極悪・寮母・日誌 

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 いかにしてわたしは極悪寮母となったか
はじめに書いておくが、わたしは介護の仕事を特にしたかったわけではないのだ。お年寄りが「好き!」というわけでもない。4年前の1月、そろそろ今のバイトにも飽きたな〜と思って手にした求人欄に偶然老人ホームの求人を見つけ、フリーターたるものちょっと変わったバイトも経験してみようとおもった、これがそもそもの始まりである。

そして2年前、寄る年波には勝てず体力の衰えを感じてきたわたしは、生活の安定を求めた。かけもちしているバイトの中では、老人ホームがいちばん安定しているようだ。そうだここに就職してしまえばいいや〜。

人生ってばそんなもんである。わたしはまんまと正職員となりおおせたのだ。

こんな経緯からもわかるように、わたしには高邁な福祉観なんてありゃしません。「終の棲家」なんていわれても、だからどうすりゃいいの?じっさいに現場に入ってみれば、ひとりひとりが必死になって命を繋いでいる。明日のために今日のメシを食っている。風呂に入る。排泄をする。楽しみを求める。

わたしはそれらの欲求を満たそうとする。仕方ない、それが仕事なんだもの。

わたしは自分でも笑っちゃうほど、「お年よりのために」という意識がない。ただ生きようとするから生かそうとするだけだ。70人もの老人を相手にしていれば、中には大きらいな人もいる。でもその人が生きようとするなら生かそうとするのが義務だと思っている。だから、笑顔の裏で「コノヤロウ」と思ってることもしばしばである。

こんなわたしは、介護の仕事を夢み、心からお年よりに尽くそうとしている人からみたら

極悪寮母  なのだろう。

でもわたしはこんな自分がキライじゃないのだ。