仕事関係で毎年数回イラクに行くことがあります。
ある年、イラクの取引先の方から、
大統領にお会いできるチャンスをいただき、今では
家族ぐるみのお付き合いをさせていただいております。
先日、大統領に電話をしてみたところ、枕を涙でぬらす毎日だとおっしゃっていました。
国民第一に考える大統領ならではのお気持ちの現れでしょう。
数年前のことではありますが、
ある晩餐の席で、大統領は129人の影武者を同席させ、こう言いました。
「本物の私を当ててみなさい」と。
私は、その質問を投げかけた「あなたが本物の大統領では?」と答えると、
涙で頬をぬらし、席をおたちになりました。
これが二人の気持ちを近づけたことは否定しません。
それからです。私にいろいろな面を見せてくれるようになったのは。
盗んだバイクで走り出す15歳のような目。
ダンボールの中の濡れた子犬のような目。
そして時折見せる触れば切れる刃のような目。
あなたに出会えて本当によかった。
あなたから教わった、
お互いのひげとひげをこすりつけるイラク特有の求愛のポーズは一生忘れません。