれ ると面白くないだろうし、していない人は執行部が全部事を進めていると思うように なる。ある意味で、創設当初におこったNAMの中の対立も、これと関連しています。 しかし、むしろこの経験から、NAMの組織原則5条が作られているのです。もしNAMで の労働に対してQで支払うということができないならば、NAMはまもなく崩壊するか、 変質するでしょう。Qの義務化がなければ、NAMは崩壊するか、ありふれた市民的組織 のようなものになることはまちがない。 NAMにおけるQの義務化とは、NAMの中での通貨をQとするということです。今後、NAM の中でのさまざまなサーヴィス、労働(当然、海外の会員、あるいは非会員の協力者 の翻訳労働もふくまれる)を、「無償の行為」としないということです。NAMの中の 活動は、このことによって、倫理―経済的なものになる。他方、Qによる会費支払い は、全員に、NAMへのコミットメントを強めるものです。Qを獲得するために、何かを しなければならないから。 ?  Qの義務化を前提にして、さまざまな工夫をするのはよいと思います。たとえば、Q 加入に際して、NAMで身元保証をするとか。さまざまな便宜をはかることは可能で す。ペンネームに関してもそうです。さしあたり、私は、Qに加入しない人は、会費 増加分を円で払ってもよいと考えます。しかし、そう考えるのは、Qに(身元証明な ど)欠陥がある、とかいうことではなくて、そもそも技術的にQでやることが出来な い人が多いと思うからです。たとえば、「新NAMの原理」に関する全会員の投票率 は、実に低かった。 私は、NAMにおける投票(特にプログラム改訂にかんして)は事実上「義務」だと考 えます。にもかかわらず、一般にそう考えられていない。投票率が低い理由は、第一 に、この投票が契約だということ(したがって権利と義務が発生する)ということを 理解していない人たちが多い、つまり、NAMがわかっていない人が多い、ということ です。しかし、第二に、技術的に何が何だかわからない、人にも聞けない、というよ うな人がかなりいるということです。 古代アテネで「民会」に出席することが「市民」の義務であったように、戦後のイタ リヤやオランダでは、総選挙投票は「権利」ではなく「義務」になっています。それ は彼らの民主政が二度と脅かされないようにためです。もっとも、アテネでは、義務 であるにもかかわらず、民会に来る人にお金を払った。彼らは何とかして民主政をま もろうとしたわけです。市民たちの自由に任せておけば、民会は成立しない。(私 は、その意味で、遠方から全国大会にやってくる会員には、Qで支払っていい、と考 えています。)だから、義務ということと、そのことを助ける、育てる、ということ は矛盾しません。 ?  円で払ってもいいというのは、Qの登録から使用まで、技術的に何もできないような 人が多いからですが、これをそのままにしてはならないし、任意の選択にしてはなら ない。時間がかかるとしても、Q加入をすすめて行くべきです。われわれは、創生期 に、会員がコンピュータを用いるということを「要請」しました。この要請はほとん ど義務です。だから、実は当時も、一部から強い反対があったのです。Qに加入する というのは、それよりも強い「要請」です。そもそも、この要請はそれ自体、コン ピュータを用いることを強いるものです。この要請は、LETSを軸にするというNAMの プログラムにもとづいてQを拡大することが、NAM会員の果たすべき「義務」から来る ものです。では、この義務はどこから来るのか。各人の「契約」から来るのです。 これは国民の義務というようなものとは違います。誰でも、それがいやなら、やめる ことができるからです。他方、そのような義務を認めない人は契約解除されるべきで す。NAM原理を認めない人、あるいはそれを勝手に解釈している人が、NAMに留まる理 由はない。しかし、実際は、そんな人などほんのわずかです。Qに関していえば、大 多数は、どうしていいかよくわからない人たちです。そういう人たちのQ&Aのため に、全体会議を開いた。だから、それをもっと、わかりやすくやる必要があります。 とはいえ、この会議で、つまらぬ反対が出てきたら、無視して、生産的な議論に進ん でもらいたい。 ? NAMの中での議論は、経済的・精神・身体的に恵まれない人、国家的制度の外にある 人を持ち出すことが多いのですが、それをいかに考えていても、実行においては、理 念的課題としてとどめるべきです。たとえば、Qの場合、ホームレスが参加できるよ うにすべきだとしても、現在、電子的にやるのは不可能であるだけではなく、一定の 規模の市場が出来ていなければ、彼らが入るメリットがありません。ところが、その ような理想的な状態を最初から求めて、Qの始動に反対していれば、一定の規模の自 律的な市場がいつまでもできません。一定の規模の市場は、いわば「普通の人たち」 が作るものです。しかし、Qは、他の地域通貨と違って、そのままで終らない。そこ では、「理念」が働く。そして、それが可能なのは、NAMのメンバーがQに参加してい るからです。理念がしっかりしているならば、実行においては、可能なことからはじ めるべきです。NAMは初めからそうでした。理念を漸進的に実現すること。それは理 念を決して放棄しないこと、一方、(高い理念を掲げる結果として)実行を放棄した りしない、ということです。 ? Qの技術的な問題に関しては、どんなに不満があっても、急がないでほしい。Qは、Q プロジェクト全体の協業によって作られた。しかし、実質的に、穂積一平氏なしには できないし、今後も時間がかかります。さまざまな改良案があっても、それをプログ ラムにいれていくには、時間がかかる。ゆえに、そのことで性急であってはならな い。不備は、われわれの妥協と工夫で埋め合わせていくほかないのです。つまり、新 たなプログラミングを必要とするような解決を要求すべきではない。 そもそも、穂積氏らの「労働」は大変なものです。これに対してたんに「感謝」です ますということは、NAMの原理に反します。それなら、NAMはQをどこから獲得するの か。会費以外からはありえない。つまり、Qの義務化がなければ、Qの改良や発展が不 可能なのです。センター評議会は、ゆえに、Qに対する様々な注文よりも、Qの義務化 が先行しなければならない、という決定をしたのです。したがって、Qの登録や使用 に関する様々な注文・批評は、Qの義務化を前提していなければならない。そうでな い類の批判は問題外です。 ? 最近、今まで熱心に活動してきたのに病気でできなくなったからNAMをやめるという 人がいました。そういう人も含めて、NAMは尊重し支援したいが、自分は何もできな い、Qもできない、と思う人たちが多い。「義務」だとかいわれると、腹が立つより も、申しわけなく思う人が多い。では、そういう人たちはNAMを辞めなければならな いのか。そんなことはありません。その人たちは、「賛助会員」になればいいので す。賛助会員は、ただ、情報を得たり発言したりすることであれば、会員とさほど違 いません。しかし、決定の「権利」がなく、Q加入のような「義務」がない。NAMの会 員のかなりは、実のところ、賛助会員がふさわしいのです。会員勧誘にあたっては、 そのこともいう必要があります。したがって、どうしてもQに加入したくないという 人は、賛助会員にまわっていただく。特に、NAMに入っていることがわかると困ると いうような人は、賛助会員にまわってもらいたい。 ? かつて新会員の中で、NAMは「資本と国家への対抗」などと唱えているから、物騒 で、ダサイ、これでは左翼しか入ってこない、などと文句をいう人がいました。(で は、なぜその人が入っているのか?)しかし、私はNAMの運動は、左翼の運動だと 思っています。200年の左翼の歴史を総括したものだ、と。これは、MLのサークル ではありませんし、情報サーヴィス機関でもありません。会費一万円をはらったのだ から、何でも文句をいう「権利」があると思っているような人は、どうかしている。 NAMに入っていることが知られると困るという人も、理解できません。NAMは革命運動 の組織である。とはいえ、NAMは人に知られて困るようなことは何一つしていない し、今後もしない。だから、別に「隠す」ものもありません。しかし、そう思う人が いるならば、NAMを変えるより、NAMをやめたほうがいいのです。むろん、身元を隠す 特別の理由があるなら、事務局はそれを配慮します。 ?  NAMの今後に関して、労働の不平等のほかに、発言の不平等という問題がありま す。後者はMLの会議に固有の問題かもしれません。通常は、会議において、くだらな いことばかりいう人、自分が賢いことを示そうとして愚かなことをいう人は、みんな から顰蹙を買い、最終的に発言を封じられる。しかし、MLではそれができない。で、 どうなるかというと、逆に、ちゃんとした見識のある人が黙ってしまうのです。その 結果、ろくでもない議論が雄弁に語られ、まともな議論がへってしまう。 かつて「NAMはuniversityだ」と柄谷はいったが、最近のMLはひどい、バカなくせに 威張って自己表現したがる奴らがいて、しかも、少しでも反論したらしつこく噛み付 いてきそうで、何も書く気がしない、のみならず、読む気もしないーーという人たち がいます。私の知るだけでも、かなりの数の人たちです。私もそれを認めざるをえな い。反戦の全体会議でもそうですが、このQ全体会議も、わざわざ全会員が討議する という機会を与えたのに、それをぶち壊す人が出てくる。では、どうすればよいか。 全体会議を閉じるべきか。 ?1 わずか一人や二人のために、全体会議を閉じるべきではないでしょう。簡単なのは、 そのような人たちをMLから除くことです。(その措置に不満があれば、監査委員会に 行けばよい)。このやり方に関して、監査委員会が新たな規約を作っているところで すが、現行のやり方では、緊急の場合、NAM代表・事務局長の判断で、実行すること ができます。そして、私は、Q義務化に反対する意見を述べる者を、私の判断で、リ ストから除くことを、ここに宣言します。 ?? だが、理由が何であれ、もともと、一度もNAMの会合その他に参加せず、一度も発言 していないような人たちよ。君たちには、発言する「義務」がある。なぜなら、君た ちは、NAMと契約したのだから。ある意味で、NAMは、2000年12月に比すべき危 機的な状態にあります。それは、NAMがQ実行とともに、新たな段階に移行することか ら来る必然です。議論から実行へ。倫理から経済へ。NAMの運動はむしろ、これから 始まる。だから、全会員に、初心に戻って、各人の義務を確認してもらいたい。 【0151】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : 穂積さんの件 差出人 : "krtn" 送信日時 : 2001/11/27 09:01 -------------------------------------------------------------------------------- 柄谷行人です。 windsの開発者、穂積さんのメール(Qプロジェクト)を転送させていただきます。彼 の決断に対して、私は返すべき言葉がありません。また、個人的に慰留すべきことで もないでしょう。だから、皆さんに知らせます。 このように素晴らしい人を辞めさせてしまう、NAMとは何なのか。私は怒りを覚えま す。 このようなことを放置していいのか。会員の皆さん、黙っていていいのか。一言でも いってほしい。 何もしないで、MLを自己顕示の場(実は、自己を貶めているだけだということも知ら ない)として振舞う連中を守ることと、穂積さんのような人がNAMに留まることの、 どちらが重要か。どちらが民主的か。 穂積さんの辞任をこのまま放置するようなら、私にも覚悟があります。 -----Original Message----- From: ippei hozumi [mailto:ipfr_cat@...] Sent: Monday, November 26, 2001 9:39 PM To: Q-project@... Subject: Re: [Q-project] 全−討議−本人確認3 ほづみです。 > 宮地です。 > > 時間が余りありませんので、手短にレスします。 > > > > 私は,すでにNAM会員であることを知られたくないので,実名取引したくない個 人 > に > > は,ペンネームの使用を認めたらどうかという提案をしました。ペンネームを多 く > の > > 会員に認めることは弊害もあります。しかし,これによってかりにNAMのQ義務化 が > 実 > > 現するならば,これを認めてもいいのではないかという意味です。せっつさんは 賛 > 成 > > されました。ほずみさん,宮地さんははっきりとはおっしゃっていませんが,反 対 > と > > いうことでしょうか。他のメンバーはどう考えていますか。忌憚のない意見をお 願 > い > > します。 > > ぼくは基本的には、NAM会員という理由で、特別な処置をとることには反対で す。 > 西部さんも言われているように、QにとってはNAMも他の団体も区別が付けられ ま > せん。ぼくはQはもっと一般的な経済システムとしてのルールを遵守すべきだと思 い > ます。なぜなら、Qには、産業連関にまで侵食していくことで円を食い破り、貨幣 の > 資本への転化を防ぐ意図が明瞭にあるからです。NAM内部に流通させるためのみ > に、Qがあるわけではありません。 > > しかし基本的には反対ということで、交渉事には調整がつき物ですから、みなさん が > OKといわれるなら、その決定には従います。 > ぼくも反対です。ペンネームが項目として付け加えられたのは、著 述業をするひととか、そのほかメディアである程度一般的にその名 称が通用していて、その名称に責任をもてるひとを対象に、実名を 利用する不便さを回避するのが目的でした。 ぼくは個人的にはうえのようなケースであってもQでペンネームそ のものを実装するのに抵抗がありましたが、まあ、妥協したという ところです。 セキュリティやプライバシーについて、議論になっているのかもし れません。Winds_qがそのようなものに十分な配慮をしていないと いう意見があるのかもしれません。 しかし、ここ半年以上にわたるQプロでの活動や開発者の募集等々 を、ぼくはオープンにやってきたつもりだし、だれが入ってはダメ だという議論をしたつもりはありません。 これらが十分に討議されなかったのは、Winds_qの設計・開発者の 不注意でもなければ能力不足でもありません。ただただ、だれも協 力しなかった、という厳然たる事実があるだけです。 Qの規約にはNAMを特別な団体として扱う、ということは書かれ ていないはずです。Q管理運営委員会以外の団体をすべて一般団体 として実装するというのは、当初から疑問の余地のないぼくの発想 でもありました。 Qは自ら労力を絞って作り上げてきた規約にそって活動を開始すべ きです。宮地さんが言われるように、NAM内部で流通させるため にのみ、Qを作ったのではないはずです。 したがって、ぼくはペンネームを厳格に審査するというQプロでの 当初の原則を強く主張します。 ペンネームを過度に認めることの危険性について書いておきます。 ぼくはWinds_q以外にもペンネームで運用されるLETSシステムが存 在してはいけない、というふうには思っていません。そういうWEB 上のシステムがあってもかまわないでしょう。 しかし、いま作りつつあるQのシステムでは、これを過剰に認める のは危険だと思います。規約も含めたQのシステムは、いまこれか ら動かそうというところです。そのために必要なのは、一般的な信 頼性です。Qに興味を持って覗いてみようというひとたちが、2チ ャンネルや多くの趣味や興味のMLでのように、ペンネームが氾濫 していたら、どう思うでしょうか。ペンネームの多用は、Qを閉じ たコミュニティにして、仲間内の仲良しクラブにしかねません。 Qの規約はそのような閉鎖性を排除するためにこそ作られているも のです。もし、そうでないなら、なんであんなややこしい規約なん かが必要になるのか、ぼくにはわかりません。なんとなく、「みん なよってらっしゃい」と声をかけて、「おい、ペンネームでもいい んだよ。さあさあ、仲間うちの会合だからさあ」「どうせ、だれが なにやってるかわからないんだよ、匿名性だからね」なんて言い合 いをしている姿には背筋が寒くなるだけです。 もちろん、切実な理由からペンネームを希望するひともいるでしょ う。だからこそ、再度言いますが、当初のQプロの議論でのように ペンネームの利用は厳密な審査をするべきです。事情を斟酌する必 要がある場合には、そのひとがNAMに入っているからというよう な理由ではなく、個別に、あくまで個人としてその切実さを勘案す べきものだと思います。 個人的な追記。 すこし私的なことを述べます。 この11月のNAM会員の更新にあたって、ぼくはまだ会費を納入 していません。このまま会費を納入するつもりもありません。した がって、11月末でぼくはNAM会員ではなくなります。このML へのメールもこれが最後になるかもしれません。(JCAFEで一般討 議のためのMLを立ててください。12月になれば、ぼくはNAM のすべてのMLからはずれます。とくに許可をもらっているのは除 いて) いろいろ理由はありますが、最大のものは、設計・開発段階でセキ ュリティについてもプライバシーについてもいつでも提言や提案が できるにもかかわらず、あとになって、いろいろ立派なご意見を伺 うのは、もうたくさんだ、と思っています。それなら、いちユーザ ーとしてWinds_qが不十分だから、Qには参加しないという意志表 示をしてもらえれば十分です。 NAMでやっているかぎり、こういった討議・議論・意見・おせっ かいはとどまるところを知らないでしょう。これはぼくの精神衛生 上非常に悪いし、やってられないという感じです。 いま現にぼくはほとんどのMLをはずしてもらっています。全体会 議でなにが討議されているのかも知りません。この1ヶ月ほど、ぼ くもずっと迷っていました。Qプロに参加したのも、やはりNAM という契機があったからには違いないからです。しかし、イイカゲ ンうんざりしているというぼくの個人的な鬱積はどうしようもあり ません。 Winds_qについては、今後もたとえぼくひとりの状態が続いたとし ても開発を継続します。ペンネームなどの名称の扱いやセキュリテ ィ、プライバシーについても、NAMでの討議を待つまでもなく、 やっていく自信がありますし、おおまかな考えも持っています。Q プロジェクトそのものが構成メンバー全員の総意のうえでどのよう なスタンスをとろうとも、ぼくはそれに従いますが、ことシステム については、ぼくは自分の意見を主張します。 以上です。 穂積一平 ipfr_cat@... http://home.interlink.or.jp/~ipfr_cat/ -------------------------- eGroups Sponsor -------------------------~--> 今まで無かった無料英語学習サービス★ハングリーフォーワーズ★ http://us.click.yahoo.com/EnKtyA/DvQDAA/iNOFAA/EWDhfB/TM ---------------------------------------------------------------------~-> Help URL : http://help.egroups.co.jp/ Group URL : http://www.egroups.co.jp/group/Q-project/ Group Owner: mailto:Q-project-owner@... 》-----Original Message----- 》From: post-q-discussion@freeml.com [mailto:post-q-discussion@freeml.com] 》On Behalf Of Asawa Ta 》Sent: Tuesday, November 27, 2001 6:34 AM 》To: q-discussion@freeml.com 》Subject: [q-discussion:0148] Re: Qにかんする一般的な質問と返答 》 》 》浅輪です。 》 》 》> 》>九州/環境/非学生 前田と申します。 》> 》>デモ版Winds_q の登録について質問いたします。 》> 》>当方、数日前に登録を済ませました。現在、IDの発行を待っております。しか 》し、 》>まだそれらしいご連絡(※1)をいただけていないようです。私の登録に不備が 》あっ 》>たのでしょうか? 》> 》 》私の場合は半日後ぐらいに私のメールに送られてきました。 》何か登録に不備があったのかもしれませんね。もういちど、試されたら。 》ちなみに以下のようなメールが届きました。(マイナス個人情報) 》 》ーーーー 》winds_qdemo から登録内容確認のお知らせです。 》-------------------------------------- 》1)このシステムはWinds_qデモ版です。 》2)実際の取引には利用しないでください。 》3)Winds_qのための練習・参考としてご利用ください。 》4)Q管理運営委員会は、いっさいのトラブル等に対処 》 いたしません。 》5)また、システムは必要に応じて初期化する場合が 》 あります。その場合、データはすべて抹消されます。 》6)下の「ID」とあなたが登録されたパスワードでログインできます。 》-------------------------------------- 》内容 》登録番号: 》ID: 》姓: 浅輪 》名: 剛博 》フリガナ: アサワ タカヒロ 》ニックネーム: asawataka 》ペンネーム: なし 》タイプ: 個人 》郵便番号: 》国: アメリカ合衆国 》都道府県: 海外 》市町村: 》番地: 》メールアドレス: 》URL: 》電話番号: 》ファックス: 》生年月日: 》登録日: 》 》 》------------------------------------ 》Q管理運営委員会 》登記人 : info@... 》URL : http://www.q-project.org/ 》------------------------------------ 》; 》 》 》 》_________________________________________________________________ 》かわいい & 使えるブラウザで、インターネット生活もっと楽しくなる! 》http://explorer.msn.co.jp/ 》 》 》 》--[PR]------------------------------------------------------------------ 》【FreeMLからのお知らせ】 》 ユーザー登録すると、MyPageっていうとっても便利なページが使えるように 》 なります。 》 例えば、MLの過去ログが見られたり、アドレス変更も簡単に行えます。 》         http://www.freeml.com/reg_member1.php 》------------------------------------------------------------------[PR]-- 》 Global Media Online www.gmo.jp 》 》 【0154】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : Re: [q-discussion:0153] 穂積さんの件(お願い) 差出人 : "Tadashi Settsu" 送信日時 : 2001/11/27 12:13 -------------------------------------------------------------------------------- せっつです。 穂積さんのことについて 開発者のかたには具体的な思想があるのではないでしょうか。ぼくはプログラミング 言語を知らないので予想でものをいっているのですが、思想をせっかく形にした段階 で、後になって、実現不可能な無理難題を出してくるーーこれでは気持ちが萎える のもあたりまえではないでしょうか。 具体的にいえば、Multi-LETSなどです。Multi-LETSを自分でやるといわれている 方々は、ご自分でコーディングから規約書きまでなさるおつもりなんでしょうか? それとも、<<誰かがやってくるはずだしやるべきだ、なぜなら理念的にはそう あるべきなんだから、ぜったいそうでナケレバナラナイ!>>とお考えなんで しょうか? 開発者(プログラマ)でない僕らが開発やコーディングができないということそれ 自体は仕方のないことだと思うのですが…。あまり無理難題を、しかもソフトが 出来た後の段階になって言い出すというのは、いかがなものでしょうか。 Windsとは別のソフトを自分で開発するのだ!というひとがいうなら説得力が あるかもしれませんが、Multi-LETSをやるとおっしゃっていた方々のなかには、 失礼ながら、コーディングなどができそうなかたはいらっしゃいませんでした。 とすると、そのようなひとたちの注文に答えるために、今後何年間もQプロジェクト が無償労働を続けなければいけないということなのでしょうか? 一般に、理念と現実を短絡させる「高踏的な」議論が多いのに個人的には苛立ち ます。他人の気持ちはわかりませんが、穂積さんもそう感じておられるのかも。 それと、人間や人間の集まり(プロジェクトなど)の時間的・体力的・資金的な 有限性を全然顧慮しない議論が多いと思います。なんでもかんでも具備できれば、 あらゆる少数者に配慮し、プライバシーも守られ、多元所属もバッチリだ、という ようなonline-LETSになれば、それは素晴らしいでしょう。でも、そのための労力は どうなるのでしょうか? 理念的に素晴らしいから誰かがやらなければいけない のですか? なぜですか? 僕も穂積さんにNAMに留まっていただきたいですが、言葉だけの慰留を しても…と思います。なんらかのかたちで、穂積さんの労力に倫理的にのみ ならず経済的に酬いることのできるシステムを導入することが第一歩だと 思います。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~    攝津 正   Settsu Tadashi   ジェンダー/セクシュアリティ  福祉  教育  東京   非学生 aaf77610@... ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【0156】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : Re: 穂積さんの件(お願い) 差出人 : "Takumi Taguchi" 送信日時 : 2001/11/27 12:43 -------------------------------------------------------------------------------- 田口卓臣です。 このMLで回答者になるべき僕が、質問し始めてしまったことが、事の原因だったの ではないかと、罪責感にさいなまれています。途中から、いつの間にか激しい雰囲気 にどんどん発展していくのを、茫然と見ているだけでした。本当にもうしわけないで す。 摂津さんの以下のご意見に賛成です。 > 僕も穂積さんにNAMに留まっていただきたいですが、言葉だけの慰留を > しても…と思います。なんらかのかたちで、穂積さんの労力に倫理的にのみ > ならず経済的に酬いることのできるシステムを導入することが第一歩だと > 思います。 ただ、いまのナムに、Qというツールに見合うだけの「経済的」な感謝ができるのか どうか・・・。これまでQプロで役立たずのままきてしまった僕としては、今後のQ プロにおける自分の労働を通して、感謝の気持ちをお伝えしようと思っていました。 それを実践し始めていた時に、このような残念なことが相次ぎ、このMLを混乱に陥 れたひとりとして、大変、すまない気持ちでいっぱいです。もし必要との判断がくだ された場合、監査委員会で裁かれることにも従います。 柄谷さん、福井さんにお願いです。 おふたりにリコール要求をするひとなど誰もいません。 どうか思いとどまっていただけませんか。 【0192】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : 12/2 Q-イベントのテーマ曲 差出人 : "mamoru hiruta" 送信日時 : 2001/11/28 10:59 -------------------------------------------------------------------------------- 蛭田です。 関本さんが作詞作曲してくれた、 「12/2 Q-イベントのテーマ曲」を紹介させていただきます。    あわてるなゆっくりやるんだ   ものごとはだんだん良くなってゆく  あわてるなゆっくりやるんだ   一年前を考えても見ろよ  あわてるなゆっくりやるんだ   プライバシーなんて持ったこともないし  あわてるなゆっくりやるんだ   プライバシーなんて持ちたくもないが  あわてるなゆっくりやるんだ   倫理と経済を両立させるんだ  あわてるなゆっくりやるんだ   くじ引きはまだ始まっちゃいない  あわてるなじっくりやるんだ   スローフードならスローに食べればいいさ  あわてるなじっくりやるんだ   顔の見える取引を始めればいいさ  あわてるなじっくりやるんだ   ネットをつないでベッドに寝転んで  あわてるなじっくりやるんだ   僕らはまだ出会ってさえいない  あわてるなクールにやるんだ   ギターだってだんだんうまくなって行く  あわてるなクールにやるんだ   歌だってちょっとはましになって行く  あわだったビールでも飲んで   君はホットのコーヒーを飲んで  あわてるなクールにやるんだ   僕らはまだ出会ってさえいない                     出会ってさえいない       出会ってさえいない                 --              Yoji SEKIMOTO    797b5046@... 【0196】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : Re: 穂積さんの件 差出人 : Sugihara Masahiro 杉原正浩 送信日時 : 2001/11/28 21:37 -------------------------------------------------------------------------------- 京都の杉原正浩です。 このスレッドにおいては、たんなる個人会員として発言することが求めら れていると思いますので、以下、失礼ながらセンター事務局長の資格を離 れて、個人的な意見を述べさせていただきます(なお、以下においては、 たとえ引用のかたちをとっていてもすべての文章の責任は私にあります)。 じつは、q-discussionが開始されるよりも以前に、ほづみさんは私あての 私信にて、もう精神衛生上よくないからNAMを退会したい、とおっしゃっ ていました。 私はそれゆえ、このMLにおいてWinds_qデモ版に触りもせずにあれこれと 一般的な議論を展開なさるかたに、かなりうんざりして、あのように批判 的な言辞を述べさせていただいたという次第です。この場を借りてあくま で一個人として言わせていただければ、ふざけるな、という感じです。 なお、ほづみさんが退会されたいと思われたのは、柄谷さんが [q-discussion:0151]にて引用なさっていたメールに表明されている理由 のみによるのではなく、NAMが総体としてソフトウェア関連のシステム開 発にかんして「無策」であるから、という主旨だったように思います。 この「無策」にはいくつかのレヴェルがあるように思われます。 その一つは、(一部の)NAM会員の非生産的な態度と、それを放置しておく NAMの「無策」です。ほづみさんのメールにありましたとおり、ほっとけ ば誰か(ほづみさん)がやるだろう、程度の考えでコンピューターをろくに 知りもしないひとが勝手な提案や批判をして、そのくせそのようなひとは、 プログラミング以外の点で積極的に開発に貢献しようとすることもない。 このようなネガティヴな態度は、このMLにおいてもプライバシーや Multi-LETS関連の発言に典型的にあらわれていたように思います。(あげ くの果てには、NAMが諸個人の自由なアソシエーションであることをまっ たく理解しておらず、円会費を払った当然の対価としてサーヴィスを受け る権利があるなどとおっしゃる自称「会員」さえいる始末です。私はこん なかたを「会員」と呼ぶのは間違っていると思います。『原理』の理解う んぬん以前の問題です。) 二つめに、コンピューターシステム開発というNAMにとって基幹的な特殊 な生産領域について、NAMが何ら有効な作業環境を構築してこなかったと いう点にかかわる「無策」があるように思います。私見では、これは若干 は『原理』にその原因を求めることが可能なように思われます。現在、 NAMにおいては、いずれNAMの外に出る超出的プロジェクトは、NAM総体と しての組織的なサポートを受けることが可能だとは一般には理解されてい ません。 NAMにおいて、各プロジェクトに組織的な援助をしないという態度が一般 に確認されるのであれば、それは確かに、NAMの外における具体的な諸実 践が会員おのおのの自発的な行為によるものだとすることで、NAM外にお けるそれらの実践にともなう様々な帰結(妥協、失敗、混乱、等々)が『原 理』を侵すのを防ぐのに有効ではあります。しかしそのような態度は、コ ンピューターシステム開発のように、NAM内における限られた(人的)「資 源」を可能なかぎり適切な形態で分業・協業のもとに置くことが強く要求 されるであろう生産領域においては、そのような諸関心系や諸プロジェク トを越えた分業・協業が必要であるにもかかわらず、それぞれの系やプロ ジェクトに限定された作業環境を提示する(具体的には個々のプログラマ をたんに公募する)ことを半ば強いるために、Q-projectにおけるほづみさ んのように、システム開発者が孤独な開発環境に置かれ続けることを放置 したのではないかと思うのです。 ところで現在、NAMのなかに存在するコンピューターシステム関連の作業・ 討議領域は、関心系コンピューター/インターネットとシステム構築班(現 システム局)のみです。前者は連絡責任者の須栗さんとほんのわずかの常 連投稿者を除きまったく機能していませんし、後者は、そもそもセンター 事務局の配下にあるものとして位置付けられていましたから、センター事 務局が輪番制にともない移転するたびに事務局がわの担当者が半年ごとに 交代することになるため、開発における協業過程が中断されてしまうとい う非効率にさいなまれることになります。 それゆえ(事務局長兼システム構築班担当としての)私は、(関心系コンピュー ター/インターネットの問題はとりあえず置くとしても)システム構築班の この位置付けを廃止して、プログラマ・エンジニアのみなさんに自律的か つ自発的にシステム開発にかかわっていただこうと、先日遅ればせながら システム構築班(現システム局)の技術者のみなさんに開発の主導権を明け 渡しました(:[NAM:1149] システム構築班の改組3)。とはいえ、このこと によってNAMの外に出るであろうプロジェクトに現システム局が総体とし て協力できるようになったとは必ずしも言えません。というのは、NAMの なかにそのあたりの規定が存在しないだけではなく、むしろこのような協 力が『原理』に抵触すると解釈されてしまうのではないかと考えられるか らです。なぜ、個々の会員の自由参加による、NAMの外へといずれ出てゆ くたんなる一プロジェクトに、センターの(:システム局はセンターに属 します)貴重な資源を避かなければならないのか。このような解釈をなさ るかたがいてもおかしくはありません。つまり、やはり現状では各プロジェ クトのシステム開発において第二・第三のほづみさんが現れることが不可 避な状況にあると思うのです。 これらの問題は基本的に、通常の理解によるNAMの『原理』と、コンピュー ターシステム開発のように専門性・協働性・継続性を強く要請される領域 とのあいだにいくつかの齟齬が存在するために生じるのではないかと思い ます。それゆえ、一つめの「無策」を含め、ほづみさんのおっしゃる NAMの「無策」は、現在のNAMに内在的で構造的なものであると考えられる のです。 したがって私は、今ほづみさんを引きとめようとは思いません。ほづみさ んがご自身の意志で今NAMに残られるかどうかとは無関係に、これらの 「無策」は今後も存在し続けると思うからです。 現在NAMに必要なのは、構造的な改革だと思います。システム関連に限定 して言うと、それは、たんに個々の会員にプログラマ等の技術者に対し倫 理的にふるまえと要請することのみではなく、LETSによる労働対価の支払 いにとどまらない、各超出的プロジェクトに積極的に貢献しうるような何 らかのコンピューターシステム開発-評価の「モデル」あるいは「システ ム」を、『原理』と矛盾しないかたちでNAMが用意し提示すべきであると いう意味です。 このような議題は、本来関心系コンピューター/インターネットで討議さ れるべきものでした。しかし、現在にいたるまでこの関心系はなぜか機能 していません。なぜでしょうか? 私は、それによってこれらの問題がすべて解決すると主張はしませんが、 以上のような構造的問題に対するメスを(あくまで『原理』に即して)入れ るために、経済的かつ批評的なメディアとしてのLETS-QをNAMに対して早 急かつ全面的に導入することをあらためて提案いたします。それと同時に、 早急にとは申しませんが、資本・国家・ネーションへの対抗にとって必要 不可欠なコンピューターシステム開発のための「開発-評価システム」を、 まだNAMの外にはないNAM内各プロジェクトに積極的に貢献可能なかたちで 構築するために、そのための討議機関をNAM内に設置することを提案いた します。 現在、関心系コンピューター/インターネットとシステム局、それにNAM内 の各超出的プロジェクトは相互に分離されています。しかし、ことコンピュー ターシステム開発にかんしては、これらの分離は必ずしも『原理』によっ て不可避的に要請されるものではなく、もっと柔軟な運用形態が用意され てもいいように思います。 以上、コンピューター技術にかんする素人としては、分不相応な私見を述 べました。上記の記述においてシステム開発にかんして根本的な誤ちがご ざいましたら、技術者のみなさま、積極的に批判くださるようお願いいた します。 Sugihara Masahiro 杉原正浩 1970年生 lutsch@... 京都在住 理論・LETS・コンピューター/インターネット 【0199】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : 穂積さんの見解-斉藤賢爾さんへ 差出人 : Sugihara Masahiro 杉原正浩 送信日時 : 2001/11/29 00:20 -------------------------------------------------------------------------------- センター事務局長の杉原です。 以下、ほづみさんより依頼がありましたので、転載させていただきます。 ====転載始まり=================================================== ほづみです。某氏よりDMをいただき、斎藤さんという方の意見を 見せていただきました。これについては、ちょっと黙っていられな いので、返信をします。q-discssionには入っていないので、事務 局長の杉原さんのお手をわずらわせます。 なお、今後、余計なDMは送っていただかなくてけっこうですので、 念のためお願いしておきます。 まず、ぼくがNAMで問題にしているのは、ここでの斎藤氏の意見 のように「あたりまえ」のことをさも立派な見解であるかのように 述べて、しゃーしゃーとしている態度そのものについて異議を申し 立てているのです。 斎藤氏はよほど、ぼくが間抜けでソフトウェア開発についてなにも しらない素人だと思っておられるのでしょうが、すくなくとも、こ こに書かれているようなことは、わざわざ教えて頂かなくても、す べてわかっているつもりです。 それでも、なおかつ、ぼくがイイカゲンうんざりしている理由をの べれば、あくまでこういった一般的な開発スタイルを維持して、ひ とかけらの協力もしなければ、なにひとつ自ら動こうとしない態度 そのものです。 だからぼくは書いたはずです。それならWinds_qの一般ユーザーと していい悪いを述べてもらえれば十分だ、と。 Qプロジェクトの当初、GETSというソフトウェアがありました。Q プロでぼくはそのプログラムの構造を分析して、批判をしました。 これはいち技術者としての批判であって、開発者もそれに対して理 解をしてくれたものと思っています。 しかし、単なる文言だけの批判、批評ならすこしソフトを囓り、専 門書なるものに目を通していれば、だれでもできます。 だから、ぼくはその批判を事実として立証するために、Windsとい うソフトの開発を開始したのです。これが、他のにぎやかなプログ ラマたちのMLならいざしらず、NAMでの批評的、倫理的な立場 をもっともよく体現するための方法に違いないと自ら判断したため です。 斎藤氏が同じような姿勢をもって望むのなら、ぼくもイイカゲンい やになるようなことはないでしょう。斎藤氏はもしぼくの姿勢が問 題であり、ソフト開発はそんなもんだよ、というのであれば、自ら 時間をさいて、Winds_qを分析し、不備を指摘し、よりよいものに しようとすることが必要です。この姿勢をもたないで、ただ一般的 な批評でことたれりとするならば、ぼくはそんなソフト開発者はN AMには必要がないと考えています。 この姿勢が残念なことにいまのNAMに充満しているからこそ、ぼ くはNAMをやめようと考えているのです。とくにプロを自称する プログラマたちの間にです。 各人各様の参加の仕方があります。それについて能力的なもの、各 人のさける時間等、様々な状況があるのは当然ですから、すべての ひとが同じようにいちから開発しろ、とは言いません。 しかし、ぼくたちのQプロジェクトは、このようなお客様的、傍観 者的姿勢から脱皮するためのものです。柄谷氏も述べておられたよ うに、地域通貨に参加すれば、必然的、かつ主体的にQに参加しな ければならなくなります。 ぼくの理解では、NAM原理がLETSをひとつの主眼においてい る理由がこれだと考えています。 斉藤賢爾 (東京; 芸術, LETS, メディア, 科学, コンピュータ; 学生) です。 開発者としての立場から、穂積さんの辞任について意見を述べます。 (私は所謂社会人学生で、これまで 13年間、 プロとしてソフトウェアの開発に携わってきました。) まず、Winds_q を開発された穂積さんに敬意を表します。 穂積さん曰く (本人はこれを読んでらっしゃらないということで、気が引けますが...) >セキュリティやプライバシーについて、議論になっているのかもし >れません。Winds_qがそのようなものに十分な配慮をしていないと >いう意見があるのかもしれません。 > >しかし、ここ半年以上にわたるQプロでの活動や開発者の募集等々 >を、ぼくはオープンにやってきたつもりだし、だれが入ってはダメ >だという議論をしたつもりはありません。 > >これらが十分に討議されなかったのは、Winds_qの設計・開発者の >不注意でもなければ能力不足でもありません。ただただ、だれも協 >力しなかった、という厳然たる事実があるだけです。 これはまさしくその通りなのでしょう。 そして、穂積さんが NAM を退会される理由としては、 穂積さん曰く >いろいろ理由はありますが、最大のものは、設計・開発段階でセキ >ュリティについてもプライバシーについてもいつでも提言や提案が >できるにもかかわらず、あとになって、いろいろ立派なご意見を伺 >うのは、もうたくさんだ、と思っています。それなら、いちユーザ >ーとしてWinds_qが不十分だから、Qには参加しないという意志表 >示をしてもらえれば十分です。 >NAMでやっているかぎり、こういった討議・議論・意見・おせっ >かいはとどまるところを知らないでしょう。これはぼくの精神衛生 >上非常に悪いし、やってられないという感じです。 とのことですが、 ソフトウェアが出来上がってから仕様の変更を要求されたり、 仕様について文句を言われることは、 ソフトウェアの開発には付き物だと思います。 (だからこそうんざりされているのかも知れませんが。) ソフトウェアの専門家でもなければ (いや、たとえ専門家であっても)、 仕様だけを読んで、その出来上がりを正確にイメージするのは至難の技です。 だからこそプロトタイピングという手法があるわけですが、 プロトタイプが評価されるのは、 実際の製品と比べたら小さなサークルの範囲内でのことです。 やはり、完成品が、それがターゲットとしているユーザ自身によって使われるまでは、 本当の評価は得られないでしょう。 我々開発者は、その時になってユーザがこぼす不平、不満に 真摯に耳を傾けなければならないと思います。 勿論、それを闇雲に受け容れる必要はまったくないと思います。 デザインをトータルに考える責任は自分にあるからです。 また、そもそもの要求仕様が満たせなくなるような提案は受け容れられないでしょう。 (ただし、要求仕様がおかしかった、という話もよくあります。) もっともらしい意見を述べられたのなら、 「拝承」と返しておけばよいのです。 この言葉は、言外には「大きなお世話だバカヤロー」という意味を持つと、 以前、勤めていた会社では教わりました。 その意見が、後で冷静に考えたら、よい意見だということもあるでしょう。 その時は素直に受け容れればよいのです。 (こんなことを書いたら「拝承」と返されてしまうかも知れませんね。) 開発者にとって、ユーザの声を聞くことは、とても大切なことだと思います。 そのためのチャンネルを、穂積さんには閉じて欲しくないと思います。 -Kenji --[PR]------------------------------------------------------------------ 【FreeMLからのお知らせ】 ユーザー登録すると、MyPageっていうとっても便利なページが使えるように なります。 例えば、MLの過去ログが見られたり、アドレス変更も簡単に行えます。         http://www.freeml.com/reg_member1.php ------------------------------------------------------------------[PR]-- Global Media Online www.gmo.jp 穂積一平 ipfr_cat@... http://home.interlink.or.jp/~ipfr_cat/ ====転載終わり=================================================== Sugihara Masahiro 杉原正浩 lutsch@... 【0203】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : Re: [q-discussion:0196] Re: 穂積さんの件 差出人 : kenta ohji 送信日時 : 2001/11/29 03:52 -------------------------------------------------------------------------------- 王寺賢太です。 On 2001.11.28, at 13:35, Sugihara Masahiro 杉原正浩 wrote:  何を言っていいか分からないのですが、何か言いたいという気がするのでこの メールを書きます。  ほづみさんの脱会の意向を聞いて非常にショックを受けました。僕は コンピュータを動かすのがやっとのような人間ですが、Qのプロジェクトにも遅蒔 きながら加えておいていただいたにもかかわらず、ほづみさんや西部 さんをはじめとする メンバーの方々の、文字どおり夜を徹して、の議論の密度 にとてもついていけず、発言さえしていません。そのことを申し訳なく 思っています。プロジェクトのみなさんの仕事ー僕に見えるのはML上の議論 だけですが、さらにその背後にはプログラミングや規約作成のための膨大な仕事 があったと思います―には感謝がたえません。端で見ていて、ほづみさんや西部 さんが体を壊さなければ良いが、と思うほどの仕事量であったのです。  僕自身は、原則として、NAM会員の一律のQへの参加に賛成です。そもそもQは、 当初NAMのなかで通用するLETSを作るというプロジェクトが発展して出 てきたものだったと思います。LETSはNAMのプログラムの経済的運動を支 えるひとつの大きな支柱であり、その支柱としてNAMから発生したQを用いるのは 自然なことだと思います。僕は、先のnam-antiwarでの西部 さんとのやりとりにもあったように、NAMの運動をQだけに特化 するべきではないと思っていますが、しかしそれはQとNAMは無関係 ということではありません。あくまでもQとともに、様々な運動がNAMから生成 していくことが重要だと思います。  プライヴァシーの問題が議論になっていましたが、僕は、原則として、 戸籍上の実名の登録が採用された方がいいと思います。 それはほづみさんがおっしゃっていたのとほぼ同じような理由からです。 ペンネームの使用を無際限に認めてしまうと、Qのコミュニティがその中だけで 通用するアイデンティティを持ったナルシスティックで閉鎖的な共同体 になってしまうと思います。あるいは過激派的な秘密結社のように。Qの内外 をつなぐ媒介として、一つの名前があったほうがいいのではないか。 それはあくまでも現実的な条件から出発して、国家と資本の外部を創出 しようとするNAMの運動にとって、とりあえず出発点 とみなされるべきではないかと思います。むろん、その名前の故にQの コミュニティの外で迫害を受けている人、あるいは公的な書類が提出できない人 に対しては、実名や書類提出ではない他のやり方でアイデンティフィケーション をすることが認められるべきだと思います。その方法についてはQプロジェクト の中でも議論が進んでいると思います。それから、僕にもNAM会員であることを人 に知られることが嫌だという会員の意見は、一般的にはよく理解できません。僕 もNAMに対して冷笑的な態度を取る人間がいることは知っていますが (僕自身NAMの発足当初には批判的であったこともあって、一層周囲の人間 からその冷笑の標的とされることは多いと思います)、しかし、そういった 冷笑的な態度を取る人間はまったく一部にすぎない。他の大多数は単にNAM なんかしらないのが現状ではないでしょうか。僕はそういう大多数のNAMなんか知 らない人たちに対しても、「NAM的なもの」が開かれていくために、Qという 経済的な媒介がNAMのメンバーだけに限定されないLETSとして開発されたのだと 思っていました。  僕自身、個人的な事情もあり、NAMの「活動」への参加がままならない状態 です。また「口ばっかり」の物言いになってしまうことを怖れます。Q プロジェクトのメンバーの仕事に対する負い目をあおって、NAM会員のQへの参加 を訴えるつもりもありません。一回原理原則に戻って考えて、議論をいかにしてQ を使うか、具体的にNAM会員が全員Qに参加することとしてじゃあどういった問題 が起こりうるか、といったことを考えていけば、メンバーの間での討議 によっても乗り越えられないようなそんなに大きな問題があるとは思えない。 現状認識が甘いでしょうか。  杉原さんは、システム開発のチームの改組の必要を言っておられます。 そのことについては議論があってしかるべきではないかと思います。それとは 別に、僕は、NAMの内部での所属の系に関わらず、他の系やNAMから派生した プロジェクトについては、NAMの会員に一律にオブザーバーとしての参加を認 めるようにしたらいいのではないかとも思います。今回のQを巡る議論にしても、 プロジェクトのなかで行われてきたことを全く共有していないメンバーの、情報 を持たないが故の誤解や曲解が、議論が思わぬ形で(すくなくとも傍らで見 ていた僕にとっては全く思わぬ形でした)逸脱した一つの理由のように思 えるからです。NAMの原理の言う各系の多元性や自律性は、それぞれのMLの メンバーとオブザーバーの境界をきちんと定めておくことで十分に定 められると思います。たしかに、全体MLでの議論のあり方はanti-war にしても、このq-discussionにしても、あまり芳しいものではなかった。 そのような条件下で、各系やプロジェクトのMLへのアクセスを一般のメンバー に認めることには、さらに議論の逸脱を生むリスクもあるかもしれません。 しかし、そういった逸脱は、--柄谷さんが先のメールで言っていた「民主主義」 にまつわる参加者の権利と義務と同様に--それ自体が「民主主義」的 であろうとするときにどうしてもおかさざるをえないリスクあるいは手間 でもあると思います。でも、そのリスク、手間をあえて引き受けることによっ て、NAMの会員の間に原理なり、NAMのなかでのやり方なりについての共通の認識 ができれば、それはむしろよしとすべきではないでしょうか。(これは攝津 さんたちが進めておられるNAM内部の通信の規約づくりに対する批判 ではありません。代表や、事務局長とは別に、MLの管理人さんくらいの感じの 第三者の立場が必要ではないかということは、僕も感じていましたから。)  ほづみさんに対してはNAMにとどまってもらいたいと願っています。 そのためには、同時にNAMへのQ導入について、あるいはNAMのなかでのシステム について、もう一度考えてみることが必要だと思います。それ以上に、少 しでも多くの会員がもっと「活動的」に「参加」しなくては元も子 もないのですが,,, 僕も、いろいろな制約はありますが、少しでも「活動」への 「参加」を心掛けるつもりです。   > 京都の杉原正浩です。 > > このスレッドにおいては、たんなる個人会員として発言することが求めら > れていると思いますので、以下、失礼ながらセンター事務局長の資格を離 > れて、個人的な意見を述べさせていただきます(なお、以下においては、 > たとえ引用のかたちをとっていてもすべての文章の責任は私にあります)。 > > じつは、q-discussionが開始されるよりも以前に、ほづみさんは私あての > 私信にて、もう精神衛生上よくないからNAMを退会したい、とおっしゃっ > ていました。 > > 私はそれゆえ、このMLにおいてWinds_qデモ版に触りもせずにあれこれと > 一般的な議論を展開なさるかたに、かなりうんざりして、あのように批判 > 的な言辞を述べさせていただいたという次第です。この場を借りてあくま > で一個人として言わせていただければ、ふざけるな、という感じです。 > > なお、ほづみさんが退会されたいと思われたのは、柄谷さんが > [q-discussion:0151]にて引用なさっていたメールに表明されている理由 > のみによるのではなく、NAMが総体としてソフトウェア関連のシステム開 > 発にかんして「無策」であるから、という主旨だったように思います。 > > この「無策」にはいくつかのレヴェルがあるように思われます。 > > その一つは、(一部の)NAM会員の非生産的な態度と、それを放置しておく > NAMの「無策」です。ほづみさんのメールにありましたとおり、ほっとけ > ば誰か(ほづみさん)がやるだろう、程度の考えでコンピューターをろくに > 知りもしないひとが勝手な提案や批判をして、そのくせそのようなひとは、 > プログラミング以外の点で積極的に開発に貢献しようとすることもない。 > このようなネガティヴな態度は、このMLにおいてもプライバシーや > Multi-LETS関連の発言に典型的にあらわれていたように思います。(あげ > くの果てには、NAMが諸個人の自由なアソシエーションであることをまっ > たく理解しておらず、円会費を払った当然の対価としてサーヴィスを受け > る権利があるなどとおっしゃる自称「会員」さえいる始末です。私はこん > なかたを「会員」と呼ぶのは間違っていると思います。『原理』の理解う > んぬん以前の問題です。) > > 二つめに、コンピューターシステム開発というNAMにとって基幹的な特殊 > な生産領域について、NAMが何ら有効な作業環境を構築してこなかったと > いう点にかかわる「無策」があるように思います。私見では、これは若干 > は『原理』にその原因を求めることが可能なように思われます。現在、 > NAMにおいては、いずれNAMの外に出る超出的プロジェクトは、NAM総体と > しての組織的なサポートを受けることが可能だとは一般には理解されてい > ません。 > > NAMにおいて、各プロジェクトに組織的な援助をしないという態度が一般 > に確認されるのであれば、それは確かに、NAMの外における具体的な諸実 > 践が会員おのおのの自発的な行為によるものだとすることで、NAM外にお > けるそれらの実践にともなう様々な帰結(妥協、失敗、混乱、等々)が『原 > 理』を侵すのを防ぐのに有効ではあります。しかしそのような態度は、コ > ンピューターシステム開発のように、NAM内における限られた(人的)「資 > 源」を可能なかぎり適切な形態で分業・協業のもとに置くことが強く要求 > されるであろう生産領域においては、そのような諸関心系や諸プロジェク > トを越えた分業・協業が必要であるにもかかわらず、それぞれの系やプロ > ジェクトに限定された作業環境を提示する(具体的には個々のプログラマ > をたんに公募する)ことを半ば強いるために、Q-projectにおけるほづみさ > んのように、システム開発者が孤独な開発環境に置かれ続けることを放置 > したのではないかと思うのです。 > > ところで現在、NAMのなかに存在するコンピューターシステム関連の作業・ > 討議領域は、関心系コンピューター/インターネットとシステム構築班(現 > システム局)のみです。前者は連絡責任者の須栗さんとほんのわずかの常 > 連投稿者を除きまったく機能していませんし、後者は、そもそもセンター > 事務局の配下にあるものとして位置付けられていましたから、センター事 > 務局が輪番制にともない移転するたびに事務局がわの担当者が半年ごとに > 交代することになるため、開発における協業過程が中断されてしまうとい > う非効率にさいなまれることになります。 > > それゆえ(事務局長兼システム構築班担当としての)私は、(関心系コンピュー > ター/インターネットの問題はとりあえず置くとしても)システム構築班の > この位置付けを廃止して、プログラマ・エンジニアのみなさんに自律的か > つ自発的にシステム開発にかかわっていただこうと、先日遅ればせながら > システム構築班(現システム局)の技術者のみなさんに開発の主導権を明け > 渡しました(:[NAM:1149] システム構築班の改組3)。とはいえ、このこと > によってNAMの外に出るであろうプロジェクトに現システム局が総体とし > て協力できるようになったとは必ずしも言えません。というのは、NAMの > なかにそのあたりの規定が存在しないだけではなく、むしろこのような協 > 力が『原理』に抵触すると解釈されてしまうのではないかと考えられるか > らです。なぜ、個々の会員の自由参加による、NAMの外へといずれ出てゆ > くたんなる一プロジェクトに、センターの(:システム局はセンターに属 > します)貴重な資源を避かなければならないのか。このような解釈をなさ > るかたがいてもおかしくはありません。つまり、やはり現状では各プロジェ > クトのシステム開発において第二・第三のほづみさんが現れることが不可 > 避な状況にあると思うのです。 > > これらの問題は基本的に、通常の理解によるNAMの『原理』と、コンピュー > ターシステム開発のように専門性・協働性・継続性を強く要請される領域 > とのあいだにいくつかの齟齬が存在するために生じるのではないかと思い > ます。それゆえ、一つめの「無策」を含め、ほづみさんのおっしゃる > NAMの「無策」は、現在のNAMに内在的で構造的なものであると考えられる > のです。 > > したがって私は、今ほづみさんを引きとめようとは思いません。ほづみさ > んがご自身の意志で今NAMに残られるかどうかとは無関係に、これらの > 「無策」は今後も存在し続けると思うからです。 > > 現在NAMに必要なのは、構造的な改革だと思います。システム関連に限定 > して言うと、それは、たんに個々の会員にプログラマ等の技術者に対し倫 > 理的にふるまえと要請することのみではなく、LETSによる労働対価の支払 > いにとどまらない、各超出的プロジェクトに積極的に貢献しうるような何 > らかのコンピューターシステム開発-評価の「モデル」あるいは「システ > ム」を、『原理』と矛盾しないかたちでNAMが用意し提示すべきであると > いう意味です。 > > このような議題は、本来関心系コンピューター/インターネットで討議さ > れるべきものでした。しかし、現在にいたるまでこの関心系はなぜか機能 > していません。なぜでしょうか? > > 私は、それによってこれらの問題がすべて解決すると主張はしませんが、 > 以上のような構造的問題に対するメスを(あくまで『原理』に即して)入れ > るために、経済的かつ批評的なメディアとしてのLETS-QをNAMに対して早 > 急かつ全面的に導入することをあらためて提案いたします。それと同時に、 > 早急にとは申しませんが、資本・国家・ネーションへの対抗にとって必要 > 不可欠なコンピューターシステム開発のための「開発-評価システム」を、 > まだNAMの外にはないNAM内各プロジェクトに積極的に貢献可能なかたちで > 構築するために、そのための討議機関をNAM内に設置することを提案いた > します。 > > 現在、関心系コンピューター/インターネットとシステム局、それにNAM内 > の各超出的プロジェクトは相互に分離されています。しかし、ことコンピュー > ターシステム開発にかんしては、これらの分離は必ずしも『原理』によっ > て不可避的に要請されるものではなく、もっと柔軟な運用形態が用意され > てもいいように思います。 > > 以上、コンピューター技術にかんする素人としては、分不相応な私見を述 > べました。上記の記述においてシステム開発にかんして根本的な誤ちがご > ざいましたら、技術者のみなさま、積極的に批判くださるようお願いいた > します。 > > Sugihara Masahiro 杉原正浩 1970年生 > lutsch@... 京都在住 > 理論・LETS・コンピューター/インターネット > > > --[PR]------------------------------------------------------------------ > 【FreeMLからのお知らせ】 > ユーザー登録すると、MyPageっていうとっても便利なページが使えるように > なります。 > 例えば、MLの過去ログが見られたり、アドレス変更も簡単に行えます。 >         http://www.freeml.com/reg_member1.php > ------------------------------------------------------------------[PR]-- > Global Media Online www.gmo.jp > > 【0207】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : Re: 穂積さんの件 差出人 : Hiroki Suguri 須栗 裕樹 送信日時 : 2001/11/29 11:00 -------------------------------------------------------------------------------- 須栗裕樹です。 まず、わたしは、自身プログラマーとして、ほづみさんの作業には敬意を表す るものです。しかし、以下について私見を述べます。 From: Sugihara Masahiro 杉原正浩 > その一つは、(一部の)NAM会員の非生産的な態度と、それを放置しておく > NAMの「無策」です。ほづみさんのメールにありましたとおり、ほっとけ > ば誰か(ほづみさん)がやるだろう、程度の考えでコンピューターをろくに > 知りもしないひとが勝手な提案や批判をして、そのくせそのようなひとは、 > プログラミング以外の点で積極的に開発に貢献しようとすることもない。 私は、コンピューターをよく知らないひとが、提案や批判をすることはあって もかまわないと思います。こう言うのは、今回の反動で、ふつうにコンピュー ターを利用する人たちが、不便な点の苦情や、機能拡張の要求を言いにくくな ることを恐れるからです。 もちろん、杉原さんのおっしゃる通り、コンピューターに文句を言う人が、コ ンピューター以外の点でも何も貢献しないというのは論外です。しかし、 NAMは、アソシエーションです。アソシエーションとは、個人や団体が分業を 行い、それぞれのできることと、できないことを補いつつ、総体としてよりよ い社会を目指す運動だと思います。 その意味で、全員がコンピューターの専門家になる必要はないし、コンピュー ターの専門家で無い人が、コンピューターに口を突っ込んではいけない、とい うことはないはずです。せいぜい、「リテラシー」があればよい。コンピュー ターの専門家でない人は、御自分の専門分野で十分に活動してもらえばよい。 そのときに、コンピューターの使いかたが不便だったり、機能が不足したりし ていたら、遠慮することなく、文句をつけてもらえばよいのです。 もちろん、こんなことはほづみさんには「わかりきったこと」だったと思いま す。問題は、そのような要求を十分に受けられる窓口が存在しなかった結果、 ほづみさん一人が過負荷状態になってしまったことで、忸怩たる思いです。 > 現在NAMに必要なのは、構造的な改革だと思います。システム関連に限定 > して言うと、それは、たんに個々の会員にプログラマ等の技術者に対し倫 > 理的にふるまえと要請することのみではなく、LETSによる労働対価の支払 > いにとどまらない、各超出的プロジェクトに積極的に貢献しうるような何 > らかのコンピューターシステム開発-評価の「モデル」あるいは「システ > ム」を、『原理』と矛盾しないかたちでNAMが用意し提示すべきであると > いう意味です。 NAMとしてのそのような方向のほかに、日本円経済圏に外注に出すということ も考えられるかもしれません。Winds_qの開発からは一歩後退してしまいます が、ウェブサーバーの管理費を円で支払っているのと同じことです。もちろん そのためには、要求定義のとりまとめや進捗管理、検収などの手続きを行うだ けの能力が必要です。 > このような議題は、本来関心系コンピューター/インターネットで討議さ > れるべきものでした。しかし、現在にいたるまでこの関心系はなぜか機能 > していません。なぜでしょうか? Qの全体会議の趣旨からはだいぶ外れてしまいました。本件はnam-computerで 議論を継続したいのですがいかがでしょうか。 ----- 須栗 裕樹 地域: 東北 関心: コンピューター/インターネット 階層: 零細資本家兼不良学生 info@nam21.org | Q導入にかんする全体会議 メッセージNo:196 << 前へ | 次へ >> このメッセージに返信 -------------------------------------------------------------------------------- 【PR】 仕事を自由に選択したいエンジニアなら -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : Re: 穂積さんの件 差出人 : Sugihara Masahiro 杉原正浩 送信日時 : 2001/11/28 21:37 -------------------------------------------------------------------------------- 京都の杉原正浩です。 このスレッドにおいては、たんなる個人会員として発言することが求めら れていると思いますので、以下、失礼ながらセンター事務局長の資格を離 れて、個人的な意見を述べさせていただきます(なお、以下においては、 たとえ引用のかたちをとっていてもすべての文章の責任は私にあります)。 じつは、q-discussionが開始されるよりも以前に、ほづみさんは私あての 私信にて、もう精神衛生上よくないからNAMを退会したい、とおっしゃっ ていました。 私はそれゆえ、このMLにおいてWinds_qデモ版に触りもせずにあれこれと 一般的な議論を展開なさるかたに、かなりうんざりして、あのように批判 的な言辞を述べさせていただいたという次第です。この場を借りてあくま で一個人として言わせていただければ、ふざけるな、という感じです。 なお、ほづみさんが退会されたいと思われたのは、柄谷さんが [q-discussion:0151]にて引用なさっていたメールに表明されている理由 のみによるのではなく、NAMが総体としてソフトウェア関連のシステム開 発にかんして「無策」であるから、という主旨だったように思います。 この「無策」にはいくつかのレヴェルがあるように思われます。 その一つは、(一部の)NAM会員の非生産的な態度と、それを放置しておく NAMの「無策」です。ほづみさんのメールにありましたとおり、ほっとけ ば誰か(ほづみさん)がやるだろう、程度の考えでコンピューターをろくに 知りもしないひとが勝手な提案や批判をして、そのくせそのようなひとは、 プログラミング以外の点で積極的に開発に貢献しようとすることもない。 このようなネガティヴな態度は、このMLにおいてもプライバシーや Multi-LETS関連の発言に典型的にあらわれていたように思います。(あげ くの果てには、NAMが諸個人の自由なアソシエーションであることをまっ たく理解しておらず、円会費を払った当然の対価としてサーヴィスを受け る権利があるなどとおっしゃる自称「会員」さえいる始末です。私はこん なかたを「会員」と呼ぶのは間違っていると思います。『原理』の理解う んぬん以前の問題です。) 二つめに、コンピューターシステム開発というNAMにとって基幹的な特殊 な生産領域について、NAMが何ら有効な作業環境を構築してこなかったと いう点にかかわる「無策」があるように思います。私見では、これは若干 は『原理』にその原因を求めることが可能なように思われます。現在、 NAMにおいては、いずれNAMの外に出る超出的プロジェクトは、NAM総体と しての組織的なサポートを受けることが可能だとは一般には理解されてい ません。 NAMにおいて、各プロジェクトに組織的な援助をしないという態度が一般 に確認されるのであれば、それは確かに、NAMの外における具体的な諸実 践が会員おのおのの自発的な行為によるものだとすることで、NAM外にお けるそれらの実践にともなう様々な帰結(妥協、失敗、混乱、等々)が『原 理』を侵すのを防ぐのに有効ではあります。しかしそのような態度は、コ ンピューターシステム開発のように、NAM内における限られた(人的)「資 源」を可能なかぎり適切な形態で分業・協業のもとに置くことが強く要求 されるであろう生産領域においては、そのような諸関心系や諸プロジェク トを越えた分業・協業が必要であるにもかかわらず、それぞれの系やプロ ジェクトに限定された作業環境を提示する(具体的には個々のプログラマ をたんに公募する)ことを半ば強いるために、Q-projectにおけるほづみさ んのように、システム開発者が孤独な開発環境に置かれ続けることを放置 したのではないかと思うのです。 ところで現在、NAMのなかに存在するコンピューターシステム関連の作業・ 討議領域は、関心系コンピューター/インターネットとシステム構築班(現 システム局)のみです。前者は連絡責任者の須栗さんとほんのわずかの常 連投稿者を除きまったく機能していませんし、後者は、そもそもセンター 事務局の配下にあるものとして位置付けられていましたから、センター事 務局が輪番制にともない移転するたびに事務局がわの担当者が半年ごとに 交代することになるため、開発における協業過程が中断されてしまうとい う非効率にさいなまれることになります。 それゆえ(事務局長兼システム構築班担当としての)私は、(関心系コンピュー ター/インターネットの問題はとりあえず置くとしても)システム構築班の この位置付けを廃止して、プログラマ・エンジニアのみなさんに自律的か つ自発的にシステム開発にかかわっていただこうと、先日遅ればせながら システム構築班(現システム局)の技術者のみなさんに開発の主導権を明け 渡しました(:[NAM:1149] システム構築班の改組3)。とはいえ、このこと によってNAMの外に出るであろうプロジェクトに現システム局が総体とし て協力できるようになったとは必ずしも言えません。というのは、NAMの なかにそのあたりの規定が存在しないだけではなく、むしろこのような協 力が『原理』に抵触すると解釈されてしまうのではないかと考えられるか らです。なぜ、個々の会員の自由参加による、NAMの外へといずれ出てゆ くたんなる一プロジェクトに、センターの(:システム局はセンターに属 します)貴重な資源を避かなければならないのか。このような解釈をなさ るかたがいてもおかしくはありません。つまり、やはり現状では各プロジェ クトのシステム開発において第二・第三のほづみさんが現れることが不可 避な状況にあると思うのです。 これらの問題は基本的に、通常の理解によるNAMの『原理』と、コンピュー ターシステム開発のように専門性・協働性・継続性を強く要請される領域 とのあいだにいくつかの齟齬が存在するために生じるのではないかと思い ます。それゆえ、一つめの「無策」を含め、ほづみさんのおっしゃる NAMの「無策」は、現在のNAMに内在的で構造的なものであると考えられる のです。 したがって私は、今ほづみさんを引きとめようとは思いません。ほづみさ んがご自身の意志で今NAMに残られるかどうかとは無関係に、これらの 「無策」は今後も存在し続けると思うからです。 現在NAMに必要なのは、構造的な改革だと思います。システム関連に限定 して言うと、それは、たんに個々の会員にプログラマ等の技術者に対し倫 理的にふるまえと要請することのみではなく、LETSによる労働対価の支払 いにとどまらない、各超出的プロジェクトに積極的に貢献しうるような何 らかのコンピューターシステム開発-評価の「モデル」あるいは「システ ム」を、『原理』と矛盾しないかたちでNAMが用意し提示すべきであると いう意味です。 このような議題は、本来関心系コンピューター/インターネットで討議さ れるべきものでした。しかし、現在にいたるまでこの関心系はなぜか機能 していません。なぜでしょうか? 私は、それによってこれらの問題がすべて解決すると主張はしませんが、 以上のような構造的問題に対するメスを(あくまで『原理』に即して)入れ るために、経済的かつ批評的なメディアとしてのLETS-QをNAMに対して早 急かつ全面的に導入することをあらためて提案いたします。それと同時に、 早急にとは申しませんが、資本・国家・ネーションへの対抗にとって必要 不可欠なコンピューターシステム開発のための「開発-評価システム」を、 まだNAMの外にはないNAM内各プロジェクトに積極的に貢献可能なかたちで 構築するために、そのための討議機関をNAM内に設置することを提案いた します。 現在、関心系コンピューター/インターネットとシステム局、それにNAM内 の各超出的プロジェクトは相互に分離されています。しかし、ことコンピュー ターシステム開発にかんしては、これらの分離は必ずしも『原理』によっ て不可避的に要請されるものではなく、もっと柔軟な運用形態が用意され てもいいように思います。 以上、コンピューター技術にかんする素人としては、分不相応な私見を述 べました。上記の記述においてシステム開発にかんして根本的な誤ちがご ざいましたら、技術者のみなさま、積極的に批判くださるようお願いいた します。 Sugihara Masahiro 杉原正浩 1970年生 lutsch@... 京都在住 理論・LETS・コンピューター/インターネット 【0250】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : 報告 - Tokyo Qool Cafe 1 差出人 : aaf77610 送信日時 : 2001/12/03 02:12 -------------------------------------------------------------------------------- せっつです。 本日行われた Tokyo Qool Cafe の報告です。 ・来場者数は第一部(フリマ+シンポジウム)で百数十名、第二部(パーティー)で五十余名と、大盛況となりました。 ・伊丹さんが書いていたように売れ残った品もありましたが、Qフリーマーケットで、取引が盛んに行われていました。Q取引「約束書」のカーボンコピーをNAM東京が保管しているので、取引規模などはいずれ把握可能と思いますが、焼き物、自著、自作雑誌、CD、パン、米、整体など多様なモノ・サービスが交換されました。 ・関本さんの自作のQ誕生を祝う歌なども好評。西部さんも、それを聴いて、喜んでおられました。 ・シンポジウムは、各パネラーがそれぞれの立場から地域通貨観や地域通貨への期待、将来の抱負を語り、大変多様で興味ぶかいものになりました。ある人は地域の重要性を強調し、他の人は精神的な問題の重要性を指摘し、また別の人は産業(映画等)に直接切り込む可能性への期待感を表明しました。詳細は石井氏がすぐにアップしてくれるものと思います。また、当日の模様を納めたCD−ROMも製作される予定です。 ・西脇さんがビデオ撮影してくださったので、シンポジウムの映像記録も残っています。 ・シンポジウムは、オンラインLETSとしてのQの特色や狙い、<地域>概念や<関心>に基づく結びつき等々多岐にわたって言及されましたが、詳細はいずれアップされるであろう記録を参照してください。 ・第二部も、シャンソンあり、サルサありで、賑やかな会となりました。料理もおいしかった。 ・第一部、第二部を通じて、これまでオフ会などに出たことのないNAM会員多数、NAM非会員多数が参加しました。年齢層も多様でした。 ・当日、Qに入りたいが操作方法がわからないという人が何人もいましたが、Q管理運営委員がそれぞれ丁寧に説明しました。デモ版での実演なども行いました。 ・映画関係、野宿者関係など各種団体との関係づくりにも努めました。Qプロジェクトへのオブザーバー参加、団体口座を取得しての参加などを検討する旨のお返事をいただいています。 簡単ですが以上をもって報告に替えます。参加した方々に、ご感想などをお伺いできれば幸いです。 【0251】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : 感想− Tokyo QoolCafe 差出人 : Kuchiki 送信日時 : 2001/12/03 08:48 -------------------------------------------------------------------------------- 朽木 水(法律・東京・非学生)です。 このMLには初めて投稿します。 (元々、丈夫ではないこともあって)11月初めのQProject規約完成の作業の疲 れから、そのあと、ここに発言する余力がありませんでした。 しかし、昨日、初めて、QProject誕生の実際に立ち会うことができて、また西 部さんほか多くの人たち(の喜びの姿)にも再会でき、今までの疲れが吹っ飛 びました。 参加者の感想として「今までのイベントの中で、最もよかった」とありました が、同感です。 今までのイベントは、一年前の駒場祭にしても、同じ頃の紀伊国屋ホールにし ても、「そこそこビックネーム」の人によるイベントでした。 しかし、昨日は違った、イベントの主役はQだったからです、或いはNAMの原理 だったからです。 これまでのビックネームの人ではなく、無名のQによるイベントでこれほど多く の人が集い、熱気をもって参加したということは私にとって初めてのことでした。 私にとって、これは人の勝利ではなく、原理が勝利した初めての経験でした。 また、このようなQの集いにこれほど多くの若者が参加したのを目撃したのも、 初めてでした。会場の平均年齢は、20代ではなかっただろうか。 今まで、NAMのイベントだと、柄谷さんの同窓会ではないかと思えるくらい中高 年層(私も含めて)が多かった、というイメージがあっただけに、この日は新 鮮でした。 大昔、誰かが、「理論に対する最大の反駁は、実践である」というようなこと を言っていましたが、この日の新鮮な出来事に参加してみて、「おしゃべりに 対する最大の反駁は、実践である」と実感しました。 同時にまた、我々のNAMとは元々このような実践のためにあるのだという大原理 もまたいたいほど痛感しました。 とりとめのない感想でしたが、これからは、どんどん発言し、行動したいと思 います。 では。 *********************     朽木 水     NAMホームページ      → http://www.nam21.org ********************* 【0280】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : 報告&感想 - 事業家とQ 差出人 : 攝津正 送信日時 : 2001/12/14 20:42 -------------------------------------------------------------------------------- せっつです、 生井さんへのお返事ですが、スレッドと件名を替えます。 > とくに、実業家はどのような反応を示すものなのでしょうか。 275番のメールでご紹介した感想のうち、 > ・結局は資本に転化するか、ママゴトに終わるのではないか? > ・なんのためにこんなことをやるのか? 円を廃棄した純粋なコミューンを > 作りたいのか? というのはバイト先の社長さんからのものです。実業家からの懐疑的 な感想、ということになりますね。このようにいわれてしまうと、 単なる風変わりなパートさんでしかないぼくは、何もいえなくなり ます。Qの将来がどうなるかはやってみなければわからないし、 Q、ひいてはLETS一般の目的について、生産者と消費者が一体に なり信頼関係でむすびついた<<生費者>>の理念をいっても、 利子がつかない貨幣を介して企業と個人が結びつく効用をいっても、 まだそれを実現していない段階では、空想としか受けとってもらえない だろうからです。もし将来、Qの市場が大きくなったら、参入して みてくださいね、とかいってお茶を濁すことになります。社長さんが 経営や業態の転換等々に苦しむ様子をみてきたので、まさにこういう 中小企業が活きる道としてQが役立てばいいなあ、と個人的には ずっと思っているのですが、こうなればいいなあと思っていること =現にこうあること、ではないですよね。だから、まるで夢の ような話をして、<<商品開発>>、<<新企画提案>>を続ける ことも躊躇われる、ということになります。 実業家とは、<<円という事実>>(宮地さん)のなかにドップリ 浸って、そのなかで時に甘い蜜を吸い、時に辛酸を嘗めるーー そういう経験を繰り返してきているひとのことをいうのではないで しょうか。そして生井さんの友人が反論として述べたように、自己 資金のみならず、<<信用力>>ーー業界に対して、金融機関に 対して、取引先に対してーーで生きています。そのリアリティから みれば、現在のQが、<<事業>>とはおよそ縁遠いものにみえて も、やむを得ないことでしょう。それに対して、理念を語っても、 あまり説得力がないのです。Qの市場が広がり、個人会員が数百人 〜数千人のレベルになったら、企業にとってもQの市場は魅力ある ものになるでしょう。しかし、仮にそのようになったとして、Q市場 が企業に蹂躙されたり単に利用されたりするのでなく、協同的な関係 を築くにはどうすればいいか、という新たな課題が出てくるでしょう。 でも、それは、そうなるかもしれないとしても、先の話ですよね。 よく「企業人」とかいいますよね。協同組合関係の本で、「協同 組合人」という表現に出くわして驚く、というかどういう人なの だろうと考え込むことがあったのですが、企業人-協同組合人の対 に対応させて、<<円人-Q人>>の対を考えてみます。協同組合 人も、幾ら高潔な理想を持っていようと、協同組合を経営的に 存立・存続させるために企業人に近づかなければならない場面 (例えば、協同組合原則通りにやれなくなるなど)が出てくる かもしれません。同様に、<<Q人>>(なんだか宇宙人みたい ですが)のほうも、純粋な100%Qの世界ーーどこにも存在 しないユートピアーーに身を置くことはできず、程度や濃淡の 差はあれ、幾分かは<<円という事実>>(宮地さん)に身を 浸しておらざるを得ないのではないかと思います。結局、比率や 割合の問題になってきますが、<<円という事実>>にドップリ 身を浸している実業家の方々にはたまにはちょっと<<Q界>> のほうに顔を出して貰いたいし、他方、夢見がちな100%Q人 のほうは、少しく<<円という事実>>のなかで手を汚して みたほうがいいのかもしれません。 ぼく自身は、企業家的なリアリティの感触をもっておらず、 たんに傍観しているだけのものですが、こんな感想をもちました。 それではまた ************************ 攝津 正 Tadashi SETTSU ジェンダー/セクシュアリティ 福祉 教育 東京 非学生 aaf77610@... ************************ 【0283】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : マイケル・リントンさん四谷事務所に来訪! 差出人 : aaf77610 送信日時 : 2001/12/16 13:09 -------------------------------------------------------------------------------- マイケル・リントン氏四谷に出現! せっつです、 昨晩、NAM東京四谷事務所で、法律講座→12月2日のTokyo Qool Cafe 反省会の後、各人がシチューや赤飯などの料理、酒、焼酎、ワイン等々を 持ち寄ってパーティーをやっていたのですが、思わぬ展開がありました。 TQC反省会に出席する予定のカフェスローの人とともに、来日中のマイケル・ リントンさんがやってくるという電話が入ったのです。 予定外の事態に右往左往するうちに、リントンさん、辻信一さん、藤岡亜美 さん(カフェスロースタッフ)、辻さんのご兄弟のかたが、四谷事務所に現れ てしまいました。 幸いにも、わけさんがいらっしゃったので、通訳をお願いして、わけさんの PCからネット接続しぼくがWinds_qのデモンストレーションをやることに なりました。リントンさんがぼくの左隣りにいて、ノートPCのディスプレイ を覗き込んでいる、という状況で、いつものように「品目の登録」、登録 したものの発効、承認要求送信、というところまでやり、デモ版での 他会員の残高一覧や「掲示板」ボタンで表示される参加者総数、自分の 取引履歴などを見せながら、ひと通りシステムの説明をしましたが、 内心、冷や冷やものでした。わけさんがぼくの右隣りで通訳をしてくだ さっているのですが、言葉の違いはもちろん、LETSの理解の深浅の差 やLETSへのコミットの濃淡の差が歴然とあるわけですから、地域通貨 やパソコンに慣れていないひとを相手に説明するのとは、わけが違い ます。緊張していたし、説明も通り一遍のものだったので、理解して いただけたかどうか不安ですが、リントンさんは、取引履歴の全面的公開 などの点について、「コミュニティ内の強い結束をもとめるLETSではないか」、 「NAMのためには良いLETSだが、広汎にひろがることができるかどうか、 例えば私の母親はQに入るだろうか」というような感想を漏らしていました。 (このあたり、ぼくもかなり酒が入っていた(^^)し、内容の理解も聞き取り も不安があるので、リントンさんの正確な発言内容について補足して いただけないでしょうか?>わけさん) 次いでリントンさんは、リントンさん自身がやっている、「オープンマネー プロジェクト」の英語サイトをデモンストレーションしてくださいました。 初めて見るシステムでもあり、言葉の壁もあるので、十分よく理解 できたとは思えませんが、大変面白かったです。Qと違って、WEB上で 簡単な登録をすればすぐに会員になれるし、取引を始めることが できます。また、誰でも、自分の好きな通貨をオンライン上で立ち上げる ことができるそうです。 「これが、Multi-LETSといわれているものですか?」 と質問してみたところ、そうだ、とのお返事。スワップ(異なる地域通貨 間の黒字と黒字の交換)は可能ですか、とさらに質問してみたところ、 取引当事者相互が一定のレートで合意することによって可能だ、との お返事。 このサイトのアドレスを控えておけばよかった、と、いま後悔していま すが、リントンさんのホームページか日本版のオープンマネープロジェクト のページからリンクで辿れば発見できるかもしれません。今度調べて みます。 さらに、スマートカードという、噂にはきいていたものを実際に見せて いただきました。複数のLETSについて簡単に決済できるカードです。 以前のオープンマネープロジェクトのワークショップに参加した蛭田さん などは一度ご覧になっていたのでしょうが、ぼくなどは、初めて見た ので、ただただ驚嘆してそれを眺めるばかりでした。 **************************** 余談1. 気さくなwise anarchist--これはリントンさん自身がもってきて見せて くださった『ソトコト』での西部さんとリントンさんの対談の見出しに、 リントンさんの発言として、「僕は賢いアナーキストなんだよ!」とあった のを参照しています--のリントンさんはとても魅力的なひとだったので、 あまりこういうことはしないのですが、思わずサインをおねだりしました。 もちろん、リントンさんの本をもってたるわけではない(というか、ご著書 はないのでは?)ので、たまたまもっていた『トランスクリティーク』(^^;)に リントンさんのサインをいただきました。 To femmelets much pleasure in Q --[以下、筆記体で、判読できませんでした(^^;)。今度、どなたか英語に くわしいひとに見ていただいて判読していただこうと思います。]-- 余談2. femmeletsというのは、Winds_qでぼくが使っているニックネーム (個々人を同定する半角英数字の文字列)なのですが、リントンさんは 「どんな意味?」とニコニコしながら訊いてきます(分かってるくせにィ、 とおもいますが)。ぼくは「内緒です」といったのですが、倉数さんが ぺらぺらと(笑)全部ばらしてしまいました。あー、恥ずかしかった(^^)。 余談3. リントンさんご一行がお帰りになった後(或いは、リントンさんたちが いらっしゃっている間からすでに)、ほとんど忘年会の様相を呈してきて、 「他者を人格としてのみならず酒乱として扱え」状態になりました。 リントンさんは、日本のanarchistたちはwiseじゃないなあ、と呆れて お帰りになったのかもしれません(汗)。 それではまた。 【0284】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : マイケル・リントンさん四谷事務所に来訪!2 差出人 : 攝津正 送信日時 : 2001/12/16 19:04 -------------------------------------------------------------------------------- せっつです、 aaf77610@... wrote: > 次いでリントンさんは、リントンさん自身がやっている、「オープンマネー > プロジェクト」の英語サイトをデモンストレーションしてくださいました。 これはその場で会員登録できるシステムで、リントンさんが私のアドレスを その場で登録しました。帰宅してみると、認証メールがきていました。 そこには、次のアドレスが示されていました。 ========================= URL:http://QuayLargo.com/cybercredits/ (中略--ID、password等) We hope you are finding the cybercredits trading system useful. You might want to browse our homepage: http://cyberjournal.org ========================= http://QuayLargo.com/cybercredits/ ですが、 http://www.openmoney.org/ からリンクしています。 リントンさんが提示してくださったのは多分このサイトではなかったか と思います。 取引練習だけで、実際の取引はしないように、との注意書きがありました。 リントンさんのほうでは、もう既に、Multi-LETSを実現していたのか、 とビックリしていたのですが、先方もまだいろいろ試験中の段階に あるようです。 私は、あまりこの動きを詳しくフォローしていないので、詳しいかたが いらっしゃいましたらご教示いただきたいのですが、この全体会議の MLでなく、nam-letsの関心系MLでこの続きは(もしあるなら)やったほう がいいのかもしれません。 それではまた。 ************************ 攝津 正 Tadashi SETTSU ジェンダー/セクシュアリティ 福祉 教育 東京 非学生 aaf77610@... ************************ 【0293】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : Re: マイケル・リントンさん四谷事務所に来訪!−3 差出人 : "Hisaaki Wake" 送信日時 : 2001/12/17 21:47 -------------------------------------------------------------------------------- わけです。 摂津さん、こちらのMLは要約モードにしているため、呼ばれて いるのに気づいていませんで、すみません。 リントン氏は、 winds_q のデモを見たくて四谷まで足を運んで くださったようです。WEBMAKERはベルリンでオージ(王寺さんの こと)に見せてもらったけれど、よくわからなかったとおっしゃって いました。(それはそうですよね、同じく穂積さんの作られた WEBMAKERは winds_q ばかりではなく他のさまざまな ソフトをも作り出すソフトであって、LETSそのものとは直接 関わりあいがないのですから。) 最初に挨拶替わりに気候の話題を振ると、東京の方が コモックスバレーより寒いと言っていました。 カナダバンクーバー島と(いくつもある)私の心のふるさと 米国北西海岸のシアトルは海水を共有しているので、それは よくわかります。あの一帯は雨は多いけれど、海流の関係で、 気温がそんなに低くならないのです。 会場に集まっていたNAM東京のみなさんを "They are all revolutionaries!"(この人たちはみんな革命家です)と 紹介したところ、大笑なさって、たいそうなごんでくれ ました。 > 幸いにも、わけさんがいらっしゃったので、通訳をお願いして、わけさんの > PCからネット接続しぼくがWinds_qのデモンストレーションをやることに > なりました。リントンさんがぼくの左隣りにいて、ノートPCのディスプレイ > を覗き込んでいる、という状況で、いつものように「品目の登録」、登録 > したものの発効、承認要求送信、というところまでやり、デモ版での > 他会員の残高一覧や「掲示板」ボタンで表示される参加者総数、自分の > 取引履歴などを見せながら、ひと通りシステムの説明をしましたが、 > 内心、冷や冷やものでした。 よく説明出来ていたと思いますよ。リントン氏も欲しい情報 を得ていたようだし、また、ぼくの知らなかった画面も出てきて いたので、やはり摂津さんにデモをお願いして正解だったと 思いました。 > リントンさんは、取引履歴の全面的公開 > などの点について、「コミュニティ内の強い結束をもとめるLETSではないか」、 > 「NAMのためには良いLETSだが、広汎にひろがることができるかどうか、 > 例えば私の母親はQに入るだろうか」というような感想を漏らしていました。 "Q is right for NAM, but my mother wouldn't get in."(Qは NAM には合っているが、わたしの母は入らないだろうね。) とはっきり言われ、聴いていたぼくらはのけぞってしまいましたね。 デモの後のくだけた会話で、"I was requested to invite you to Q. Why don't you join us?" (「私はあなたをQに誘うように言われている んですが、入っていただけませんか」)と尋ねてみたところ、"Why not!" (もちろん、いいですよ)と言ってくださいましたが、それは 社交辞令というものなのかもしれないなと思いました。実際問題 日本語の読めない方に今の winds_q に入っていただくのはほとんど 無意味というものです。しかし、将来は、わかりません。 Open Money Project のソフトのデモをしてくださった ときに、"There is no assumption with Open Money Project." つまり、参加者の身分証明を求めることはないと言っていました。 またOpen Money Project は取引きの記録は他人には公開されて いない。「スーパーユーザー」であるリントン氏はすべての記録に アクセスできるようでしたが。 「Qはある意味クローズドである意味オープンだ」と言っていました。 つまり本人確認を求めるが、中に入ってしまうとそこには 秘密が一切ない。 > 次いでリントンさんは、リントンさん自身がやっている、「オープンマネー > プロジェクト」の英語サイトをデモンストレーションしてくださいました。 > 初めて見るシステムでもあり、言葉の壁もあるので、十分よく理解 > できたとは思えませんが、大変面白かったです。Qと違って、WEB上で > 簡単な登録をすればすぐに会員になれるし、取引を始めることが > できます。また、誰でも、自分の好きな通貨をオンライン上で立ち上げる > ことができるそうです。 まったくその通りでしたね。ecopr (エコピーアール)という通貨をさっそく その場で作って摂津さんとOpen Money Projectの生馬さんという方に リントン氏自身を含めて、3人のグループ内で取引デモをして 見せてくれました。 > 「これが、Multi-LETSといわれているものですか?」 > と質問してみたところ、そうだ、とのお返事。スワップ(異なる地域通貨 > 間の黒字と黒字の交換)は可能ですか、とさらに質問してみたところ、 > 取引当事者相互が一定のレートで合意することによって可能だ、との > お返事。 ソフト自体には一定レートを代入して通貨間交換ができるスワップ 機能は備わっていないそうです。 つまり当事者間でメール等で話し合うことしか方法がない。 それはスマートカードでも同様だという説明でした。 とにかく取引相手が必要だということ。 スマートカード自体には複数の通貨それぞれの取引記録が残せる ようでしたが。 スマートカードの特注リーダーはイギリス製だということでした。 ちょっとした電卓のように見える機具でしたが、右側と下側に 2枚のスマートカードを同時に収納できるのには非常に感心しました。 > このサイトのアドレスを控えておけばよかった、と、いま後悔していま > すが、リントンさんのホームページか日本版のオープンマネープロジェクト > のページからリンクで辿れば発見できるかもしれません。今度調べて > みます。 リントンが教えてくださったURLは以下で、摂津さんの 追加メールにある通りです。 http://www.openmoney.org/ 摂津さんを Open Money の世界へといざなった入り口はここに。 http://www.quaylargo.com/cybercredits/ > さらに、スマートカードという、噂にはきいていたものを実際に見せて > いただきました。複数のLETSについて簡単に決済できるカードです。 > 以前のオープンマネープロジェクトのワークショップに参加した蛭田さん > などは一度ご覧になっていたのでしょうが、ぼくなどは、初めて見た > ので、ただただ驚嘆してそれを眺めるばかりでした。 ぼくは、田中正治さんがいつかおっしゃっていたのは、これなんだ、 と思って見ていました。 > 気さくなwise anarchist--これはリントンさん自身がもってきて見せて > くださった『ソトコト』での西部さんとリントンさんの対談の見出しに、 > リントンさんの発言として、「僕は賢いアナーキストなんだよ!」とあった > のを参照しています--のリントンさんはとても魅力的なひとだったので、 > あまりこういうことはしないのですが、思わずサインをおねだりしました。 記事見出しの「賢いアナーキスト」を wise anarchist と直訳したのは どうもわれながら形容矛盾に聴こえ、あわてて intellectual anarchist と訂正したのですが、リントンに大笑いされてしまい、すでに後の 祭りでした。 ケンブリッジで工学を修めたという元英国人のリントン氏は非常に ほほえましいキャラクターの持ち主でした。質問されたので、摂津さんの 取引ニックネームを困惑しながら説明しなくてはならず、"Actually he wants to be a girl." と(せっつさん怒るかもなぁ、と思いながら) こわごわ申し上げたところ、即 "Everybody wants to be a girl!" と まぜっかえして摂津さんを励ます、やさしいユーモアの持ち主でも ありました。 こういう繊細さは英国の文化に由来するもののように思いました。 大学のときに教わった英国人の先生の微笑みとリントン氏の微笑みが ダブりました。(そういえばその先生もケンブリッジ出身者でした。) やはりアメリカ人じゃないな、と思いました。時節柄微妙な話題に なりかねないCIAのことも、平気で茶化していましたし。 ご本人によるとブリティッシュでありスコッティッシュなのだそうです。 ご両親の出自が両方にわたるのかも知れません。 "Code is law." (コンピュータのプロトコールが世界を支配する 法律になる)という名言を吐いた米国の法律学者ローレンスレッシグを 是非参照するように勧めてくれました。ネット倫理を考えるなら、 かれが非常に参考になるよ、と。 スタンフォードのレッシグ教授についてはここに(なぜか ハーバードロースクールのサイトです): http://cyber.law.harvard.edu/lessigbio.html いい出会いの機会を与えてくださったカフェスローのみなさん、 辻さん、蛭田さんにひたすら感謝です。 【0295】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : Re: [q-discussion:0293] Re: マイケル・リントンさん四谷事務所に来訪!−3 差出人 : AsAwA tAkA 送信日時 : 2001/12/18 03:24 -------------------------------------------------------------------------------- 海外の浅輪です。 摂津さん、和氣さん、楽しいレポートありがとうございました。 しかし、リントンさんはまだQが何者か分かっていないようで残念です(笑)。 > >わけです。 > >"Q is right for NAM, but my mother wouldn't get in."(Qは >NAM には合っているが、わたしの母は入らないだろうね。) >とはっきり言われ、聴いていたぼくらはのけぞってしまいましたね。 そういう時は、"oh,yeah? My mom already did." とかいって答えてあげればいいん ですよ。 そもそもQは、リントンさんのお母さんのみでなく、 事業系、ファイナンス、など産業構造全体を包括して入れよう、と考えているので しょう。 そこの所をつかんで頂けないと、Qが分かったとはいえないのでは。 そのための信用創造として、登録の部分をしっかりしているのですよね。 後、取り引き内容が公開されているので、閉鎖的な共同体になるのでは、 というような話もあったかと思いましたが、 これはQをデモ版、正式版に限らず使っていただいた方には分かるように、 品物の検索機能が発展しているので、 知らない人同士でもどんどん取り引きが発展していく可能性があります。 将来的にはそうなっていくと思います。 以上、気になった所だけコメントさせて頂きました。 いずれにせよ、こうやってアソシエートが拡大していくのは素晴らしいですね。 【0473】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : 妄想:過去メールに投げQを! 差出人 : 杉原正浩 "lutsch" 送信日時 : 2002/08/10 22:30 -------------------------------------------------------------------------------- 京都の杉原正浩と申します。 実現可能性をまったく考慮に入れていない妄想を書きます。 現在、各関心系の過去のメールは、「過去ログ」としてNAMのメンバーなら誰 でも読めるように蓄積されていますよね。これらの過去ログ作成の担当者の方々 にはいずれQで対価が支払われることになると思いますが、ここで私が言いた いのは、これらの担当者に投げQをしましょう、ということではありません(そ れはそれで自主的にやってもらったらいいとは思うけど)。 大分時間が経ってから読んでも、とてつもなくすごいアイディアだな、すごい 論理力だな、よくこんなこと調べ上げたな、と関心させられるメールってあり ますよね。けれども、たとえば、ずいぶんと昔のメールなのでわざわざ話を蒸 し返してフォローすることが果たして生産的なのかどうかを迷う場合もあるだ ろうし、また、そのメールが自分による(NAM的な?)実践に大いに役立ったといっ ても、その文章への批評(価値付け)が、ただのメールによる返信の形態しか取 れないというのも何だか変な気がします。 私は、こういう場合にこそ、Qによる批評的価値付けを実践すべきだと思うの です。 もちろん今のままでも、すごいメールを書いたその人個人に投げQをすること は自由にできるし、それが相当古いメールだからといって特に投げQをしにく いわけでもありません。ただ、このような投げQは、個人対個人という形をと るので、投げQそれ自体が、NAMにおける批評的実践という形で一般に見えてき ません。またこのような投げQによる個人間での「決済」は、そのメールが当 該の関心(地域、階層)系において書かれたという事実(文脈)を消去してしまい ます。 それゆえ私が最も望ましいと考えるのは、あるNAMのメンバーが特定の過去メー ルに対する投げQをした場合、その一部分が当該関心系の団体口座へと自動的 に繰り入れられるようなシステムで、かつ、それぞれのメールに対する投げQ 額の総履歴が当該過去メールの横に記載されているような過去ログ閲覧ページ です。当然、この過去メールを閲覧するページの隅っこに、どのメールにいく ら投げQするかを入力する欄(フォーム)を設置することが必須だと思います。 NAMの『原理』組織原則D-5にある、LETSによって対価を支払われるべき「労働」 とは、いまだにセンター事務局に代表されるNAM内の部局の「業務」的なもの に限定されると思われがちです(かな?)。しかし、上にあるようなシステムを つくることがもし可能なら、Qによる批評的価値付け機能をもっと有効に活用 することによって、このような、会員個人のみならず総体としての関心系によっ てもなされる「労働」を、もっと広範に発掘して再評価することが可能になる のではないかと思うのです。 もちろんこのようなシステムを作りあげるのは一朝一夕にできることではない と思います。QはNAMとは別の団体ですから、NAMの過去ログ閲覧ページで以上 のような投げQ操作をしようとしても、それでQの口座が自動的に決済されるよ うにはおそらくできないと思います。一定期間投げQ額等の情報をNAMのサーバ の側に記録しておき、後でまとめてWinds_qで決済する、等の非常にややこし い工夫が必要になるでしょう。またこのようなシステムは、ほとんど一つの LETS決済システムを作り上げるのに等しい労力を必要とするのかもしれません。 NAMの独自MLもまだできてない現状で、プログラムも組めない奴がずいぶんと ふざけたことを書いてしまいましたが、こういう馬鹿なことを考えている奴も NAMにはいるんだ、と読み流していただければ結構です。こういう妄想を書く のを抑制するようになってから随分と日が経つので、そろそろガスを抜こうか なと思って書きました。 乱文失礼いたしました。 杉原正浩 "lutsch" 1970生 理論/コンピュータ/LETS lutsch@... 【0474】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : 妄想:過去メールに投げQを !-2 差出人 : 攝津正 送信日時 : 2002/08/13 13:27 -------------------------------------------------------------------------------- 船橋の攝津です。 > 大分時間が経ってから読んでも、とてつもなくすごいアイディアだな、すごい > 論理力だな、よくこんなこと調べ上げたな、と関心させられるメールってあり > ますよね。けれども、たとえば、ずいぶんと昔のメールなのでわざわざ話を蒸 > し返してフォローすることが果たして生産的なのかどうかを迷う場合もあるだ > ろうし、また、そのメールが自分による(NAM的な?)実践に大いに役立ったといっ > ても、その文章への批評(価値付け)が、ただのメールによる返信の形態しか取 > れないというのも何だか変な気がします。 > > 私は、こういう場合にこそ、Qによる批評的価値付けを実践すべきだと思うの > です。 この部分から先で杉原さんがお書きになっているになっている、システム開発のこと はまったく分からないのですが、現状でも関心系の団体口座に過去の素晴らしいメー ルにたいして投げQすることは可能だし、意味があることだと思います。だいたい事 業をするわけではないNAM の各系が団体口座をもっていて、どうやって使うのか ----ということがありますが、記憶(記録)や記念の媒体として団体口座を使えばい いのではないでしょうか。 先日松本治さんからQで分けて頂いた『マネーの正体』という地域通貨についての本 では、"money"という言葉は"記憶"と"警告"を意味するラテン語に由来するという学 者もいる(p17)、といわれていましたが、"記憶"と"警告"というのを最大限ポジティ ブに捉えれば、すべての取引履歴が記録され公開されているWinds_q こそその記憶 の場、個人のものであるとともにコミュニティのものでもある記憶の場にふさわしい、 と思います。その地域系なり関心系なり階層系なりで生じた、記念され記憶され称賛 されるにふさわしい出来事について、個々人が自発的に判断(批評)しQを支払う、 ということで、産業連関を内包する(あたりまえの貨幣、「強い通貨」になる、使え る通貨になる)というQの大目標とは正反対の方向での極限に赴くことになるのでは ないでしょうか。 「想起」や「感謝」はあくまで個々人のもので、誰に強制されるものでもないはずで す。ただ、その純粋に個人的な営みが、Qの団体口座を介することで、コミュニティ のものへとひらかれていく----個々の出来事が私的な思い出から、コミュニティのメ ンバー総体によって共同占有されている財・富(記念碑)に変貌していく----と思って います。 【0476】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : イスラム経済について 差出人 : kohei masuda 送信日時 : 2002/08/31 04:25 -------------------------------------------------------------------------------- 岡部さん、吉永さん、みなさんへ。 益田です。 吉永さんご指摘ありがとうございます。 間違ってq-project-userに送っていました。 それと、Qはとてももらえません。絶対ダメです。 こんなものでもらうわけにはいきません。 遅くなりました。 しかも時間がなくて、無利子銀行の現状のレポートまではできませんでした。 利子を禁止してどういう風に金融が成り立っているのかということが少しだけわかっ てもらえる程度です。 ほんとは、保険のことについても書こうと思っていたんですが。 あと、具体的にイスラム銀行がどのような歴史をたどってきて、今どうなっているの かなどについても。 http://briefcase.yahoo.co.jp/gyptian45 英語でも結構なら、ここにレジュメがたくさんありますので、使ってください。 これを読めば完璧です。 イスラム経済 コーランの教えを原点としている。「信仰するものよ、財産を不正に浪費してはなら ない。お互いに善にもとづく商売に励め」「礼拝しアッラーの教えを守るものは失敗 の無い商売を願うに等しい」。 イスラム経済学の基礎を作ったとされる13世紀から14世紀にかけての哲学者イブ ンタイミーヤ(Ibn Taimitah)は、市場経済は不公正をもたらすと認識し、経済活動 には倫理的なガイドラインが必要と主張している。現在のイスラム経済にもこの考え が強く出ている。しかし、イスラム経済は現代資本主義経済と共存していくことを目 指しており、相互に排除するのでなく現在の置かれた状況下でイスラム教徒たちがい かにしてアッラーの教え反しない経済活動ができるのかという課題に挑戦している。 イスラム経済学の問題点としては、イスラム法学者はシャリーアには詳しいが経済学 に疎く実務経験に乏しい、急速に代わる経済環境にキャッチアップできない、経済学 者やビジネスマンは尊敬されない風土であることなどが挙げられる。 イスラム経済の中でもっとも特徴的なこと、かつ経済活動に重要にかかわってくるこ とは利子(リバー)の禁止にもとづく無利子銀行の試みである。リバー(riba)の解 釈には三通りある。?高利の禁止、?延滞利子の禁止、?固定利子すべて禁止。利子 は債務者のみに負担を強いるので不公平であり、かつ不労所得を認め、貧富の格差を 拡大するという考えから?の解釈が支配的となっている。 イスラム金融のメカニズム ムダーラバ(mudaharaba) 融資者は借り手に返済を義務付けて融資する。借り手がこの資金で利益をあげたとき は、利益の一部(あらかじめ合意した比率で)を貸し手に元本をあわせて返済する。 借り手が事業に失敗して元本の返済もできなくなったとき、貸し手は融資額の返済を 求めることができない。貸し手は資金を、借り手は労力と他の資産を失う。 ムシャーラカ(musharaka) 新規事業を起こす際など、事業家はノウハウ、労働を提供し、融資者は資金を提供す る。事業は事業家に一任するか、出資者が経営参加するかは選択できる。利益は合意 した比率で分配する。双方とも有限責任である。法人格を有する必要がない。 ムラーバハ(murabaha) 融資者が財の使用者(借り手)に代わって財を購入し、それを、利益をつけた値段で 財の使用者に売却する。代金の返済が完了した時点で所有権は借り手に移る。途中で 支払い困難になれば貸し手は財の処分ができる。 イジャーラ(ijara) 融資者が使用者に代わって財を購入し、使用者にリースする。有志者が所有権を持 つ。使用者は定期的に使用料を払う。リース期間が終わったあと融資者は財の処分が できる。 カルド・アル・ハサン(qard al hassan) 慈善、相互扶助を目的とした融資。利子も取らないし、利益の配分にもあずからな い。善行をつむことによる来世での幸せがアッラーからの報酬という考え方。 用語集 イスラム諸国=56+パレスチナ(国際社会は独立を認めていないが、イスラム世界 では認められている) What does obedience to Allah mean? There are six Pillars(六信)of Faith. 1. Allarh(唯一神アッラー) 2. His angels(アッラーによって光から創られた天使) 3. His books(啓示) 4. His Messengers(預言者。最初がNoahで最後がMuhammad) 5. The Final Day(the Day of Resurrection(復活), when man will be judged, the Hereafter(来世)) 6. And to believe in Qadr(運命) And Muslims should perform 5 duties(五行). 1. Shahada(信仰告白) 2. Salat(礼拝) 3. Zakat(喜捨) 4. Sawn(断食) 5. Haji(巡礼) クルアーン(Qur’an=Koran)=読まれたもの。 イスラム(Islam)=帰依する ムスリム(Muslim)=イスラムしている人 スンナ(Sunna)=預言者の言行 ハディース=ムハンマドの言行についての伝承 シャリーア=元来は「水飲み場に至る道」という意味のアラビア語であるが、イスラ ムでは「アッラー   が預言者ムハンマドを通じて人間に与えた、人間の正しい生 き方を示す道」という特別の意味を与    えられている。イスラムの解釈によれ ば、シャリーアは世界の秩序と人間生活のいっさいを規律する規範である。 ウンマ=共同体 カリフ(Calif)=後継者(ハリーファ)  正統カリフ時代:アブー・バクル→ウマル→ウスマーン→アリー(ムハンマドの徒 弟) スルタン(Sultan)=支配者、君主 シャー=王(ペルシャ語) ウラマー(ulama)=学者、知識人 イマーム(iman)=血統にもとづく指導者。 ヒジュラ(Hegira)=622年のメッカ(Mecca)からマディーナ(Medina=預言者 の町)への移住。 イスラーム暦紀元元年。 スンナ派=預言者の言行(スンナ)を重視する。  カリフやスルタンには立法権がなく、ウラマーが立法、解釈する。  預言者のムハンマドですら一人の人間に過ぎないとされ、  また、明日にもこの世の終わりが訪れ、人々は最後の審判を受けねばならないとす る。  現在、イスラム教徒の9割。 シーア派=アリーとその子孫を正統な指導者とみなす。  イマームにはコーランの内的意味を会得する秘儀(バラカ=奇跡を起こす力) が預言者から伝えられているとみなした。 現在、イランの大部分、イラクの約半分。 イランはシーア派の中の十二イマーム派。 十二イマーム派=アリー以後11人のイマームが出たあと、12人目のイマームは、  874年に姿を消し、いつの日か終末の日より前に、 この世に正義をもたらすために救世主として再来する、と考える。 マムルーク=奴隷軍人(所有されるものという意味)。白人。 レコンキスタ=キリスト教徒による国土回復運動。 ダール・アルイスラーム=イスラームの世界 ダール・アルハルブ=戦争の世界 ワクフ=寄進 参考文献 現状イスラム経済―中東ビジネスのすすめ ジェトロ叢書  石田 進(著), 田中 民之(著), 武藤 幸治(著) 都市の文明イスラーム 新書イスラームの世界史〈1〉  佐藤 次高 (編集), 鈴木 董 (編集) 新書 (1993/09/01) 講談社 パクス・イスラミカの世紀 新書イスラームの世界史〈2〉  鈴木 董 (編集) 新書 (1993/10/01) 講談社 イスラーム復興はなるか 新書イスラームの世界史〈3〉  坂本 勉 (編集), 鈴木 董 (編集) 新書 (1993/11/01) 講談社 ------------------------- Kohei Masuda 益田耕平 海外、学生、Forum編集局 Winds_q ニックネーム:msd ------------------------- 【0497】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : 労働・ダンス・貨幣(覚え書き) 差出人 : susumax 送信日時 : 2002/10/20 17:48 -------------------------------------------------------------------------------- 菅原です。(第三世界連絡責任者、東京) 先ほど、このタイトルで第三世界にメール送信してからeventメールをみたところ、こ のメーリングリストにも転送されてあるように、前代表の柄谷さんからの提案メール があるのをしりました。 第三世界に送ったメールをコピーするとともに(誤字脱字が多すぎたの直しておきま すが、また、つけたしあり。)、少し補足します。 私の理解では、 現行のQには「地域(現場)」が前提とされていない、ということだとおもいます。 コピーする第三世界のメールで少し言及したことですが、厚木で日本語教室を開きな がら、どうやってQなり地域通貨の普及などできるのかな、と試行錯誤しながらでてき たアイデアは、とにかくユニークな個性をもっている者がどんどん発行していく、だ から、それはWAT方式的になりますが、双方がQ会員であるなら、その取引だけの決済 をWindsに記入しておけばいいだろう、ということでした。 私の現場感覚では(といっても、それ自体が特殊的ですが)、単なるWAT方式でも、な んかだめだろうと。だから、Q-gusutavoなどと、当人の名前を借りて、似顔絵つきの 紙幣式みたいなのがベターだとか考えました。 が、問題なのは、そういう類のことではない、とおもいます。(履歴が公開されてし まう、とか、本名でないとだめ、とかいう規約上のことは、理論的というよりは、手 続上の問題に私にはみえます。といっても、そこにQ管幹部が頑固にこだわってき、し かもそこに批判的視点が集中したのは、まさにRAMのメールで、岡崎さんが執拗にそこ で抵抗してきたのも見知っています。) たとえば、柄谷さんが参加された青山さん主催の会合では、NAM非会員のほうが中心的 でおおかったのではないかとおもいます。 具体的に「現場」でなにかをしようとするとき、現状のNAM会員は「生産者」でもなけ れば、お金持ちでもない。また、あまりに世間知らずです。また、各自の現場をもっ ているわけでもない。(ほんとうはあるはずだけど)---私がいいたいのは、そこにお いて、つまり「現場」において、理論的な欠陥が克服された通貨形式がでてきても、 やはり同じ問題が生じてくるだろう、ということです。ここは、理論の問題ではな い。単純に、実際に「やる」段階になってでてくる問題だとおもいます。 (といっても、その新しい通貨形式がどういうものか知りませんので、違うというこ ともありえるのか? とかもおもいますが。) だから逆に、NAM本体の役割がはっきりしてくる。 青山さんのプロジェクトが有意義なのは、非会員とやっているということにあるとお もいます。また、これまでのプロジェクトと違うのは、まず自分の責任において率先 して行動している、ということだとおもいます。 といっても、新しい地域通貨を作るプロジェクトなりが進められることはいいことだ とおもいます。(東京でも、まさに柄谷さんが指摘しているのと同じような批判的視 点から、動きが非会員の間である。)が、すでにNAM(から)のプロジェクトとして外 にでてしまったものを、「認識」から直結して行動していくことには無理があるだろ うと私はおもいます。(しかも、会費として導入し、実施したのだ。)つまり、説得 的でなければならない手続がいる。(だから私は評議会にて、最低1年は実施したこと をつづけて、その改訂の実施は、まだ表にはでない潜在的なところ(NAM内プロジェク トももちろんはいる)でやるべきだ、と意見した。また、そのくらい新しいことを実 施するには時間がかかるはずだとおもいます。) 長くなるので、この辺でやめます。 ---------------------------------------------------------- 菅原です。 私も事情はまた聞きからしかしりませんが、NAMとQ管の間でのすれ違いをめぐった 議論のひとつに、Qというか、そのWindsの操作等の煩雑さ、使いにくさ等が普及の 障害という意見もあったようなので、それから思ったことを覚え書きとして書いて おこうとおもいました。 ---------------- 私が大学を卒業してフリーターになったのは? 1)朝同じ時間に起きるのが面倒だから。 カフエスローで先々週だったかおこなわれたフリーターを考える会のなかで、講師の 厚生省の労組の親分は、バブル期に積極的な立場であったかもしれないフリーターと いう立場が、この不景気のなかで、労働形態の多様化という建前のもとに、法的に追 い込まれ囲い込まれてきている、との報告があった。 そのバブル期、それでも3Kといわれる肉体労働が嫌われる。 しかし、デイスコで踊るのが苦にならないのはどうして? もちろん、資本下の産業形態において、肉体が訓育されているから。 クラシックバレーをやめてフリーではじめる人には、まずその古典的に訓練された身 体を崩すことからはじめる、ようにみえる。彼ら彼女たちは、体を動かすこと自体を 楽しんで踊りだす。 公園で植木の手入れをしていると、みる、ヨチヨチ歩きしはじめた子供が、二歩、三 歩とだすのはなぜ? それは、はじめて走る身体の感覚に喜びを覚えるから? しか し、それでも、そんな段階の子供は、ある一定の範囲にくると、泣くか、振り返って 母親を呼ぶ。----そこに、柄谷さんの初期エッセーにある、キルケゴールの「掘っ立 て小屋の思考」の問題、そして地域通貨の地域ということ、あるいは、そのWAT方式と LETS方式の問題がからんでくる。 (オフライン通帳の、記入という身体の行為を楽しんでいた人もいたはず。また、日 本語学校を開きながら「どう」するかということを考えて、私にでてきたアイデア は、LETSとWATの並列的な用法を、固有名によって特殊化することによって普遍化(普 及)させたほうがいい、というか、両者だけのやり方だと、相当「現場(地域)」に おいて無理がでてくるとわかってくる。) 円の使用が面倒でない、というのは本当か? それは、便利か? 1)財布をもたなくてはならない。小銭やカードが増えると、お尻が重たくなる。 2)泥棒の心配。落とすと警察署まで。 3)だから銀行にあずけたりおろしたり。 4)その選択にもいっぱいあって、勉強と面倒がでる。送金のときのオンライン操作 はむずかしいぞ。 だから、なのか、職人のなかには、財布をもたない人もいる。ぜんぶ裸のままポケッ トにいれている。が、突っ込んだ手の指の感触で、正確にその金額をひきだしてく る。その身体の技法は? 1)まず、財布が面倒であるという「認識」がなくてはならない。 2)その現行の通貨形態が強いる訓育された身体に対する、肉体的な抵抗の練習が必 要となってくる。(が、なんでそれを続けられたのか?---この意見をダンスをやって いる人にいったら、ヨーロッパ人などは財布はもたないで、お札も縦に折ってポケッ トにいれているのがおおいよ、といわれた。日本では、ヤクザがそうだけど。) エリック・ホッフアーというアメリカのユダヤ人の思想家はいっている。 「弱い少数派であるユダヤ人や、銀行取引が発達するなかで、いまだ封建君主の支配 下に置かれていた商人階級が果たした役割を考えると、どうも貨幣は弱者が発明した もののように思われる。絶対権力者はつねに金を嫌悪してきた。人びとが高邁な理想 によって動機づけられることを期待し、自分の支配を維持するために結局、恐怖に訴 える。貨幣が支配的役割を果たさなくなったとき、自動的な進歩は終わりを告げる。 通貨の崩壊は文明の崩壊の予兆である。金と利潤の追求は、取るに足りない卑しいこ とのように思われがちだが、高邁な理想によってのみ人びとが行動し奮闘する場所で は、日常生活は貧しく困難なものになるだろう。/慣れ親しむことは、生の刃先を鈍ら せる。おそらくこの世界において永遠のよそ者であること、他の惑星からの訪問者で あることが芸術家の証なのであろう。」 また、彼の有名な言葉。---「山を動かす技術のあるところでは、山を動かす信仰はい らない。」 が、これは正確な言葉ではない。 山を動かそうという信仰(意志)がなければ、その技術はうまれない。が、その意 志は強いられてくる。(はじめに光があったという信仰からのアイシュタインの相対 性理論、あるいは教会のドーム建築。) 庭で石を据える技術とは、石をどかす技術である。河原者が洪水で住居が流されて も、そこにしか住めないので、石をどかす技術。 職人には、二つの信仰がある。構造に対するものと、経験を超えた経験に対するも の。植木職人が個人の経験では判断できないその枝をわたっていくのも、その枝先 に、剪定の痕跡がみえるから、いけるはずだ、と判断する。単管パイプの足場は、四 つに組まれるまではぐらぐら、構造はだいじょうぶだといわれても、経験的、身体感 覚的にはこわくてやってやれない----ことをつづけるのは、親方や上の職人がやって いるのをみるから。また、彼らにはそれで食っていくしかない、と判断する。(子供 の木登りを超えた職人の木登りの技術=信仰、落下という物体の法則に逆らっても作 っていくドーム建築。) *昨日と今日と、建設現場の重機免許の講習にいっていましたが、そこで講師の人が いっていました。阪神大震災の復旧作業で、半壊したビルを解体するために重機を運 転していた作業員は、不安定な場所でパワーショベルなどを動かすので転倒し、それ で100人以上死んでいる。 居場所がないとはどういうことか? そこしかない、と判断するとはどういうこと か? しかし、ユダヤ人は、そこから貨幣を生み出したのだ。 パレスチナの人は、どんな技術を生み出すのか? 子供が泣き、呼ぶという身体の振るえ(抵抗)は、どんな技法を要請しているのか? 【0498】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : Re: 柄谷行人の提案2 差出人 : megumi moritani 送信日時 : 2002/10/20 20:34 -------------------------------------------------------------------------------- 森谷めぐみです。理論系の連絡責任者をさせていただいています。 以下、評議会の一員としてではなく、個人として発言します。 柄谷さんの提案に抗議し、撤回を要望します。 プロジェクトを立ち上げること自体に反対するのではありません。 Qに欠陥があるのなら、それを逐一指摘し、Qハイブと討議を重ねるべきだし そのような労力を避けたい、つまりQにこれ以上時間をとられたくはないので Qとは別に新プロジェクトを立ち上げたいのなら、 Qの問題とは切り離したところで、そう提案すべきです。 前代表としての影響力の強い立場で、NAM会員にQへの協力をとりやめるよう 要請したり、Q管理委員会の幹部への信用を失墜させる 一方的なご判断をのべることには強い疑念を感じます。 たとえ失敗や試行錯誤があったとはいえ これまで仮にも同じひとつの運動の中で協力し合い、過大な労力を ご提供いただいた方々に対し、たった一通のメールの中で 公然とその名誉を傷つけ、その努力を無にするようなことを するのは、人間的にも、アソシエーショ二ズムの倫理に照らしても 間違っているのではないでしょうか? 仮に深い事情があり、柄谷さんにとっては必然的な判断だったとしても 、多くの一般会員はそれらの事情を知りません。柄谷さんの言葉に 引きずられるような形で、NAM会員たちが今、Qから手をひけば NAMに対する社会的信用など一気に失われてしまうでしょう。 現在評議会では、Qをめぐる特別委員会が開かれようとしており これまで起こってきた問題について集約し、今後のNAMとQとの新たな関係構築のための 討議のたたき台を作ろうとしているところです。Qに協力するか協力しないか Qを信用するか信用しないかは、各会員がその情報をみずから判断し 主体的に選び取るべきではないでしょうか? どれだけ時間がかかろうと、そのための地道な努力を各人が (自ら判断できる力をつけることも含めて) 積み重ねることだけが、この対抗運動を持続させ 深く社会に根付いたものにするのではないのでしょうか? 【0530】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : Re: [nam-event] 退会しますー柄谷行人 差出人 : 杉原正浩 "lutsch" 送信日時 : 2002/10/23 19:16 -------------------------------------------------------------------------------- 京都の杉原正浩です。Q管理運営委員です。 以下、このメールを自己責任で書きます。 柄谷さん、もうこのMLをお読みではないでしょうが、「L」のご説明、ありが とうございました。素晴しい構想だと思います。 Qの問題点のご指摘にも、ほとんど全て同意します。 From: "krtn" > Qは赤軍的です。そこに世界革命の展望があるなどと思い込むのは、 > ピョンヤンに飛んでいくようなものです。私がNAMをはじめたのは、こういう自 > 己犠牲のメンタリティを根本的に否定するためでしたが、昔も今も、変わりがな > いようです。 自己犠牲を「赤軍的」と呼ぶのであれば、私がまさにそのような「赤軍的」な 行動をずっと取ってきた者だと思います。その意味で、私がNAM的ではないこ とを、この場で全面的に認めます。 ただし私は、理論のないピョンヤンに飛んでいく気は毛頭ありません。私はこ の一年半、理論を他のかた(柄谷さんや西部さん)におまかせして(つまりNAM内 分業に基づき)、実践に没頭しようとしてきました。そういうことをやる人が NAMには不足していたし、実際自分の中途半端な実務能力がその方面で役立つ ことも多いのではないかという予想もあったのです。 しかし、結局そのような粗雑な判断が仇になって、NAM会員のみなさんに多大 なご迷惑をおかけすることになったように思います。決して理論を軽視すべき ではなかった、Qの始動の時点で、疑問点を徹底的に追及すべきだった、と思 います。西部さんがネオリカーディアン的な理論(非マルクス)に固執しておら れることはずっと以前(京都シンポのためのオンライン読書会のころ)から気付 いていましたが、柄谷さんが西部さんに対する批判を全くされないこともあり、 ひょっとしたらLETSにおいては古典派経済学理論に基づいても構わないのかも しれない、と、理論的考察を完全に放棄してしまいました。結局今ごろになっ て、西部さんの構成されたQ規約の場当り主義に気付き、Q管理運営委員として 今後どうしようかと途方に暮れている次第です。全くの阿呆ですね。 (ただ、正直言って、このようなQに対する理論的な批判を、もっと早い段階で 公開していただきたかった、と、口惜しくはあります。) とはいえ、柄谷さんが提案されるようには、私はQをやめるわけにはいきませ ん。もうQ管理運営委員になってしまった以上、一般ユーザーに対し責任があ るからです。今だにQ(というよりネット上地域通貨システム)に希望を見いだ しているかたも現に存在するからです。 理論的な見地からいって、もしQのようなオンライン上のLETSシステムに幾ら かでも展望があるのであれば、できるだけユーザーの使いやすい形にQを根本 的に変えねばならないでしょうし、もしQに展望が全くないのであれば、責任 を持ってQの閉鎖処理にあたる他ないのではないかと思います。その過程では、 西部さんが大枠を構成された現行のQ規約に対する批判作業は不可避だと考え られます。これもある意味「赤軍」的な行為にならざるを得ませんが、仕方が ないとも思います。 Q会員のみなさんには、先ほど、Q管理運営委員会から監査委員の募集メールが 届いたことと思います。これは少しでもQをユーザーに開かれたよりよいもの にしようとするための、(攝津さんたちのご尽力による)ささやかな一歩なので すが、そもそも我々がQの根本的な欠陥に気付くのがあまりに遅過ぎたのかも しれません。 今後Qがどうなるにせよ、みなさんの注視をお願いします。Qが存続することが もし可能であれば、それは今後の抜本的な改革なしには済まされないと思いま す。 杉原正浩 "lutsch" 1970生 理論/コンピュータ/LETS lutsch@... 【0547】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : Qの改革 差出人 : 杉原正浩 "lutsch" 送信日時 : 2002/10/24 23:41 -------------------------------------------------------------------------------- 杉原正浩です。 Subject: [q-discussion:0530] Re: [nam-event] 退会しますー柄谷行人 > 今後Qがどうなるにせよ、みなさんの注視をお願いします。Qが存続することが > もし可能であれば、それは今後の抜本的な改革なしには済まされないと思いま > す。 今後私は、NAM会員・非NAM会員があれほどの労力を払ってQを支援したことを 無にすることがないよう、当面、Qを根本から改革するために活動することを 自らに課します。何者かによってその種の改革が断固として受け入れられない のであれば、Qは滅ぶほかないのではないかと考えます。 私の希望は、Qを、使いやすい当たり前のネット上の地域通貨にすることです。 私自身はQそのものに何の未練もありませんが(というかそもそもLETS自体に若 干懐疑的)、わざわざQに参加してくださった方々のことを考えると、Lを含め、 Qの代替通貨が今のところ存在しない以上、他ならぬ今Qを滅ぼすのは最後の手 段だと思われるのです。 Lや他の地域通貨が有用なものになったときにQが相変わらず役に立たないので あれば、適切な手段によってユーザーの移行を補助するべきでしょう。 杉原正浩 "lutsch" 1970生 理論/コンピュータ/LETS lutsch@... 【0555】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : 阿Qの徒より慰留申し上げます。 差出人 : kenta ohji 送信日時 : 2002/10/25 20:51 -------------------------------------------------------------------------------- 「革命も悪くないぞ」と阿Qは考えた。 「こん畜生どもをカクメイしてやる、憎い野郎どもを.....おいらだって、革命党に入れるぞ」 ー魯迅『阿Q正伝』 柄谷さん、  阿Qの徒、ピョンヤン系官僚、と思しき王寺です。  柄谷さんのNAM退会のメール、まず非常にユーモラスで爆笑してしまいました。柄谷さんの 言っていることについてはほぼ異論はありません。柄谷さんの退会を含め、いくつかの点を除いて、と言 うことになりますが。柄谷さんを慰留したいと思い、このメールを書いています。  まず、 「私は、あからさまに私の発言を妨げた人たちだけでなく、何だかんだといいなが ら、民主的手続きがどうのこうのといいながら、私の提案をこれまでぐずぐずと 放置してきている人たちに抗議して、NAMを退会します。」  僕も、自分のやっていることがどうにも官僚的かつ悪しき形式主義でもういかんともしがたいという自覚は 十分にあり、その点について柄谷さんの腹立ちは十二分にわかります。しかし、柄谷さんの提言について は、Qのオフ会のときからこれまで僕はそれを最大限汲み取ってきたつもりです。  ただし、僕は「Qは終わった」については、内容・やりくちともに感心しなかった。王寺のクソ小学生が、 とお思いでしょうが、以下柄谷さんへの苦言を書きます。  まず内容について、  僕は「Qは終わった」は内容が貧弱で、論理的なつながりのよく分からない文章だと思いました。 理論的な欠陥があるといいつつ、何がその理論的な欠陥であるかについての指摘さえない。理論的な 批判に値するようなQ固有の理論などないと言ってしまえばそれまでですが、例えば浅輪さんがどこかで 指摘されていたように、貨幣は流通しなければ意味がない、それだけのことすら言っていない。柄谷 さんにとってQ(=西部さん)が終わったということを宣言する役割のつよい文章であったからこ そ、q-discussionの反応もその「パフォーマティヴ」な側面に集中したのではないかと思います。  僕個人は、Qの「無理」は貨幣の流通のみならず、不特定多数の人と売買される物品と流通する貨幣 という経済的な流通に関わる場そのものをゼロからつくり出そうとしたところにあったと思っています。またQ がLETSという均衡システムを導入している以上、それが存在するだけでひとりでに広がって行くような 性質のものではないことは明らかです。(使っている人が分散していようがいまいが閉鎖系・均衡系には変 わりないのだから。しかしこんなことは、僕は柄谷さんにはQが始まるずっと前に言いました。)しかし、NAM はLETSをそれがゼロサム原理という均衡のシステムを備えているが故に資本への転化を防止しうる貨幣 として評価し、原理の中でその拡大を資本性に対する対抗運動の主軸として唱ってきた。それなら ば、NAMという多次元の社会運動がQの拡大のダイナミズムをもたらすほかない。Qは放っといても拡大 しない、それは原理的に言って当然のことだし、最初っから分かっていたことです。それは別にQだけの 責任ではなく、QにのっかりながらNAMが十分に活動を展開できていないことにも責任の一半はある。 いずれにせよ、一年くらいでQが爆発的に広がることを望むのは、理論的にも実践的にも無理、それは柄谷 さんもよく分かっておられる通りです。  経済的な流通に関わる全てをゼロからつくり出す「無理」に留意して、場所、ものを言わば既成の 資本制市場に寄生しながら地域貨幣の流通を提唱しているLの方向はいいと思います。このままではQは ハイパーヤマギシズムの道を歩む可能性があるから。しかし、それも使いやすいLETSだからといって 放っといたら拡大するかと言うとそんなことはあり得ないと思う。繰り返しますが、閉鎖系・均衡系で考 えられているLETSのつくりだす経済網がそれ自体で拡大を目指すことなんかあり得ないんだから。 貨幣を作って放っておけば、みんなが興味を持って乗って来るかっていうと、そんなことはないでしょう。 ここでもまた「啓蒙」および諸活動はどうしても必要になって来るだろう。しかも、資本制市場 になかばのっかって拡大を図ろうとした場合、資本と国家への対抗運動にどう結び付けるのか、といった 課題が残ると思う。Qが出発したときに、それを資本制市場のcomplementとしてではな く、alternativeとして考えなければ行けない、と言っていたのは他ならぬ柄谷さんだったと思います。 もうけにさとい商売人が、地域貨幣をcomplementとしてではなく、alternativeとして活用 するところにまで手を延ばして行くにはLが相当広がることが必要であり、そしてそれが相当広 がるためには多大な労力がいるはずです。そしてさらにそれに成功したところで、アルゼンチンのRGT のように(最近、合法化の影響で約半数の定期市市場が閉鎖に追い込まれた)国家の規制と衝突 するという問題も出て来るでしょう。  とはいえ、僕はLを退けると言っているのではない。Qの現状では資本と国家に対する対抗運動としては話 にならんというのもその通りだし、もっと使える通貨を考えないとダメだ、というのもその通りだと思 います。しかし、なにか新しいLETSを生み出せば、それで一挙に資本制が転覆するかのように 語ったのでは、一つの幻想からもう一つの幻想に乗り換えただけと言わざるをえないと思う。その点、僕は 山城むつみさんがかねがね主張してこられたように、「生産諸関係の変革」こそが重要だ、それにとっ てLETSは重要な補助となる、という認識が必要だと思う。それは地域貨幣の拡大のためにも必要だと 思う。幻想を幻想によって糊塗するような態度は実践とは無縁であり、それを出発点にしたのではNAM の新しい活動など覚束ない。それは柄谷さんがずっと主張してこられたことだと思います。しかも柄谷さん 一人だけさめていたのではだめだ。だから、NAM会員が幻想を駆逐するためは、NAMのなかでの討論が 必要であると思います。まあ、話せば分かるとは言いませんが、すくなくとものっけから暴力に訴 えるのはさけて、ひとまず話してみることは必要ではないでしょうか。僕は柄谷さんと一緒にそれらの実践 をやりたいと思っています。  つぎにやりくちについて。ちょっときついこともいいますが聞いて下さい。  柄谷さんはQのオフ会への介入、Qの放棄の宣言(規約委員会)、そして今回の大会の宣言に至るまで、 常に対立の場に曝されると対立の場自体をひっくり返す「ちゃぶ台返し」のような形で自己肯定 してこられた。それについては僕は全く感心しなかった。 I)Qのオフ会への介入  僕は、ここでの柄谷さんの姿勢を支持しています。Qの理論的な問題以前に、Q管理委員会の運営に、 登記人をはじめとするQハイヴの実動メンバーへの配慮を欠いた側面があったのは事実だと思います。 しかし、一方で柄谷さんの言動に、個人への暴力的な中傷や事実確認を欠いた不用意な発言 があったことも事実でしょう。僕は、人はそういう勇み足をするものなんだから単にそれについて謝 ればいいではないかと思ったし、柄谷さんにもその旨私信を書いたことがあります。柄谷さんが自分の非 を認めさえすれば、Qハイブの運営の非人間性に対する柄谷さんの批判 はすんなりうけいれられるのではないですか、と。  しかし柄谷さんはその謝罪をしなかった。しかも、Qハイヴの幹部(宮地さんと穂積さん)に対する批判 (中傷)は、実は西部さんに対するもので、自分は西部さんに対しては自分は辛抱強かったのだと、 自己正当化につとめられた。規約委員会では批評空間のことまで持ち出して西部攻撃につとめた。西部 さんに対する腹立ちがあったのはわかります。僕も、経済学の用語で扮飾して自分の主張を権威 づけるような西部さんの物言いには嫌なものを感じた。しかしそれで柄谷さんの「暴言」を肯定 されたのでは困る。「ちゃぶ台返し」の1)です。 II)Qの放棄の宣言  暫くして、柄谷さんは今度はQは理論的に誤っていた、としてQの放棄を宣言された(規約委員会)。僕 はこのときはある意味で、ああこの人は全く理論家なんだなと思って少しおかしかったし(今日のメール と同じような意味であれはユーモラスでした)、嬉しくもあった。つまり対立が生まれたときにその対立が生 まれてくる基盤にさかのぼってその基盤自体を理論的に批判しようとしているのだなと、好意的に受け止 めていました。やってくれたらいい、と。しかし、規約委員複数からのQ批判の展開の要請にもかかわらず、 柄谷さんはそれをしなかった。これは強調しておきます。柄谷さんは、NAMのほかのメンバーが、柄谷 さん頼むよ、おれたちゃあ聞くよ、と言ってるときに提案をしなかったのです。    そして出てきたのが「柄谷行人の提案」ですが、それには規約委員会での発言以上の「理論的な批判」の 展開はなく、西部さんへの攻撃が加わっていただけだった。柄谷さんにとってそれを宣言することが必要 だったのは分かりますが、それはユーモラスなものではありませんでした。しかも、それを柄谷さんはNAM 評議会や規約委員会で議論にかけることが十分にできたにもかかわらず、いきなりnam-eventに 投稿し、しかもML上での下らない議論にはつきあわないと一方的な宣言をした。これも第二の強調点 ですが、提案を出したときに柄谷さんは議論を最初から拒否したのです。  柄谷さん、ボナパるなあ、というのが僕の印象でした。これはNAMの他のメンバーに対して、またQ のなかで柄谷さんの意志を最大限にくんでこれまで議論を続けてきたメンバーに対して傲慢な態度 だったと思う。これが「ちゃぶ台返し」の2)です。しかし、僕はそれに対して批判をしましたが、(柄谷さんは 最初から議論を拒否していたとはいえ)NAMの内部での議論ならばやればいい、と思っていた。  しかし、柄谷さんはさらに、同様の文章「Qは終わった」をWebに載せることを提案された。僕はNAMがQを 公式に推進してきた以上、それをやめるという決定はNAMの総体でなされるほかないと思います。それが 非個人主義的でNAM的でないと言われるなら、NAM総体でQへの加入を義務付けたその決断が既 にそうだったと言うほかない。そして、代表からの取り下げ要求にも関わらず、エッセイは掲載された。 「ちゃぶ台返し」の3)です。(ただし、いろいろと連絡の齟齬もあったようなので、これを柄谷さん一人の 責任として言うのはやり過ぎかもしれません。)  これに対して、評議会が即刻取り下げの要求をし、強制的にエッセイをウェブから消去した。 III)NAM脱退    それから、「退会します」のメール、  「私は、あからさまに私の発言を妨げた人たちだけでなく、何だかんだといいながら、民主的手続 きがどうのこうのといいながら、私の提案をこれまでぐずぐずと放置してきている人たちに抗議し て、NAMを退会します。」  僕が、柄谷さんの発言に対してピョンヤン官僚的に振る舞ってしまったことは、申し訳ないと 思っています。    にもかかわらず、これは問題のすり替えだと思います。匹夫不可奪志。また「NAMがQを公式に推進 してきた以上、それをやめるという決定はNAMの総体でなされるほかない」。柄谷さんは自分の提案が受 け入れられていないとおっしゃっていますが、しかし柄谷さんは「提案」そのものを真っ当 にはされてこなかった。これが「ちゃぶ台返し」の4)です。  もう一度繰り返しますが、柄谷さんは1)規約委員会で提起ができたにもかかわらずそれをしなかった。 僕は批判の展開をお願いします、と言いました。聴衆が待っているのに、柄谷さんは講演をすっぽかした。 2)「柄谷行人の提案」は、Qへの断絶の表明とLの紹介なき顕揚があっただけで、まともな議論の提起 ではなかった。そもそも、柄谷さんは最初から議論を拒絶するかたちでメールを投稿された。3)柄谷さん がQの批判とそれにかわるLETSの提起を多少なりとも丁寧にしたのは「退会します」のメールが初 めてだと思います。しかし、そのメールはまさしく「退会」のメールだった。  これでは提案を受け入れるも何も、最初から議論にならないじゃないですか(笑)。たしかに特別委員会 だの何だのやけに時間はかかったけれども、NAMのなかでQの問題点を巡る議論とあらたなLETSの プロジェクトを立ち上げようという提案は、すでに「柄谷行人の提案」以前に田中正治さんから評議会に出 ていました。なんかようやくMLも動きだすようだから、そっちで柄谷さんの提案を議論 することはできませんか。    以上、ちょっときついかもしれませんが、柄谷さんへの苦言を列ねました。柄谷さんは今回一貫して対立・ 紛争の場そのものを「ちゃぶ台返し」のようにひっくり返してこられた。それは柄谷さんの理論家としての 姿勢をよく示していると思いますが、今回に限って言えば対立以前の場にさかのぼって場所自体を問 うという柄谷さんの振る舞いは十分に理論的な表現をとっていないし、悪い意味でパラノイアックな 自己正当化の役割しか果たしてこなかったと思います。その結果、柄谷さんの提言の持つ正当性さえ 見失われてしまうがあってはならないと僕は思っていますが、同時に多くのNAM会員にとってそれが見失 われることも今回の柄谷さんのやり方ではやむを得ない。くどいようですが、もう一度繰り返しておけば、 今回の一連のQ批判において、柄谷さんは他人からの異論はもとより賛意をさえ拒絶するような「絶対」 的な物言いしかされてこなかったのだから。もう一回「提案」ないし「対立・紛争」の場所 までおりてきてはもらえまいか、というのが僕の希望です。  僕には、西部さんに対する怒りが、あちこち混線して柄谷さんが「倫理的に」脱線しているように思 えます。僕が、ほとほとピョンヤン官僚的でいやんなるな、と思いながら、こりゃあいかん、とギフン にかられたのは以上のような理由です。ギフンなんかクソだ、と言われるかもしれませんが(笑)。  僕は、柄谷さんに個人的に大きな敬意と信頼感を持っています。それに僕は柄谷さんのことが基本的 に好きですから、今回の柄谷さんの一連の「ちゃぶ台返し」にしたって、それでは通るものも通らないよ、 と思いながらも、まあ一方で柄谷さんのふるまいをおもしろがってみていました。逆に、だからこそ、僕 がNAMにとって不当であると思われることを意をつくして説けば、それを理不尽にはねつける人 ではない、と柄谷さんのことを思っています。以上、うだうだと駄弁を列ねた理由です。「この山から降 りて行こう!あの下界に向かって行こう!」位の気持ちでNAMに戻ってきてもらえればと思います。  「それではひとまずさようなら」。  王寺賢太 【0569】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : 森谷さんの退会も引き止めて! 差出人 : Furukawa 送信日時 : 2002/11/03 13:22 -------------------------------------------------------------------------------- 古川さつき(賛助)です。 この発言はどこでするのか分からずにしていますので、 間違っていたら、お許しください。 賛助でもあるし、こんな時に私などが出る幕ではないと 思っておりましたが、昨日、評議会の過去メールを見て いて、森谷さんの退会発言があって驚きました。その後 どうなさったのでしょうか?こういう方が去って行かれる のは由々しきことです。「トランスクリティーク」をバイブルに 「一人でもNAMの運動はできる」と退会していく方が 増えるのではないかと心配です。 確かにQには欠陥がたくさんあるでしょう。しかし、ご自分が 産みだしたお一人だからといって、できの悪い子と決め付けた 我が子に止めを刺すことは、お節介です。すでに歩き出して いるのですから。(歩いていないとおっしゃいますが、Qの パソコンのシステム上では見えない、小さな動きがあるのです。) 放置して自然淘汰に任せていいと思います。これから多くの プロジェクトが立ち上がっていく中で、失敗もあるでしょう。 そのことが「柄谷行人」の名を汚すものでは決してないことは 言うまでもありません。感情的な方ほど、ハートがホットなもの です。そこがまた、多くの方を引きつける所以でもあるのでしょう。 しかし、組織には政治的センスを必要とします。それがなければ 宗教です。NAM研究室であるならば、何も問題はありませんが。 出すぎたことを申しました。 Furukawa 【0575】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : Re: L についての疑問 差出人 : 杉原正浩 "lutsch" 送信日時 : 2002/11/04 21:02 -------------------------------------------------------------------------------- 杉原正浩と申します。Q管理運営委員です。 境沢さん、はじめまして。 時期的にちょっと微妙かな、と思うのですが、私の個人的な意見を書きます。 境沢さんもご心配でしょうから。 まず、あたり前のことですが、私はLの開発・運営に関わっていないので、個 人が赤字発行できるかどうかについての詳細を知りません。ですが、Lが当面 そのような機能を持たなくとも何とかやりくりする方法はあると思います。 まず、Qの決済ソフトはフリーソフトです(正確にいうと新規開発版からのよう ですが)。つまり誰でも自由にコピーして利用できます。したがってその気が あれば、すなわちそのソフトをたとえばNAMのサーバにインストールすれば、 直ちに「偽Q」のLETSシステムが動かせるようになります。これは機能的にはQ と全く同じですから(NAMの外ではそのままでは通用しませんが)、境沢さんが おっしゃるような要求を満たすことは可能だと思います。 ところでQ管理運営委員会では、現在根本的なシステム改革を模索中です。具 体的にいうと、現行Q規約について、その問題点の洗い出しと再検討を進めよ うとしているところです。今のところ西部さんと私とで根本的に意見が対立し ていますが、どのような形であれ、そのうち決着がつくでしょう。 10年後とかはわかりませんが、私は、少なくともLや他の地域通貨がNAM会員や Qに参加してくださった非NAM会員に利用しやすくなるまでは、Qを何とか維持 していきたいと考えています。もちろんこれはNAM会員に今まで同様のご協力 を願いたいという意味では決してなく、NAMに依存しないでも維持できるよう なQに変えなければ、Qは潰れるだろうという意味です。その意味で、今後のQ は決して今のようなものではありえないでしょう。 もちろんこれは私の個人的な希望であり、実際にどうなるかはわかりません。 現時点では全てが未知数です。 杉原正浩 "lutsch" 1970生 理論/コンピュータ/LETS lutsch@... 【0576】 -------------------------------------------------------------------------------- 件  名 : 退会について:森谷 差出人 : megumi moritani 送信日時 : 2002/11/05 21:43 -------------------------------------------------------------------------------- 森谷です。 このたびはわたしの評議会での発言により お騒がせして申し訳ありません。 正直まだ迷っているし、今後のことも気になるので 事務局にはまだ正式な退会届を出していません。 ただ退会したとしても、皆様との協働は今後もより深い部分で続けていきたいし そのための力を、自分が今生活したり、働いたりしている場所で 身につけていきたいと願っています。 というわけで以下少し批判めいたことを書きますが 別にNAMに敵意をもっているわけではないし 活動を妨害しようとする意図からではないことをお察しいただければ 幸いです。 現在、NAMの活動が停滞しているということですが これはシステムがそうさせているというよりも、 これまで何度も起こってきた内紛によって人が離れ 結果的にそうなってしまっているのだと思います。ルールや「官僚的統制」は 本来、活動的な部分を縛るためのものではなく 異なる生活条件や思考、環境におかれた個人の諸実践や理論的考察の多様性を すくいとり、後につなげるためにあるはずです。 これまで活動に参加してきて感じるのはそのような多様性の喪失 異論を許す寛容さの欠如です。 内紛が起こる度に異論は十分に検討されないまま 抑圧ないしは排除される。そして別の事態が起こると 当の排除されたはずの意見が別の誰かの意見として まことしやかに復活する。 場当たり的で前後のつながりはありません。 これまではルールがまだ整備されていないから、組織が 未成熟だからと考えてきたのですが、ここにいたって 目にするのはそのようなシステムつくり自体を 悪しき「官僚化」として退けようとする傾向です。 断絶によって新たな風が吹き込まれたように一時的には見えても それはいっそうの悪循環に運動を閉じ込めるだけのものではないのか? 本当の意味で外部に開かれ、深く社会に根づいた運動となっていけるのでしょうか? このような批判自体空疎なものだし、人を苛立たせる 不毛なものでしかないことは十分承知しています。 お忙しい中、慰留をしてくださった皆様には深く感謝しますし できればもう少しポジティブなことを言いたかったのですが そのためにはもう少し時間が必要です。 わたし自身考えや経験不足からくる足りなさがあるのだと思います。 その足りなさを少しでもうずめてあらためて皆様とお会いできる 日がくることを心から願っています。