オドサンが貰われた理由

オドサンは、私の祖父母の家の近所の家の犬の子どもでした。
他の子犬が、そのお家の前の公園で元気に遊んでいる中、オドサンは ひとり、スヤスヤ居眠りばかりしていました。(人通りのない、のんびりした田舎だったので、犬たちは自由に外に出たりしてました)
そんな姿を見かねたお母さん犬は、オドサンの首ねっこをくわえて、公園に連れていったりしました。 でも、オドサンは、お母さん犬の後を必死で追いかけ、家に戻って、お母さん犬のそばで、やっぱりスヤスヤ居眠りを決め込むのでした。
そういう姿を見た私たちは、よし!この子なら、おとなしくて育てやすそう!しかも、コロコロしててタヌキみたいでカワイイ(^^)と、すっかり気に入ってしまったのです。
そうして、オドサンは、なぜだか、お礼のパイナップルとみかんの缶詰と引き替えに、私たちに引き取られていったのです。


オドサンとお母さん犬との別れ

そうして、オドサンは、私たち一家の仲間入りすることになったのですが、 その日は、家に連れて帰らずに、祖父母の家に、オドサンも一緒に泊まることになりました。
次の朝のことです。なんと、お母さん犬がやってきたのです。オドサンを迎 えに来たのです。
ちょうど、オドサンは、庭の軒下につながれていたのですが、お母さん犬は、いつものように、ひょいっと首ねっこをくわえます。 それで、オドサンを連れて帰ろうとしたのですが・・・。そうです。オドサ ンは、つながれていたのです・・・。
お母さん犬は、ひっぱっても、オドサンがいっこうに、前に進まないので、「なにやってるの!?さあ、帰るわよ!」って顔で、オドサンをひっぱっていたのです。オドサンも、お母さんと一緒に行きたくて、クゥンクゥンと鳴きます。
なんだか、幼心にも、私は、とてもすまないことをしているような気持ちになりました。だけど、オドサンは私が飼いたいし・・・。
そうこうしていると、私の祖父が出てきました。おせんべいを手にしています。おじいちゃんは、お母さん犬に、おせんべいをチラつかせます。
すると、どうでしょう!お母さん犬は、オドサンのことなんか、そっちのけで、おせんべいをもらおうと必死です。おじいちゃんは、そのまま、おせんべいをかざしながら、まんまと、お母さん犬を、彼女の家に連れて帰ったのです。
オドサンは、お母さん犬の後ろ姿に向かって、必死に泣き叫んでいました。目に涙を溜めていたんです!ほんとに!!でも、お母さん犬とは、それが最後の別れになりました・・・。ちょっと、可哀想だったかなぁ・・・。(^^;)

けなげなオドサン

それから、次の日、私たちは、オドサンをだっこして、私の家に連れて帰ることになりました。といっても、まだ、小さかった私は、結構コロコロしていて、意外に重かったオドサンを、途中何度か、下に落としてしまいました。
その度にオドサンは、地面にたたきつけられた訳ですが、オドサンは、悲鳴ひとつあげず、必死に耐えてました。(別に故意にとか、動物虐待とか、そんなつもりは、なかったんです。。)
それから、やっと、家に着いたのです。とりあえず、私は、母に、何か、オドサンに食べさせるものはないかききました。すると、母は、残り物の【カレーうどん】ならある!と言って、うつわに【カレーうどん】を盛ってくれたのです。
すると、オドサンは、ちょびちょびゆっくりと、その【カレーうどん】をすっかり食べてくれました。たぶん、子犬だったオドサンには、カレーのピリ辛の刺激とか、つらかったかもしれません。 でも、頑張って、食べてくれました。
そうやって、オドサンは、私たち家族の仲間入りしたのです。

愉快なオドサン[1]

最初の紹介にもあったように、オドサンは、ひとなつっこい犬だったのですが、特に制服姿の女子中学生が大好きでした。(♂だから?ははは。確かに、それもあるかもしれません。)彼女たちが、家の前を通ると、じっと目で追います。
どうやら、学校帰りの中学生の女の子が、オドサンに話しかけてくれるのが とても、うれしかったみたいなのです。たまに、お弁当の残りやらも頂いて いるようでした。オドサンは、ちぎれんばかりに、しっぽを振って、とってもよろこんでいました。そんな姿を、家族はほほえましく思っていました。
ところがある日、ちょっとした拍子に、オドサンは、家から飛び出してしまいました。その頃、私は小学校に行っていたため、後で、母から聞いた話なのですが、しばらくして、中学校から電話があったというのです!
あわてて、母が、中学校に行ってみると、校庭でうれしそうにはしゃいでいる、オドサンがいたというのです!なんでも、その時、中学校に通っていた近所の女の子が、オドサンだってことに気が付いて、電話してくれたそうなんです!
おどさんは、大好きな女子中学生のおねえさんに会いたかったんですよね! とっても、満足して家路についたことと思います。やれやれ。

愉快なオドサン[2]

オドサンは、近所の人たちのことも大好きでした。オドサンは、ひとなつっこかったので、近所の人たちに、かわいがってもらっていたのです。私たち 家族の知らないいろんな人とも、お友達だったりしました。
そんなオドサンには、近所で、とりわけ、お気に入りのおじさんがいました。いつも、オドサンをなぜてくれて、「かわいいなぁ!おじちゃんにちょうだい!」とか言う気さくなおじさんでした。
ある時、オドサンは、またまた、家をぬけ出しました。またしても、電話がかかってきました。最寄りの電車の駅から、その近所のおじさんからでした。なんでも、気がついたらオドサンがついてきて今、一緒に駅にいるそうなのです。ですが、そのおじさんは、「仕事に遅れるので、もう行きます。」とのことでした。
あわてて、母は、駅に向かいました。ラッシュ時の駅のホームに、電車に乗れずひとり、オロオロする、オドサンに、無事、巡り会えたそうです!
でも、人について電車に乗っていかなくてよかったね!電車に乗りたかったのかな? まったく、人騒がせですね。ははは。。。

ごめんね!オドサン(^^;)[1]

ポカポカ春のある日、私は、オドサンと庭で遊んでいました。
それで、よし!オドサンの似顔絵描いてみよう!と思いたちました。
で、絵の具とスケッチブックを部屋から持ってきて、さっそくオドサンのスケッチをはじめました。オドサンは、私が絵を描いているあいだ、ずっと、身動きひとつしませんでした。オドサンなりにポーズをとってくれてたのかな?(といっても 横向きに寝ころんでただけなんですけど^^;)
そうして、我ながら、上出来!!と思う絵が完成しました!!
「わぁい!出来たよ!オドサン見て〜!」と、そのスケッチブックを持ち上げた瞬間。。乾いていなかった水彩絵の具がだらぁっと。。 ガーーン (°O°;)
せっかく、上手く描けたつもり(?)のオドサンの絵が、 ブタ犬のようになっちゃった。。!!
きわめつけは、その絵をみたオドサン!!その絵を見るやいなや、犬小屋に。。。(怒った???)
だけど、 なんとなく。。ムッとしてたような。。。(ごめんね〜〜!!オドサ〜ン)

オドサンとかくれんぼ

オドサンは、車庫で寝るのが好きでした。
オドサンと、あそぼう♪と思って、車庫に行くと、いつも、そこで、スヤスヤ寝てました。
私は、よく、車の陰に隠れてみました。すると、オドサンは、私の気配に気付いたらしく、スグに、私のところに寄ってきました。だから、私は、さらに逆の方に逃げて、隠れたりしました。で、車の端から、オドサンが探しにくるかな〜 って待ってました。(ヒマなヤツかも^^;)
でも、アレ〜???オドサン、あきらめたのかなぁ?(いつもは、絶対追いかけてくるのに??飽きたのかな??)と、思って後ろにふと、目をやると・・・。
え??なんと、真後ろに気配を消して、オドサンがじっとしているでは、ありませんか!!
オドサンの方が、一枚うわて!!さらに裏をかいて、反対周りしてたなんて・・!!かくれんぼの遊びをイヌと出来るとは!!
もちろん、木の陰とか、家の裏とか、いろいろ隠れてみたけど、オドサンは、スグに見つけにきたよ!
なんか、うれしそうだった(^^)オドサンもかくれんぼが好きだったんだね〜〜

ごめんね!オドサン(^^;)[2]

いきなり、言い訳なんですけどぉ。私は、子どもだったんでス!だからもって、好奇心旺盛なお年頃。。
でぇ。オドサンの鼻の穴に、草をつっこんで、クスグったら、マンガみたく ひぇーくしょん!ってクシャミするかなぁって!(^^;)
どーなったでしょうか!?オドサンは、私にくすぐられる度、ビエーークションって、クシャミをして、手で払いのけようと、やめてやめてって。。 (ど、どうぶつ虐待でしょうか!?やっぱし^^;)
オドサン!ゴミ〜〜ン m(_ _)m 私が悪かったぁ!

ごめんね!オドサン(^^;)[3]

でもって、またまた、子ども時代の話!(だからって、何しても許される んかい!)
(−−;)気をとりなおしてぇ、ここだけの話、いってみましょう!(^^)
私は、オドサンとお散歩中、私の前をもくもくと歩いていく、オドサンに ちょっかいを出したくなりました。
なーんにも悪いことをしてない、オドサンに後ろ蹴りをいっぱぁつ!
おお!キマったぁ!(こ、これは、完璧、動物虐待!!動物愛護協会の方! ごめんなぁい!)
でもね。でもね。所詮、子どものいたずら程度のチカラだからぁ!ジャレて るみたいなもんだって!?(必死に弁解!)
でも、どーなったでしょうか!?
オドサンは、なんと、後ろ向きに、後ずさりしながら、歩きだしたんだわ!
おお!オドサンなりの護身術!スゴイ!エライ!
でも、オドサンも怒った顔ぢゃなくって、困った ちゃんな顔になってたなぁ。。
だから、やっぱし、この場を借りて、ゴメン! m(_ _)m  悪気は、無かったよぉ!

オドサンってこんなヤツ[1]

実は、犬のくせに、ちっとも鼻が利かないヤツでした。
いつも、実験してみました。オドサンの好きなおやつを持ってきて、ポーン と投げてみる。すると、オドサンは、一目散に走っていって、ゲットしたの です。それは、なんてことない光景ですが、今度は、オドサンの両目を手で 被って、投げてみました。すると、どうでしょう!! オドサンは、近くをきょろきょろ、クンクン。。(ひっしっ)
結局、「ここだよ。」って教えてあげるまで、探しまくってました。
これって、もしかして。。どのあたりに落ちたのか、耳もあまり利かない??
それに、私が、手をグーにして、なにか持ってるフリして、それを口元に持っていってムシャムシャやると。。
「くれ〜〜!!」と言わんばかりに、しっぽぐるんぐるん!!舌なめずりを。。 「ナーンチャッテ!うそぴょーん!空っぽだよ〜ん!!」って、手を開くと・・・ (唖然とするオドサン。。)
これって、嗅覚がほとんど利いていない?? 警察犬には、絶対なれないネ!!
でも、そういう出来の悪いオドサンだから こそ、楽しい・・・のダ??
・・・つづく・・・

新聞で読んだんだけど

野生のオオカミは、いたって無口だそーだ。でも、飼い犬ならぬ 飼いオオカミになると、”わんわん”と鳴くらしい。犬も、同じで、オオカミに近い、野性的な犬ほど、”わんわん”とは、鳴かないらしい。ということは ・・・。無口なオドサンは、野性的で、オオカミに近しい存在だったのかな??確かに、ボサボサの雑種犬だし、ワイルドだったかもなぁ。やっぱり、その筋のイヌだわ(笑)

おまけのオドサン ←オドサンってこんな感じ。。