8月②「本気で泣いた日」
考えることが多い合宿だった
前期のことも含めてリアルに進退問題を考えた
いかなる処分もうけるつもりだった



08月11日 日曜日 04:27:40「最終日」

帰った。体中が日焼けで痛かった。高野は最初から最後まで下僕だった。カメラが豪快に残った。
新潟での思い出になる御土産がほしかったのでそれを群馬県で購入した。これを見る度に壮大な海とブルーなテンションを思い出すのだろう。
いや、合宿としては楽しい部分もあった。何より癒された。

08月11日 日曜日 04:20:29「三日目〜波乱〜」

飯までの時間を特等席で潰した。煙草を吸いながら今後を考えた。
疲れと悩みで飯はサッパリ食えなかった。風呂に入ってからやはり特等席に行った。
海を見ていたら中野さん達が通り過ぎ高野が携帯を取りに来て軽く話をし麻衣子が来て去年の話しなどをした。
それが自分の中での最後の癒しだった。
全体会議が始まり自分はやるべきことをやった。会議は終わったが自分はそれだけではすまないと思った。
上から言われるのはそれほどでもなかった。下から言われたのが何よりも心に響いた。
俺は飲み会をしてはイケナイと思った。何よりも自分の愚かさに泣きそうだった。
だから芋に頼んで誤魔化してもらい飲みの前に海に行った。
下の前で涙を見せることは出来なかった。酔って言い訳をするかもしれない自分が恐かった。
酔って部活を語り出す自分がいると思うと許せなかった。酔って忘れようとする自分はイヤだった。
楽しんではイケナイと思った。自分にペナルティを課したかった。
これ以上、雰囲気を壊したくはなかった。飲みに参加する資格は無かった。
飲みの途中で抜けるのはダメなので最初からいないのが最善の策だと自分は弾き出した。
特等席に座り、ひたすら泣いた。
前の晩にあれだけ信用してると言った人間をこうもあっさり裏切る自分に腹が立った。
部活を良くしようと言いながら、パブリックサーバントでいたいとか言いながら結局は部活を崩壊させてる自分に腹が立った。泣くしかなかった。
よくよく考えれば鈴木の性格から予測出来たはずだ。メンバーの中で誰よりも止めることが出来たのは俺のはずだった。
それなのに真っ先に海には入り遊んでいた自分が恨めしかった。
『責任』を語りながらそれを忘れていたのが悔しかった。悔しいと言うか愚かと言うかただただ涙が出た。
1時半くらいまでいたら雨が降って来たのでパラソルの下に行った。誰にも合わす顔が無かったので部屋には入れなかった。
集団が出てきた時、寝てるふりをしてやり過ごした。
諸沢が来てその話をした。諸沢に関係者7人の処分を何らかの形でとるように言った。
諸沢がアイツにしては珍しい主張をした。
『前夜祭メンバーは苦労人が多い。そんな人達が一度の過ちで全てを失うのはどうなんだ?鈴木にしろ純粋な真面目さが裏目に出た。』
まさかとは思ったけど関係者の処分無しを主張した。
明らかに感情に捕われて副部として見るべきを間違っていた。だから説得して処分は上や他の同期と考えるようにさせた。
副部は冷血なまでに事実だけを見て部活を守るべきだと言った。そしたら諸沢も泣いた。泣いて馬謖を斬ることが辛いらしい。
なんだかんだ言って同期の良さを認めていたらしい。一緒にやってきた仲間や上を斬れないらしい。
だけどそれだと上の横行に下は屈するだけだ。それだと上のやって来たことに何ら変わらない。
正直者に馬鹿を見せてはイケナイと言った。副部は常に冷静にジャッジをしろと
自分の意志よりも部活の今後について考えろその為なら身内すら殺す悪役が副部なんだと説得した。
2人して泣きながらのお話だった。
最終的には関係者以外の幹部以上の在学生で考えるようにそしてその実行、公表は俺は譲らないで纏った。
4時を過ぎて空が明るくなってからコソッと2人部屋の押し入れに入って寝た。

08月11日 日曜日 03:05:10「三日目〜嵐の前の楽園〜」

朝っぱらから海三昧だった。3500円の浮き輪は海賊王(親っさん)に奪われた。その後はイジメ状態だった。
無抵抗なのにひたすら水を浴びせられ浮き輪をゲットすれば速攻で奪われる始末だった。
さらに両腕を後ろから押さえられたり紐を巻かれたりでそれをこ一時間も続けたのでかなり疲れた。
はしゃぐ皆から逃げ回るを繰り返していた。結局、3500円の浮き輪は全然戻って来なかった。
ホントに疲れていたので他の人達と一緒にはしゃぐことが出来なかった。
そんな姿を不憫に思ってか麻衣子がお情けで浮き輪を貸してくれたのでそれで後半は波に揺られていた。それがかなりの癒しだった。
TUBEの【SUMMER DREAM】のウクレレバージョンや【BEAUTIFUL WORLD】等のウクレレベースの曲がしっくり来た。
壮大な青い空と海を見ながら、強い日差しを浴びながら海に浮かび波に揺られながら歌うのは最高の癒しだった。
マイナスイオンでα波出まくりだった。世俗を忘れてただただ浮かんでいたのは最高の至福だった。
こんな時間がいつまでも続けばと思った。嶋田が来た時にその全てが打ち砕かれた。
海上で嶋田に例の件を相談されて俺は困惑した。スッカリ忘れていたと言うかまさかと思った。
自分の中で苦痛な罰ゲームは実行しなくても誰も文句を言わないと言う暗黙の了解があった。
実際問題、彼以外はほぼ全員やり残しがある。卑怯かも知れないが実行しないのを責められるのを含めて罰ゲームだと思っていた。
それは所詮、俺の中の主観に過ぎなかった。彼の性格を考慮するのを全く忘れていた。
川手にも相談され川手は直接話をつけに行った。その後、前夜祭のことを聞いているのがわかった。
言われること、思われることはわかっていた。だけど実際に直接言われた時のショックは大きかった。
「先輩も一枚噛んでいたんですね。」
被害者の足元には及ばないが自分もダメージは大きかった。
一気にテンションはさがり海から上がり峯元にその話をしたらやはり驚いていた。心情は俺と同じだったらしい。
ブルーなままセブンで飯を買い2人して食った。一眠りしてから午後はひたすら一人反省会だった。親っさんや佐藤も困惑していた。
川手は絶対に全体会議で言ってくるだろうと思った。
完全に非があるのでそれに対して自分のやるべきこと、しなければいけないことを考えた。
やはりアカウンタビリティと謝罪しかない。それが起きた事象に対して出来る最低限の責任だと思った。

08月11日 日曜日 00:51:54「二日目夜」

飯の後に花火を囲みに行った。花火は見るだけだったのでそれほどでも無かった。
その後の海がまた青春だった。夜の海を見ながらつっ立ってるのも良かった。
去年を思い出して佐藤と諸沢が泣いてんじゃないかと思った。2人はぼーっとしていたけど泣いてはなかった。
だから学歌を歌ってあげた。これもまた青春だと思った。
ほとんどの人が帰ってから峯元と川手と浜辺に座り煙草をふかしながら話しをした。1年を交えて4・3で会談を開いたのは初めてだった。
まだ入部して半年もたっていないのにこれだけ部活のことを考えていてくれていたのが嬉しかった。
しかもコア中のコアな部分までケーススタディしていたのは驚いた。
ただ、一年目はそこらへんにはまだ触れてほしくなかった。余計なことは考えずに我武者羅に自分のやりたいことだけを考えてほしかった。
そこらへんは俺等に任せてもらえれば良かった。それが上として、親としての子を守る役目だと思っていた。
川手が2人を尊敬していると言った。基本的にそこらへんの言葉はほとんど信じないが言われて決して悪い気分ではなかった。
だけどそれ以上に「落研が好きだ」と言ってくれたのが一番嬉しかった。
自分が信じてやってきたモノを誉められたりそれを後輩が真剣に考えてくれるのはホント嬉しい。
豊島の予約の時にも思ったけど自分は放っておかれたりけなされたとしても部活のことを真剣に考え、好きになってくれるのは何より嬉しい。
川手なりの悩みも聞いたがそこは我々がサポートして行こうと思った。
学年別会議では今までになく平和に終わった。
その後、去年同様に夜の海で遊ぼうかと思ったけど皆寝るモードだったのでテンションはカラ周りだった。
合宿だぜ!?ムリしてでもはしゃごうよ!!!
唯一遊んでくれると思った3年は安眠協定を結びやがっていた。だから一人で海に行っていた。
最初は特等席で海を見て青春をしていたけど昨夜の麻衣子の話が頭をよぎっていて後方が気になってしかたなかった。
だけど後ろを見たら負けだと思ったので浜の方におりて行って何かが近づいてもわかるようにした。
そしたら数名が海にやって来た。そこでしばらく話をして諸沢と海の方まで行った。
遠浅だから入って行っても大丈夫だと思ってジャブジャブと行ったけど波が高くて速攻で引き返した。
部屋についてから何をするわけでもなく寝た。

08月11日 日曜日 00:06:55「合宿二日目」

己班は海しか考えていなかった。新潟市の海に行こうとしていたけどモスで朝食を取っていたら気分が変わって新発田まで行った。
海へは落研一番乗りだった。初っ端からはしゃぎまくった。
壮大な海の景色が嬉しかった。言葉にすることは難しいけどスゴイ気分が良かった。青い空と海ってのは本当なんだなって思った。
思わず3500円の浮き輪を買ってしまった。遠浅だったのでブイに行っても足がついた。海だぁ?って表現しか出来ないが嬉しかった。
宿に着いてからまた海を見に行った。やはりいくら見ても海などの流動物は飽きない。
マイナスイオンでかなり癒された。海を見渡せる浜辺の階段に座っていたのは青春だった。
露天風呂の後にも飯の後にもそこに行った。御宿の海よりも広くて人気も無くて良かった。青春のシチュエーションとしては最高だった。

08月10日 土曜日 23:38:12「合宿初日」

朝、峯元が起こし要員として来道場。そこでイッツハプニングを耳にする。急遽、道場内物資を用意した。
行きのバスの中は特に何も無くただ行くだけだった。
バスが高い所を走っていたのはなんか嬉しかった。馬鹿と煙は高い所が好きなことを実感した。
新潟市内に着いてからは荒波合宿を思い出して懐かしかった。
最初の自由行動で峯元と新潟市内をブラついた。そんな意味のない行動は楽しかった。
部屋は諸沢と篤史と一緒の山茶花だった。そこは富山道場新潟出張所となった。なんともまったりとして落ちついた部屋だった。
毛嫌いしていた諸沢セット(タンクトップ&グラサン)が流行った。自分も装備してみたら案外イケていたのでテンションがあがった。
飯その他は班員(同室の人)+芋佐で行った。なんとも結束力のある班員だった。
夜の万代橋周辺はイイ感じだった。寝る頃になったら一人で青春をしに来ようとか思ったけどなんだかんだ言ってだるかったのでやめた。
夜はひたすらまったりだった。自分の部屋から動くことなく班員およびあぶれ者達とトーク三昧だった。
テレビやゲームなどもしなかったのでまさに道場だった。
日が変わる頃、流石に道場にも来客が増えたので他の部屋を見に行った。
隣の部屋で掛け軸の裏等の御札捜索をしてたら井野の会話解禁を聞きつけたので見に行った。
そしたらそこで会談話大会をやっていた。2時過ぎまでやっていた。
自分はその辺の話しはなれていたのだけど唯一、麻衣子の体験談が案外地味でリアルだったので頭の中に残ってしまった。
そんなまま終了して部屋に帰ったら篤史と川手しかいなかった。諸佐芋高に裏切られた。初日は終了した。